【連載】

セカイ系ウェブツール考

4 アイディア出しと整理に効くんです!

    中津川篤司  [2008/01/10]

    今回のテーマは「アイディア」

    新しいWebサービスを思いついたり、その内容をブラッシュアップしたりする際にはアイディアの整理が欠かせない。一度、メモに書き出してみることで、新しい見方を発見したり、漠然としていたひらめきが徐々に形になったりしていく。思いついていきなり開発を進めるのも良いが、ちょっとだけクールダウンして机上で磨きをかけると、もっと良いものができるに違いない。

    アイディアの出し方、整理の仕方には様々な方法が存在する。例えばブレインストーミングや、マインドマップの作成などがそうだ。机上で行うこともできるが、複数人、さらに言えば遠隔地の人も含めたチームで作業する場合はオンラインでできる方が便利だ。

    今回はそうしたアイディアを整理するためのWebアプリケーションやオープンソース・ソフトウェアを紹介したい。2008年も明け、新しいサービス作りにいそしむときのお供にどうぞ。

    今回紹介するOSS・Webアプリ
    bubbl.us』 ブレインストーミング用Webサービス
    Mind42』 Webベースのマインドマップアプリケーション
    QwikiWik』 WikiとFreeMindを連携させるソフトウェア
    Wema2』 オンラインの付箋紙ソフトウェア



    オンライン上でブレインストーミング

    名称 bubbl.usg
    URL http://www.bubbl.us/

    複数人で特に制限なくアイディアを出していくブレインストーミング。よく会議室などで行われるが、遠隔地の人同士が集まって開発するとなると、いつも同じ場所に集まれるとは限らない。それに、会議のたびに議論の内容をホワイトボードに書き出して保存する手間もネックになるだろう。

    その点、オンラインでブレインストーミングができれば、チャットをしながら書き出していくような使い方も考えられる。『bubbl.us』はまさにそうしたネットワーク上でのプロジェクト推進を可能にしてくれるWebサービスである。

    「bubbl.us」のトップページ。ユーザ登録する前に利用できる(画面中央の「Start Brainstorming」をクリックする)

    作成中の画面。キーボードで文字入力を行う以外はほぼ全てマウスだけで操作できる

    はじめにお試しで使うだけならユーザ登録は不要だ。日本語を問題なく利用できる。マインドマップのように枝を付けながら追加していくこともできるし、全く別の要素にすることもできる。各要素は基本的に直線でつながるが、矢印でつなげることも可能。友人を誘って皆で修正していくこともでき、終わったら印刷することができる。

    ブレインストーミングらしく、広々を空間を使いながら楽しめるWebアプリケーションだ。




    高機能オンライン版マインドマップ

    名称 Mind42
    URL http://www.mind42.com/

    Web上のアプリケーションというと、Ajaxを使ったものかFlashを使ったもののどちらかが多い。複雑なものはFlashが多いが、こちらのマインドマップソフトウェア『Mind42』はAjax製だ。まるでFlashかと思うほど、複雑な動作でもスムーズに動いてくれる。

    「Mind42」のトップページ。サンプルのマインドマップも数多く紹介されている

    マインドマップ作成中の画面。URLを指定して画像を埋め込むこともできる

    マインドマップソフトウェアなので、中心から要素を派生させながら進めていく。各要素にはノードやWikipediaの記事、Todoリストなどを付けることができる。さらに背景や文字色を変更したり、アイコンやリンクを付けたりといったことが可能だ。面白いのはテキストの代わりに画像を利用できる点だろう。

    他にもノードを閉じたり開いたりといった操作、拡大・縮尺にも対応している。もちろん、他のユーザを誘ってコラボレートすることが可能だ。三人寄れば文殊の知恵というが、Mind42も複数人で一つのマインドマップを作れば思いがけない発展を見せそうだ。




    Wikiとマインドマップのコラボレート

    名称 QwikiWiki
    URL http://sourceforge.net/projects/ppqwiki/

    『QwikiWiki』はPython製のソフトウェアで、Webサーバも内蔵して提供されている。ダウンロードしてmain.pyを起動するだけで利用できる手軽さが特徴だ。通常のWikiとしてはそれだけで利用できる。

    ページはWikiとして作成、編集できる。記法は補助リンクがついているので簡単に利用できるはずだ

    マインドマップを表示したところ。ページのタイトルがノード名になっている

    だが面白さとしては、まだまだ足りない。QwikiWikiはオープンソースのマインドマップソフトウェア「FreeMind」と連携することができる。そのためにはJava、FreeMindのインストールと、FreeMindのサイトでダウンロードできる「freemind-browser」を解凍し、 FreeMindのインストールフォルダに配置する必要がある。config.xmlを修正して、パスを正しく設定する必要もあるので注意してほしい(FreeMindへのパスがデフォルトではない)。

    完了したら、「Show Map」のリンクをクリックすると、マインドマップが表示される。Wikiページがそのままマインドマップに展開される形だ。Wikiは思いつくままにどんどん書き連ねていけるが、それの全体図を視覚的に見せてくれるといった感じだ。

    各ノードをクリックすると該当ページに飛ぶことができる。逆にマインドマップを取り込むこともできるので、Wikiとマインドマップをうまく使い分け、コラボレートさせてアイディアを膨らませていこう。




    いまだに現役! ブラウザ上で使える付箋サービス

    名称 Wema2
    URL http://wema.sourceforge.jp/

    既に開発が終わって久しいのだが(2005年4月以降更新されていないようだ)、未だ色褪せぬ魅力的な存在。『Wema2』は、ブラウザ上で付箋を作成できるソフトウェアだ。Wikiのようにページを作成していける点が特徴で、アイディアの各要素をジャンルごとに集めたり、階層分けにしたりして管理できる。

    「Wema2」操作中の画面。付箋の内容から新規ページを作成することができる

    付箋同士をつなぐ矢印を引くことが可能。線種や太さ、色などが指定できる

    付箋は色の変更やロックするといった操作が可能。線を引いて付箋同士をつなげることもできる。線は色や太さ、種類など様々な指定ができるほか、矢印を付けるかどうかの指定も可能になっている。

    登録したデータはRSS出力が可能になっているので、RSSリーダーで読むのはもちろん、データを取り込んで再加工することも容易だ。よくアイディアを整理する方法として付箋紙を紹介していることがあるが、これをWeb上で手軽にできるようにしてくれるのがWema2だ。

    Wema2はRubyを使ったCGIのソフトウェアで、Rubyが提供されているWebスペースであれば大抵動作するだろう。アップしてパスワード制限を行なえば、すぐにアイディアのコラボレートがはじめられる。

    いかがでしたか?

    今回はアイディア出しと整理に重点を置いたWebアプリケーション、OSSを紹介した。オンラインで行なう利点としては、複数人でコラボレートできることが挙げられる。チームでの作業もそうだが、知り合いの意見を聞いてみるだけでも新しいアイディアが創出されるということは多々ある。そのアイディアを見せられるように形にする意味でもこれらのツールは重宝しそうだ。

    コンテンツを積み重ねるツールとしてはWikiやブログなどが挙げられるが、そこにひとつ工夫が凝らされているだけで非常に有用なツールになる。それぞれの目的に応じて使い分けていただきたい。

    今年はどんなWebアプリケーションが登場するだろうか。そのネタ作りの環境として、これらのツールを使ってみてほしい。

    著者プロフィール
    MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)
    1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。
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