【連載】

セカイ系ウェブツール考

88 マーケティングに欠かせない"短縮URL"サービスたち

    中津川篤司  [2009/09/30]

    今回のテーマは「短縮URL」

    「Twitter」をはじめとするマイクロブログが多数立ち上がってくる中、注目を集めているのが"短縮URLサービス"だ。「TinyURL」のように昔から短縮URLサービスを提供しているところもあれば、「bit.ly」のように最近登場しながらもTwitterの公式短縮URLとして認められたために一気に成長しているサービスもある。マイクロブログサービスへの依存度が高いながらも、同様のサービスは数多く立ち上がっている。

    とはいえ、最近ではリダイレクト処理に関する問題も指摘されており、誰でも使える短縮URLサービスを利用することはセキュリティ上のリスクにもなっている。そこで多くのサービスでは自前で短縮URLサービスを構築し、データの集積や安全性を高める努力をしている。そこで今回は短縮URLをベースにしたWebアプリケーションやオープンソース・ソフトウェア(OSS)について紹介したい。マイクロブログを用いたマーケティングを行なううえで欠かせない存在だけに、利用することで面白いサービスが生まれる可能性がありそうだ。

    今回紹介するOSS・Webアプリ
    BudURL』 コカ・コーラも使う企業向け短縮RULサービス
    Cligs』 ソーシャルメディアのクチコミ効果を解析したい
    tr.im』 閉鎖宣言から一転、オープンソースに!
    YOURLS』 WordPressプラグインとしても連携できる



    コカ・コーラも使う企業向け短縮RULサービス

    名称 BudURL
    URL http://budurl.com/

    短縮URLサービスは、無料かつユーザ登録不要で使えるものが多いが、『BudURL』はユーザ登録が必須で、かつ有料プランも用意されている。主に企業向けの短縮URLサービスだ。もっとも有名なものとして、コカ・コーラのキャンペーンサイト「Coke URL」でも利用されている。

    URL作成画面。ユニークキーの他に自分で独自のキーワードを設定することもできる

    企業向けとあって、各URLに対してクリックステータスを見られる管理画面があるなど、マーケティングに役立つデータが提供される。また、日ごとや週ごとにステータスをメールで配信する機能を持つ。URLは自動生成のほか、エイリアス名の設定も可能だ(すでに取得されている場合もある)。

    URLごとの管理画面。さらにグラフなどを閲覧することも可能

    ユーザ登録さえすれば、あとはブックマークレットを使って任意のURLを短縮できる。マイクロブログを用いたマーケティング活動が行なわれつつある今だからこそ役立つサービスと言えそうだ。




    ソーシャルメディアのクチコミ効果を解析したい

    名称 Cligs
    URL http://cli.gs/

    Cligs』は、短縮URLサービスにアクセス解析機能が備わったサービスを提供している。クリック数やリファラー、クリックした人たちの地域(Googleマップ表示)、TwitterやFriendFeedでの言及などを見ることができる。ソーシャルメディアによる言及がどれだけの効果を生み出したか、Cligsを使えば容易にわかるようになる。

    ソーシャルメディアでのつぶやきを知ることもできる

    一般的に短縮URLサービスではURLをユニークとしているので、同じURLを短縮すれば同じ文字列が生成されるようになっている。しかし、Cligsでは、作成するたびに異なるURLが生成されるようになっている。これを使えばメールやマイクロブログ、通常のブログなど用途に応じて使い分けることもできそうだ。

    地図上にクリックされた場所をマッピングする

    どれくらいの効果があるかわからないソーシャルブログだけに、その効果をきちんと測定する必要がある。Cligsはその目的にぴったりのサービスを提供している。




    閉鎖宣言から一転、オープンソースに!

    名称 tr.im
    URL http://github.com/ejw/tr.im

    先日、突然閉鎖を宣言した短縮URLサービスが『tr.im』だ(のちに撤回、現在も変わらず運用中)。売却先を探しているとのことだが、同時にシステムをオープンソース化することを約束、先日ついにオープンソースとしてソースコードが公開された。シンプルなシステムでも構築できる短縮URLサービスではあるが、大量のトラフィックを適切に処理できるものとなると、tr.imを参照するのがよさそうだ。

    トップ画面。ユーザ登録するとURLのステータスを管理できる

    tr.imは大きく3つのシステムに分けて構築されている。URLを生成するWebサービス画面、Web API、リダイレクトのシステムである。これらを組み合わせて動かすことで、誰でもtr.imと同じシステムを運用できるようになる。

    URL管理画面。クリック数などがグラフ化されている

    tr.imはURLごとにクリック数や時間帯別のアクセスなどをグラフで表示する機能もあり、高機能だ。自分たちで短縮URLサービスを構築したいなら、tr.imを利用して構築するのがよいだろう




    WordPressプラグインとしても連携できる

    名称 YOURLS
    URL http://yourls.org/

    YOURLS』は、PHP+MySQLによる短縮URLソフトウェアだ。単独のWebシステムとして運用することもできるが、WordPressのプラグインとして連携させることもできる。この場合、ブログの中に組み入れておくと、ブログを読んだユーザが、そのURLをコピーしてすぐにクチコミにつなげることができるのがメリットだ。

    管理画面。生成したURLが一覧になっている

    管理画面ではURLやクリック数を一覧で見ることができる。Web APIも提供されているので、他のシステムと連携して活用することも可能。そしてさらにブログとも連携すればソーシャルな活動をいっそう促進することができるのではないだろうか。

    システム全体はAjaxを使っておりスムーズに操作できる

    最近はWebサービスと連携して開発者ブログや運用ブログを立ち上げているところが多い。そうした中、短縮URLサービスを組み入れたければ、YOURLSを使ってみるといいだろう。

    いかがでしたか?

    短縮URLサービスというと、URLを短くしてそれをクリックすると元のURLにリダイレクトされるだけというイメージがある。実際には、サービスごとに違いを打ち出そうとしている。WordPressの「WP.me」、FriendFeedの「ff.im」、Frickrの「flic.kr」などWebサービスがオリジナルの短縮URLサービスを提供するケースも増えている。同じように自前でサービスを構築するなら、すでに実績のあるシステムを活用するほうが手軽だろう。

    マイクロブログはまだまだごく一部の人たち向けのサービスでしかなく、さらに広がる可能性は十分にある。その時にクチコミを伝えるのが短縮URLの役割になる。さらに単なるリダイレクト以外の役割、用途も考えられるのではないだろうか。

    著者プロフィール:MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)

    1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。

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