【連載】

Wordはなぜ思い通りにならないのか?

3 標準の文字サイズと文字数/行数

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Wordは、本文を10.5ptの文字サイズで記述するように初期設定されている。とはいえ、必ずしも10.5ptの文字サイズで文書を作成するとは限らない。もっと大きな文字サイズを本文に使いたい場合もあるだろうし、その逆の場合も考えられる。そこで、今回は文書全体に関わる文字設定について紹介していこう。

標準の文字サイズを変更する

Wordは「標準の文字サイズ」が10.5ptに初期設定されている。よって、普通に文字を入力していくと10.5ptの文字が文書に入力される。もちろん、入力した文字の文字サイズはいつでも自由に変更することが可能だ。このため、『標準の文字サイズが何ptであろうと別に気にしない…』という方も多いであろう。しかし、このような使い方は思わぬトラブルを引き起こす場合もあるので注意が必要だ。

前回の連載でも紹介したように、Wordの初期設定では「1字」が10.5pt、「1行」が18ptに設定されている。この設定は文書上で文字サイズを変更しても変わらない。仮に本文が16ptの文書を作成する場合であっても、「1字」は10.5pt、「1行」は18ptとして処理されてしまう。つまり、実際に使用する文字サイズと初期設定が異なるため、様々な不都合が生じるのである。

1~2ページ程度の短い文書ならそのまま作業を続けても構わないが、何ページにも及ぶ文書を作成するときは、本文の文字サイズに合わせて「標準の文字サイズ」を設定しておくとよいだろう。これで「1字」や「1行」のサイズを本文の文字サイズに合わせて変更できるようになる。「標準の文字サイズ」は以下のように操作すると変更できる。

(1)「ページレイアウト」タブを選択し、「ページ設定」のダイアログボックス起動ツールをクリックする。

(2)「ページ設定」ダイアログが表示されるので、「文字数と行数」タブにある「フォントの設定」ボタンをクリックする

(3)「フォント」ダイアログが表示されるので、「サイズ」で標準の文字サイズを指定し、「OK」ボタンをクリックする

たとえば、上記の手順で「標準の文字サイズ」に16ptを指定すると、「1字」は16ptに変更され、「1行」は21.75ptに変更される。

「標準の文字サイズ」を16ptに変更した場合。「字送り」は16pt、「行送り」は21.75ptに変更される

これで「標準の文字サイズ」の設定変更は完了…と言いたいところであるが、このまま「OK」ボタンをクリックしても、なぜか設定が正しく反映されない。試しに適当な文章を入力して行グリッド線を表示してみると、「2行」の行間で文字が配置されているのを確認できる。

「標準の文字サイズ」を16ptに変更し、文字を入力した様子

このような結果になるのは、「1行」の設定が18ptのまま更新されていないことが原因だ。16ptの文字が「2行」の行間で配置される理由は、前回の連載で紹介したとおりである。「標準の文字サイズ」や「1字」は正しく16ptに更新されているのに、なぜか「1行」の設定だけ18ptのまま変更されない…、という不思議な現象が起こってしまうのだ。

これを正しく設定しなおすには、「ページ設定」ダイアログの「行数」を手動で指定する必要がある。たとえば、「行数」に30と再入力してから「OK」ボタンをクリックすると、設定が正しく反映されて文字が「1行」に収まるようになる。

「行数」の値を再指定すると…

設定が正しく反映され、文字が「1行」で配置されるようになる

文字数と行数の指定

先ほど紹介した「標準の文字サイズ」にも関連する話であるが、Wordで文書を作成するときは、1ページあたりの文字数と行数を最初に指定しておくのが基本である。すると、ここで指定した「字送り」や「行送り」が、「1字」や「1行」のサイズとして採用される仕組みになっている。

「標準の文字サイズ」を10.5ptのまま使用する場合であっても、「1行」の行間を変更したい場合などは、これから紹介する設定変更を行う必要があるだろう。

文字数や行数は「ページ設定」ダイアログで指定する。ここには4種類の指定方法が用意されているが、通常は「行数だけを指定する」を選択するのが基本となる。「行数」を変更すると、その値に応じて「行送り」も自動的に設定され、以降はその値が「1行」のサイズとして扱われるようになる。もちろん、「行送り」を直接指定しても構わない。この場合は、指定した行送りに応じて自動的に「行数」が設定される。

