「人間愛の教育」を理念に掲げ、80 年以上の歴史を持つ教育の伝統校として密度の高い教育を実践する、文教大学。教育学部、人間科学部、文学部など 7 学部を擁する同大学は、埼玉県越谷市に越谷キャンパスを、神奈川県茅ヶ崎市には湘南キャンパスを構え、日々、人間がかかわるさまざまな領域で活躍する専門家とスペシャリストを養成しています。

文化系学部がある越谷キャンパスでは、1999 年より開始した「教育研究用情報環境整備」以降、PC 教室の拡充や無線 LAN 環境の整備、Office 365 によるメール システムのクラウド化などを推し進めてきました。さらに、2016 年度に実施した第 6 次情報環境整備では、学生へ向けて提供する 1,000 台以上の PC を Windows 10 へ全面刷新することで、最新 ICT 環境の学生への提供と、セキュリティ レベルの向上を実現しています。

プロファイル

源流である立正裁縫女学校が創立された 1927 年より、80 年以上もの期間をかけて高い教育力を伝承してきた、文教大学。教育力の伝統校として、同大学は今後も、人間がかかわるさまざまな領域で活躍する専門家、スペシャリストを養成していきます。

導入の背景とねらい
1,000 台を超える学生向け PC のリプレースにあたり、OS を検討

埼玉県南東部の越谷市に立地する文教大学 越谷キャンパス。教育学部、人間科学部、文学部のほか、3 つの大学院研究科、教育専攻科、外国人留学生別科を構える同キャンパスには、日々、5,000 人を超える学生が通学しています。これら学生の学びをより豊かなものにすべく、同大学では、学内に 900 台以上の学生向け PC を設置するなど、ICT 環境の整備を積極的に進めています。

文教大学 越谷キャンパス

文教大学 越谷キャンパスにおける ICT 整備の方針について、学校法人 文教大学学園 法人事務局 部長 情報システム担当 衞藤 敦 氏は、次のように説明します。

学校法人 文教大学学園
法人事務局
部長
情報システム担当
衞藤 敦 氏

「情報学部のある湘南キャンパスと異なり、越谷キャンパスに構えるのは、教育学部、人間科学部、文学部といった、いわゆる文系学部になります。情報学部の場合は技術者の養成も目的となるため、専門のアプリケーションを動作させるためのスペックが重要になります。一方、越谷キャンパスの場合、学生が『ツール』として親しみを持って ICT を活用できる環境を整えることが必要だと考えています。学生が普段利用している ICT 環境とのギャップは、そこへの障壁になってしまうため、越谷キャンパスでは、『常に最新で、利便性が高い ICT 環境』の整備を重要視しています」(衞藤 氏)。

この方針に基づき、越谷キャンパスでは 1999 年より「教育研究用情報環境整備」と称したプロジェクトを進めてきたといいます。第 1 次情報環境整備では、当時 2 か所設置していた PC 教室の環境整備としてマルチベンダーだったデバイスを統一したほか、Active Directory による学生 ID の認証基盤整備を実施。その後、無線 LAN 環境の整備やネットワークの増強、Office 365 による学生向けメール システムのクラウド化などを経て、利便性の高い環境を整備してきました。

そして 2015 年より検討が開始されたのが、2016 年度の実施を予定した第 6 次情報環境整備です。同プロジェクトでは、大規模な PC リプレースが計画されたといいます。

「越谷キャンパスの PC 教室は、1999 年当初 2 教室だったのが、今では 12 教室に拡大しています。また、PC 教室だけでなく普通教室、図書館、大学院生室でも学生向け PC を設置しており、学生への PC 貸出も行っていました。こうした PC の台数は 1,000 台以上にまで増加しており、第 6 次情報環境整備ではこれら全デバイスのリプレースを計画しました。そこで検討議題となったのが OS の選定です。当時は Windows 7 を利用しており、最新 OS で PC リプレースを行うべきかどうかをまず検討する必要がありました」(衞藤 氏)。

システム概要と導入の経緯
最新環境を提供するという方針から、Windows 10 の採用を決定

リプレース対象になる PC の台数は、学生へ向けて学内に設置する 910 台と、貸出用の 120 台、延べ 1,030 台を数えます。文教大学では、2015 年 4 月よりこのリプレースに向けた情報収集を開始しましたが、その際大きな検討議題となったのが、同年夏の提供開始が予定されていた Windows 10 を採用するかどうか、という点でした。衞藤氏は、先の方針から Windows 10 を採用したいという思いがあった一方で、OS 選定において必須となる条件がクリアできるかどうかが懸念だったと、当時を振り返ります。

