今回のテーマは「Twitter」

いま世界的に注目を集めている「Twitter」。一時のブームは去った感が……と思ったら、各業界での有名人やメディアがTwitterをはじめるなど、さらなる盛り上がりを見せ始めた。「Twitterati」のような遊びも行われており、まだまだ過熱的に利用されているWebサービスだ。

日本語版サービスは2008年4月に開始され、ちょうど一周年を迎えた。月間ユーザ数は約40万人。規模はけっして大きくはない。日本ではこれからの成長が見込まれるサービスと言えそうだ。今回はそんなTwitterに注目して情報をお届けしたい。すでにどっぷりとハマッている人も、そうでない方もきっと使ってみたいと思えるはずだ。

今回紹介するOSS・Webアプリ
12seconds.tv』 文字制限にインスパイア! "12秒"の動画共有サービス
TwitPub』 Twitterを使った特ダネ販売サービス!?
Sideline』 いま、Twitterでは何が話題になっているのか!?
Twittexceler』 職場で安心Twitter? Excel VBAバージョンも存在



文字制限にインスパイア! "12秒"の動画共有サービス

名称 12seconds.tv
URL http://12seconds.tv/

12seconds.tv』はTwitter用というわけではないが、Twitterにインスパイアされて作られたサービスだ。Twitterが140文字の制限を設けているように、12seconds.tvでは12秒の動画だけがアップロードできるようになっている。この12秒という壁が逆にアイディアを生むきっかけだったり、カジュアルに投稿できる雰囲気を作り出したりしている。

「12seconds.tv」のトップページ。動画を続けて観ることができる

インターネット上で扱えるデータはどんどんリッチになっている。テキストだけだった時から、画像・音楽・動画が使えるようになり、いまや長時間・高画質な動画コンテンツも珍しくはない。それだけ表現の幅が広がったと言えるが、素人ではおいそれと手軽に作れるものではなくなっていることも事実だ。

動画のページ。動画のダウンロードも可能

そのような状況の中にあって生まれたTwitterは、140文字という投稿文字数の制限によって、むしろ表現の高さが増したと言える。12seconds.tvもまた、"12秒"という制限によって発展する可能性を秘めているサービスと言えそうだ。




Twitterを使った特ダネ販売サービス!?

名称 TwitPub
URL http://www.twitpub.com/

TwitPub』は、Twitterを通じて情報コンテンツを販売するためのマーケットプレイスを提供している。お金を払う価値のある情報(ニュースや占いやイベント情報や……)、いわばプレミアムコンテンツとも言える"つぶやき"の取引市場である。コンテンツを販売するためにTwitterアカウントを登録したり、逆に登録されているコンテンツを購入することが可能だ。

Twitterを使って有料コンテンツ配信を行う

コンテンツは月額で課金でき、手数料は20%。無償公開設定が基本のTwitterだが、そのメッセージ配信システムを販売システムに利用するというアイディアは興味深い。

登録されているコンテンツ。まだ数は少ないが、これからに期待したいところ

有料サイトの課金システムとして使うことも考えられそうだ。ファイナンス系や健康系などの価値ある情報ならマネタイズも考えられないだろうか。有料でも配信できるコンテンツは意外とあるのかもしれない。本サービスの販売コンテンツはまだまだ少ないが、今後に期待したい。近い将来、Twitter自体でも提供されそうなサービスだ。




いま、Twitterでは何が話題になっているのか!?

名称 Sideline
URL http://sideline.yahoo.com/

Twitter用のソフトウェアというと、投稿系のソフトウェアが多い。しかし、『Sideline』は利用法がひと味違う。「いま」を切り取るソフトなのだ。Twitterのリアルタイム性は、WBC(World Baseball Classic)や米ハドソン川での飛行機墜落事故などを通じて大きな注目を集めた。Sidelineは、その現在進行形のやり取りをフィルタリングして提供してくれる。

細かく検索条件を指定してタイムラインを検索できる

Sidelineは、米Yahoo!が開発、提供しているソフトウェアだ。Twitterユーザとして登録する必要はなく、パブリックなタイムラインを対象に様々な検索条件を指定することで、欲しい情報を見つけることができる。新しく立ち上げたサービス、商品、イベント、事件など多種多様な情報が、Twitter上でどのように注目を集めているかを調べることが可能だ。

トレンドのワードや検索を使って、いま注目の情報を収集できる

SidelineはまさにTwitterを使ったマーケティングツールと言える。一般的な検索エンジンではなしえない、今まさにどのような情報が取りざたされているか、それを知るのに便利なソフトウェアだ。




職場で安心Twitter? Excel VBAバージョンも存在

名称 Twittexceler
URL http://coderepos.org/share/wiki/Twittexceler

Twitterは人とのつながりを特別に重視しているわけではない。ひとりであっても使える(つぶやける)ツールだ。だが、他のユーザをフォローし、そこで会話を楽しむとさらに魅力を感じられるはずだ。こうしたコミュニケーションツールは、企業内で使われると、たいていが時間をつぶしてしまう代物であり、管理者側から嫌われるものになる。

Twitterを職場でやっていることが上司にバレるとまずい、そんな環境で働くユーザに(自己責任で)試してもらいたいのが『Twittexceler』だ。TwittexcelerはなんとMicrosoft Excel VBAを使って開発され、Excel上で動作するTwitterクライアントだ。

Microsoft Excelを使ってTwitterを読み書きする

発言の投稿はもちろん、フォローしているユーザのタイムラインを取得することもできる、Excelを使っているため、ユーザ名や発言内容、時間などがシートの中で一覧で表示される。自動更新機能により、定期的にデータを取得してくれる。

テキストやユーザ名などでフィルタリングができる

Excelを利用しているということで、オートフィルタを使って投稿内容をフィルタリングできるのが便利だ。フォローしているユーザに限るが、指定したワードが入っている発言や特定のユーザでフィルタイングができる。これにより新しい使い方も生まれそうだ。

いかがでしたか?

Twitterはビジネスモデルがまだ確立されておらず、今後の発展の仕方によっては大きくその姿を変える可能性もある。英語版以外の言語へのローカライズは日本語のみで、それだけに日本市場に対しても積極的に打ち出してくるはずだ。

投稿用のクライアントはローカルアプリケーション、モバイル向け、メールを使ったものなど多数存在している。自分のスタイルに合ったものを選択してほしい。さらに海外製のサービスではTwitterと連携するものが少なくない。そうした機能を使えば、さらにTwitterライフが楽しめるはずだ。

まだ、Twitterをはじめていない方も、使いこなしている方も、関連ツールを知ればもっと面白くなる。ぜひもっと便利なTwitterライフの実現に活用してみて欲しい。

著者プロフィール:MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)

1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。