【連載】

セカイ系ウェブツール考

59 仕事のムダは「タイムトラッキング」で排除する - 時間管理を見つめ直す

    中津川篤司  [2009/02/11]

    今回のテーマは「タイムトラッキング」

    当たり前のことだが、時間は有限だ。さらに誰に対しても同じく流れる。サボッていようと、忙殺されていようと流れていく時間は同じだ。すでに2009年もひと月が終わったので、残りは11カ月だ。今年の最後にどれくらい成長していられるかは日々の積み重ねの結果による。

    自分が日々どの仕事に対してどれくらい時間を使っているかを知るには時間管理ソフトウェアを使えば分かりやすい。日々結果を積み重ねていけば、思いのほかムダな時間があったり、効率化できる仕事が見えてくるはずだ。システム開発などにおいても機能の開発時間を計測していけば、その後はより正確な開発予測時間が出せるようになる。

    今回はそうした時間管理、タイムトラッキングを行うWebアプリケーション、オープンソース・ソフトウェア(OSS)を紹介したい。作業時間を計測して日々の業務改善に努めよう。

    今回紹介するOSS・Webアプリ
    RescueTime』 アプリケーション動作をトラッキング
    BubbleTimer』 マークシート方式の時間管理
    XTT』 マイクロブログ + タイムトラッキング
    timeEdition time tracker』 Googleカレンダー、Outlookと連動するタイムトラッキング



    アプリケーション動作をトラッキング

    名称 RescueTime
    URL http://www.rescuetime.com/

    時間管理で面倒なのは、作業を行う前後に計測の開始と終了の合図をしなければならないことだ。それを忘れてしまって正確な時間は出せなくなってしまい、時間管理をやめてしまったという人も少なくないだろう。計測するデータの種類は違うが、『RescueTime』はそのような計測忘れがない分、手軽に導入できる。

    ダッシュボード。時間やアプリケーション、登録したタグなどの軸でデータを分析する

    RescueTimeは、Windows/ Mac OS X/ Linux用に専用フロントエンドを提供している。そしてその結果をRescueTimeのWebサービスに転送しており、レポーティングはオンラインで閲覧する。閲覧できるデータは、使っているアプリケーションの種類、動作時間、Webサイトの種類など。いずれもアクティブなアプリケーションに関するデータが送られる。

    アプリケーションやWebサイトを軸にした分析グラフ

    使っているうちにGoogle検索が多い、テキストエディタの利用度合いが高い、Webブラウザを閲覧している時間が長いなどの特徴が出てくるはずだ。その中に時間つぶしだけのものがあれば要注意だろう。時間を適切に管理するためにもまずは正確な現状把握から始めてみてはいかがだろうか。




    マークシート方式の時間管理

    名称 BubbleTimer
    URL http://bubbletimer.com/

    タイムトラッキングが大抵、リアルタイムに申告していくのに対して『BubbleTimer』は後付け(もちろんリアルタイムでもかまわない)で報告する形式をとっている。特徴的なのはそのインタフェースで、学生の頃によく見られた懐かしいマークシート方式になっている。

    マークシート方式のポップな時間管理

    タテに作業項目を並べて、ヨコに時間軸がある。あとは作業を行った時間を黒く塗りつぶしていくだけだ。時間は15分単位になっているので、多少アバウトではある。結果は日々蓄積されていき、スパークラインによるグラフ化がされる。マークシートの各項目がきっちりと塗りつぶされるわけではなく、鉛筆で走り書きしたようなちょっと乱れた感じになるのがそれらしくてよい。

    人によってはマルチタスクで作業できるという人もいるが、実際には非常に難しく、同時作業の結果は逆に非効率的になることが多い。その点、 BubbleTimerのインタフェースを見ると同じ時間にはひとつの作業という雰囲気があり(実際には複数塗りつぶすことができるが)、ひとつの作業に集中して取り組もうという気にさせられる。

    ツアーより。マウスだけで簡単に時間管理できる

    最近ではiPhone/ iPod Touch向けのWebインタフェースもできており、どこからでも作業結果を蓄積できるようになっている。なおBubbleTimerは有料のWebアプリケーションであり年間20ドル(フリートライアルあり)になっている。




    マイクロブログ + タイムトラッキング

    名称 XTT
    URL http://www.caboo.se/

    Ruby on Railsの開発元37 signalsではIN/ OUTと呼ばれる社内向けマイクロブログ(Twitterライク)なシステムがあるらしい。一般には公開されていないがプロジェクトの進行状況や問題点などを各自がアップデートしていくことで、他のメンバーの邪魔をしない程度に連携がとれるようになっている。

    そのIN/ OUTに影響を受けて開発されたのが『XTT』だ。XTTは、Twitterライクなマイクロブログシステムだが、プロジェクトを作成できる点が大きく異なる。そしてプロジェクトに対してメッセージを送るとタイマーが動きだして作業時間の計測を開始する。

    マイクロブログでタイムトラッキングできる

    作業が終わったらその旨をメッセージで飛ばせばよい。グラフ化されるほか、他のメンバーを同じプロジェクトに誘えば、みんなでプロジェクトにおける作業時間を計測することもできる。社内向けマイクロブログとして使っても面白く、ゆるいプロジェクト管理としても活用できるソフトウェアだ。

    プロジェクト管理以外にも普通にステータスアップロードにも利用できる




    Googleカレンダー、Outlookと連動するタイムトラッキング

    名称 timeEdition time tracker
    URL http://sourceforge.net/projects/timeedition/

    timeEdition time tracker』はシンプルなアプリケーションで、WindowsとMac OS X向けにソフトウェアが提供されている。クライアント、プロジェクト名、タスクを登録したら作業時間が計測できる。開始および停止はボタンを押すだけのシンプルさだ。

    シンプルなインタフェースで使えるタイムトラッキング

    面白いのはMicrosoft OutlookやGoogleカレンダーと連携する機能を持っていること。作業結果を転送してあとで見返せる。一般的にカレンダーは将来の予定を登録するものだが、timeEdition time trackerを使うと作業結果が登録されていく。

    結果がGoogleカレンダーに転送された例

    一定時間放置していると自動停止する機能や、Microsoft Excel/ iCal/ CSV/ XMLでデータをエクスポートする機能などもある。個人で手軽に使えるタイムトラッキングソフトウェアをお探しならぜひ一度お試しを。

    いかがでしたか?

    タイムトラッキングを行うと、作業効率のムラや不要と思われる作業が浮き彫りになってくる。今の作業で手一杯であれば、新しいチャレンジを行う余裕も生まれてこない。逆に作業時間が分かれば、やめるべき作業が見えてくる。その作業をすっぱりやめてしまったり、他の人に依頼することができれば時間の余裕が生まれてくるはずだ。

    なお、時間管理はあくまでも現状の把握や改善の結果を確認するために利用するものであって、時間計測自体が目的になってはいけない。そのためにも過剰な工数をかけずにゆるく、手軽に、負担にならずに続けられるものを採用するのが重要だ。

    日々単調に作業を繰り返していたのではあなた自身の時間がもったいない。いかに効率的に、いかに短い作業時間で同じ結果を生み出せるかを常に考えよう。そのためにはまず現状を把握して、そのデータを分析して効率化していく取り組みが必要だ。

    著者プロフィール:MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)

    1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。
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