「今回 Windows 10 を採用しなければ、次回のリプレースである 4 年後まで古い OS 環境を学生に提供することになり、それは避けたいという思いがありました。しかし、学生向け PC を配備するうえで必須となる環境復元システムや、セキュリティ ソフトなど、現在利用しているアプリケーションが動作しなければ、そもそも Windows 10 を採用することができません。そこで、第 1 次から第 5 次まで情報環境整備の調達と構築を支援いただいていた富士通株式会社 (以下、富士通) と株式会社富士通エフサス (以下、富士通エフサス) に相談し、情報収集を進めました」(衞藤 氏)。

富士通が提供する環境復元パッケージ『瞬快』の動作イメージ。初回の OS 起動時に環境を復元する同アプリケーションは、多くの学生が同一 PC を利用する学内 PC の運用において、欠かすことができない

これまでの情報環境整備においてシステムの構築を担当した、株式会社富士通エフサス 東日本支部 関越支社 関越情報サービス部 システムエンジニア 高堀 美徳 氏は、Windows 10 におけるアプリケーションの互換性について、次のように語ります。

株式会社富士通エフサス
東日本支部
関越支社
関越情報サービス部
システムエンジニア
高堀 美徳 氏

「文教大学様に限らず、環境復元パッケージ『瞬快』は多くの教育現場で利用されていますので、Windows 10 での互換性については当社独自に検証を進めていました。その結果、(Windows 10 の) 正式提供前ではありましたが、これまで常に最新 OS に対応してきたこともあり、Windows 10 でも問題なく動作するだろうという感触を持っていました。ですので、万が一、動作に不具合があった場合でも、Windows 10 正式リリース後、2016 年度がスタートするまでの数か月間あれば、対応できるということを衞藤様へお伝えしました」(高堀 氏)。

この報告を受け、文教大学では 2015 年 5 月、Windows 10 の採用を決定。Windows 10 は同年 7 月の提供開始であり、アプリケーションの動作検証を待たずにその採用を決定した形となりますが、その背景には、マイクロソフトと富士通への次のような信頼があったといいます。

「アプリケーションの互換性に関しては、マイクロソフトの OS と富士通の検証技術を信頼していたため、クリアできるだろうと期待しました。そのうえで、一番の決め手になったのはやはり、学生に少しでも早く最新の ICT 環境を提供したいという思いです。実際、あるベンダーからは、まずは Windows 7 でリプレースを行い、アプリケーションの動作検証後に Windows 10 へアップデートするという提案も受けましたが、学生には最初から最新 OS を使ってもらいたいと考え、富士通の提案を採用しようと考えました」(衞藤 氏)。 衞藤氏が語るように、文教大学では複数ベンダーからの提案を検討した結果、2015 年 11 月に富士通の提案を正式採用しました。これは、かねてより情報環境整備を支援してきた同社の技術力も評価したうえでの結論だったと衞藤氏は言います。

富士通株式会社
東日本営業本部
文教統括営業部
吉村 寛 氏

翌年 2016 年 1 月からは、『瞬快』をはじめとする、クライアント PC で利用される 53 ものアプリケーションの動作検証を開始しました。同プロジェクトにフロントとして携わった、富士通株式会社 東日本営業本部 文教統括営業部 吉村 寛 氏は、動作検証において留意した事項について、次のように説明します。

「教室ごとでマスターの種類やインストールされているアプリケーションが異なり、動作検証においてはそれぞれで検証が必要でした。また、Windows 8 系と Windows 10 系とでプロファイルが変わっていたため、そこに依存する箇所の検証はやや難航したといえるでしょう。しかし、衞藤様をはじめとした文教大学の情報システム室と密なコミュニケーションをとり、連携して検証を行ったことで、運用開始の 2016 年 4 月までには問題を解決できました。結果として、瞬快を含めた全アプリケーションが問題なく動作することを確認できましたが、これはマイクロソフトの提供する OS が優れた互換性を持っていたことにも寄与していると考えています」(吉村 氏)。

