【連載】
何をするにもまずは"アイディア"が重要だ。自分がふだん困っていること、人から聞いた話、テレビや新聞から得た情報などが元になって、何か新しいアイディアがわいてくる。アイディアはそのまま放置すれば意味がなくなる。何らかのアウトプットに昇華しなければならない。
ネットビジネスの場合はリアルのビジネスと違い、店舗などを出すことなく手軽にはじめられるのがメリットだ。アイディアとプログラミング、そしてデザイン能力を合わせることで、世界を変えることだってできる。すでにアイディアは出尽くしていると言われるネットの世界にあっても、日々新しい技術が開発され、それを利用したサービスが生まれ続けている。
今回はそんな"アイディア"をテーマにお送りしたい。思いつきから、実はとんでもないサービスが生まれるかもしれない。
今回紹介するOSS・Webアプリ
『Ideastor』 Dellが始めたご意見オープンサービス
『attedea』 アイディアは"みんなで"温めたい!
『XMind』 アイディア整理にはマインドマッピング
『AOISO』 アウトラインプロセッサで効率的な"創造"を
| 名称 | Ideastorm |
|---|---|
| URL | http://www.ideastorm.com/ |
製品に対する要望を顧客から聞き出そうと思っても、簡単なことではない。不満を持っている人からは聞き出しやすいかもしれないが、あるていど満足している人というのは、要望を表に出してはくれないものだ。そして不満の声だけに応えていると、機能が多くなり過ぎ、元々満足していたユーザすら離れていってしまう危険性がある。
コンピュータ販売の大手Dellは、製品改善のためのアイディアを外部に求めることにした。そしてすべてをオープンにすることで、コミュニティ化し、共有できるようにした。それが『Ideastorm』だ。これはDigg.comを参考にし、投票制によるアイディア共有サービスだ。
もちろんDellにとって喜ばしいアイディアばかりではない。現在、上位にあがっている要望には、「Googleツールバー」や「Live Searchツールバー」のプリインストールをやめてほしい、Windowsをインストールしないオプションを用意してほしいというものもある。提携の関係もあるため、必ずしも達成できるとは限らない。それでも顧客の要望をかなえることで、さらにDellが魅力を増していく可能性はある。
アイディアや改善要望は実際に使っている人がもっともよく知っている。自社のサービス、製品を提供している企業は同様の仕組みを取り入れることを検討してもよいのではないだろうか。
| 名称 | attedea |
|---|---|
| URL | http://www.attedea.jp/ |
『attedea』はアイディアや作品を中心としたSNSだ。携帯電話などを通じてアイディアをポストしたり、マインドウェア(マインドマッピング)を使ってアイディアを膨らませたりすることもできる。共有を通じてコメントを得たり、ヒントをもらったりして、さらにアイディアをより良いものに仕上げることに利用できるだろう。
自分だけの世界でモノを見ていると、自分の考えが世間のニーズや市場とかけ離れてしまうことはよくある。ひとつのアイディアであっても、多彩な方面から見られれば、より魅力を増すことだろう。アイディアのほかにもイラスト、動画、音楽などのデジタルデータを保存できるので、ポートフォリオとしての活用も考えられる。
アイディアはいつ何時思いつくかわからない。attedeaであれば携帯電話からメールするだけというシンプルさでアイディアを蓄積することができる。さらに友人や同僚を招いて、みんなでひとつのアイディアを楽しく育てていけるのではないだろうか。
| 名称 | XMind |
|---|---|
| URL | http://www.xmind.net/ |
アイディアはそうポンポンと生まれてくるものではない。それでも、ときには苦しみつつも、何らかのアイディアを生み出さなければならないことがある。そんな場面に使われるのがマインドマッピングと呼ばれる手法だ。中心にテーマを置き、そこから派生的に枝を伸ばしてテーマを細分化していく。細分化を繰り返していくうちに、ノード同士をつなげたり移動したりすることでアタマの中を整理できる。
『XMind』はノードにアイコンや画像を貼り付けたり、色や形をテンプレートから選んだりしてマインドマップを作成できる。一般的な中央にノードがある形のほか、魚骨図や組織図のような形をベースにすることも可能だ。思考を形にしていく中では、思考のジャマをしない柔軟性と多彩な色が大きな意味をもってくる。XMindはそのどちらについても優秀といえる。
さらに完成したマインドマッピングファイルを「Xmind.net」にアップロードして他のユーザと共有したり、オンラインで編集したりすることもできる。遠隔地とのコラボレート、ブレインストーミング的に使える便利なソフトウェアだ。
| 名称 | AOISO |
|---|---|
| URL | http://sourceforge.jp/projects/aoiso/wiki/FrontPage |
『AOISO』は日本製のソフトウェアで、アウトラインプロセッサと呼ばれるものだ。画面構成は2ペイン、左側に文書のツリー、右側に文書の内容が表示される。アイディアやメモを階層的に管理することでアイディアの創出を効率化することができる。
Linuxでの動作がメインだが、Windows向けにもバイナリが提供されている。ひとつのメモの中に思いつきを書き連ねていくと、探すのが大変になってくる。その点、青磯を使えば思考も階層化され、ドリルダウンをするようにより深く思考できるようになるだろう。
文書の作成ウィンドウはシンプルで、文字の装飾などはない。その分、ただ書くことだけに集中できる。アウトラインエディタはアイディアや思いつきをメモしたり、それをさらに一段掘り下げていく際に役立つだろう。
AOISOはまだ保存時に問題があるなど、実用としてはまだ不安があるかもしれない。だが日本製とあって今後の開発に期待したい。
アイディアというのは全くの外部要因だけで生み出されるものではない。マインドマッピングのように自分の思考を整理することで新しいアイディアにつながっていくことは多々ある。また、ブレインストーミングのように個々人の考えを自由に挙げていくことで、何の束縛もない自由な発想が生まれてくることもある。
さらに時間軸にも左右されない。決められた時間の中で5つのアイディア、というのは難しいが、常日頃から考えておけばぽつぽつと湧いてくることがある。大事なのはふと思いついた事柄を書き留めておくことだ。今は何の役にも立たないかもしれないが、別の企画と結びついたり、あとで見返した時に全く違った使い道が生まれてくる可能性もある。
いずれにせよ重要なのはアイディアを創出すると考えておくことだ。その点、これらのソフトウェアやWebアプリケーションを知っておけば、アタマの片隅ではアイディア創出について考えるようになる。そうすれば新しい発想が生まれる可能性が出てくるのではないだろうか。
著者プロフィール:MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)
1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。
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