指定方法には「行数だけを指定する」を選択するのが基本。この場合、「行数」または「行送り」を指定する

文字数も指定したい場合は「文字数と行数を指定する」を選択すればよい。この場合は「文字数」と「字送り」が連動して変化することになる。

「文字数と行数を指定する」を選択すると、「文字数」や「字送り」も指定できるようになる

ただし、必ずしも指定した文字数になるとは限らないので注意すること。プロポーショナルフォントの場合は文字ごとに文字幅が異なるため、文章の内容に応じて文字数が変化する。また「両端揃え」を指定している場合は、各行の右端が揃うように字間が自動調整されるため、指定した文字数にならない場合もある。

必ず指定した文字数で配置したい場合は、「原稿用紙の設定にする」の指定方法を選択してから「文字数」と「行数」を指定すればよい。すると、グリッド線のマス目に1文字ずつ文字が配置されるようになる。ただし、この指定方法では「中央揃え」や「右揃え」などの配置が指定できなくなる点に注意すること。

ちなみに「標準の文字数を使う」の指定方法は、「1字」=標準の文字サイズ、「1行」=12ptに設定するものとなる。ただし、これは少し特殊な設定であり、文字が行グリッド線に沿って配置されず、文字サイズに応じてそのつど適当な行間が自動指定されるようになる。また、この指定方法で作成した文書をWord 2007で開くと設定が無視され、ページレイアウトが意図しない状態になるなどの不具合も報告されている。よって、この指定方法は選択しないのが無難といえる。

「既定に設定」ボタン

「ページ設定」ダイアログや「フォント」ダイアログには、「既定に設定」というボタンが用意されている。このボタンは"かなりの上級者"でない限りクリックしないのが基本である。というのも、文書単位の設定ではなく、Word全体の設定を変更してしまうからである。
通常、Wordを起動すると、「NORMALテンプレート」を基に白紙の文書が作成される。この「NORMALテンプレート」には、標準の文字サイズ=10.5ptなど、Word文書に関する様々な初期設定が保存されている。「既定に設定」ボタンは、この「NORMALテンプレート」の内容を更新するものであり、初期設定そのものを変更してしまうボタンとなる。むやみにクリックすると元の状態に戻すのが難しくなるので、よくわからない方は「既定に設定」ボタンに触れないように注意しよう。

「既定に設定」ボタンをクリックすると、このような確認画面が表示される。ここでは「いいえ」ボタンをクリックするのが基本だ

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インデックス

連載目次
第37回 (最終回) なぜWordを思い通りにしたいのか?
第36回 Wordで使用する単位
第35回 アイテムの整列
第34回 段組みとセクション
第33回 変更履歴の活用
第32回 文書の印刷方法を工夫する
第31回 文書に貼り付けた画像の解像度
第30回 Word文書から画像ファイルを抽出
第29回 Word文書をPDF形式に変換する
第28回 文章の自動校正機能で単純な入力ミスをチェック
第27回 文字選択のテクニック
第26回 Officeテンプレートの活用
第25回 テンプレートの作成
第24回 改ページ位置の自動修正
第23回 見出し番号の自動入力
第22回 箇条書きとリストのレベル
第21回 目次の作成
第20回 ナビゲーションウィンドウの活用
第19回 アウトラインレベルの指定
第18回 Excelデータを利用した宛名印刷
第17回 差し込み印刷による年賀状宛名面の印刷
第16回 スタイルの表示を変更する
第15回 スタイルのカスタマイズ
第14回 スタイルの作成
第13回 第13回 文字と段落の書式の応用例-2
第12回 文字と段落の書式の応用例-1
第11回 文字の上下位置を調整する(上付き/下付き文字)
第10回 文字幅と文字間隔の指定
第9回 段落罫線を使いこなす
第8回 ヘッダーとフッター
第7回 タブとリーダーの活用
第6回 インデントとぶら下げ
第5回 箇条書きをマスターする
第4回 行間を自由自在に設定する
第3回 標準の文字サイズと文字数/行数
第2回 Wordにおける「1字」「1行」とは
第1回 画像を好きな場所に配置できない

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