導入製品とサービス

*Windows 10 Pro

導入メリット

  • 1,000 台を超える学生向け PC を Windows 10 へリプレースすることで、学生への、最新で利便性の高い ICT 環境の提供が実現できた
  • 従来から利用している全 53 のアプリケーションは無事動作し、わずか 3 か月という短期間で Windows 10 への移行を完了できた
  • 最新 OS を採用したことで、セキュリティ レベルや安定性の向上を図ることができた

導入の効果
最新 ICT 環境の学生への提供を、わずか 3 か月という動作検証期間で実現

53 あるアプリケーションの動作検証が完了したことを受け、文教大学 越谷キャンパスは当初の予定どおり、2016 年 4 月より、1,030 台の学生用 PC すべてを Windows 10 へリプレースし、運用を開始しました。同環境は、Current Branch for Business (CBB) モデルの Windows 10 を採用しており、学内の WSUS サーバーでアップデートをコントロールすることで、OS のバージョンを管理して運用されています。

衞藤 氏は、OS 移行と同時に 1,000 台規模の PC リプレースをトラブルなく完了できたことが、第 6 次情報環境整備における一番の成果だと、笑顔で語ります。

「当初懸念していたアプリケーションの動作については、問題なくクリアできました。計画どおり 3 か月という短期間のスケジュールで、トラブルもなく、学生へ最新の ICT 環境を提供できたことが、最も大きなメリットだといえるでしょう。また、Windows 10 の UI は、それ以前に越谷キャンパスで利用していた Windows 7 とも近いため、学生たちが戸惑っているようすもなく、システム面だけでなく利用面においても、スムーズに移行することができたと思います」(衞藤 氏)。

手慣れたようすで Windows 10 搭載 PC を利用する、文教大学 越谷キャンパスの学生

Windows 10 の PC へリプレースしたことで、セキュリティ レベルや安定性の向上が図れたことも、メリットのひとつといえます。また、学生向けに設置している PC については、すべて SSD モデルへと変更したため、Windows 10 の採用と相まって、ログインから作業開始までの時間を大幅に短縮することができました。これは、学生の利便性を向上するとともに、PC を用いた授業のスムーズな進行にも寄与しています。

今後の展望
最新で利便性の高い ICT 環境の整備を今後も推進

第 6 次情報環境整備により、学生へ向けた 1,000 台超の PC を Windows 10 へ全面刷新した文教大学 越谷キャンパス。「常に最新で利便性の高い ICT 環境」を学生へ提供するという方針のもと、同大学は今後も、ICT 環境の整備とその発展を計画しています。

「今回の PC リプレースでは、Windows 10 Pro を採用しました。今後、教育機関に向けた Windows 10 Education への移行についても、その利便性によっては検討していきたいと考えています。また、当大学ではすでに Office 365 を導入していますが、『OneDrive for Business』にファイル サーバーの機能を一本化するなど、PC 以外の ICT 環境についても検討と検証を進めていく予定です。ICT をツールとして使いこなせる学生を輩出すべく、マイクロソフトには引き続き、Windows 10 のような優れた安定性と利便性を持った製品の提供を期待しています」(衞藤 氏)。

「今回のプロジェクトから、文教大学 越谷キャンパスだけでなく、文教大学学園様全体の ICT 整備について、富士通が支援させていただけることになりました。学生が ICT に親しみを持ってもらえる環境づくりについて、今後も富士通が全力で支援していきたいと考えています」(吉村 氏)。

最新の ICT 環境を整備し学生へ提供することで、ICT をツールとして活用できる人材の育成に取り組む、文教大学 越谷キャンパス。人間がかかわるさまざまな領域で活躍する専門家とスペシャリストの輩出を継続していくべく、同大学の先進的な取り組みはこれからも続きます。

ユーザー コメント
「今回の PC リプレースでは、Windows 10 Pro を採用しました。今後、教育機関に向けた Windows 10 Education への移行についても、その利便性によっては検討していきたいと考えています。また、当大学ではすでに Office 365 を導入していますが、『OneDrive for Business』にファイル サーバーの機能を一本化するなど、PC 以外の ICT 環境についても検討と検証を進めていく予定です。ICT をツールとして使いこなせる学生を輩出すべく、マイクロソフトには引き続き、Windows 10 のような優れた安定性と利便性を持った製品の提供を期待しています」

学校法人 文教大学学園
法人事務局
部長
情報システム担当
衞藤 敦 氏

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