【連載】

ホスティングではじめる"自前の"Webサイト

1 「WebARENA SuitePRO V2」ではじめるホスティング

    沖林正紀  [2007/09/19]

    自前のWebサイトがほしい!

    そろそろ自前のWebサイトが必要になってきた。そんなニーズに応えてくれるのがホスティングサービスだ。

    ホスティングとは、ネット通販などのサービスを提供するサーバに対して、契約内容に合わせた実行環境を構築した上で貸し出すもので、レンタルサーバとも呼ばれる。

    こうしたサービスは、自前でサーバの構築や管理を行う技術者を確保するのが難しい中小企業(SME)などが、それらの作業をアウトソーシングする目的で利用することが多い。特に、楽天などのショッピングモールに出店して一定の成功を収めてきたネット通販事業者が、これからは自前のサーバを運営したいというケースで、ホスティングに対するニーズが高まっているという。

    そこで本連載では、ホスティング環境に対してブログやショッピングカートなどの機能を実現するソフトウェアの導入方法を紹介する。今後、ホスティングの利用を検討しているSMEや、それを支える社内技術者の一助となるものにしていきたいと考えている。

    なお、ホスティングサービスは、NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)が提供する「WebARENA SuitePRO V2」を前提に話を進めていく。これはNTTPCが2005年5月から提供してきた「WebARENA SuitePRO」(現在はこれを「V1タイプ」と呼ぶ)を大幅に拡充し、2007年7月3日から提供を開始したホスティングサービスだ。

    「WebARENA SuitePRO V2」のWebサイト


    WebARENAによるホスティングサービスの種類

    NTTPCでは、提供するホスティングサービスをWebARENAというブランドで統一しているが、サーバの提供形態によって、さらに細かくサービスの種類が分けられている。まずそれを整理しておこう。

    WebARENA Suite 2 - 共用サーバ
    同じサービスを利用する他のユーザーとサーバを共用するため、月額基本料金は3,360円からと、WebARENAとしてはもっとも価格が低く抑えられているが、独自のドメイン名をつけることが可能で、電子メールのウイルスチェックが無料で提供される。インストールできるソフトウェアは限られるものの、Web画面の操作でインストールが可能となっている。

    WebARENA SuitePRO V2 - 仮想専用サーバ(VPS)
    物理的にはサーバを共用しているが、ホスティングのユーザーにとっては専用サーバのようにそれを扱える「仮想専用サーバ」(Virtual Private Server:VPS)と呼ばれる方法により提供されるサービスだ。ユーザーは、提供されたサーバ領域を自由にコントロールできるroot(ルート)と呼ばれる権限を与えられるため、インストール可能なソフトウェアの種類や各種の設定について共用サーバよりも格段に自由度が高くなる。その代わり、サーバの実行環境を構築するためには一定の技術レベルを要する。月額基本料金は8,820円からとなっている。サービスの具体的な内容は後述する。

    WebARENA Solo - 専用サーバ
    物理的にも他のユーザーとは独立したサーバが提供されるため、月額料金が最低でも29,400円からとVPSより高額になるが、複数台のサーバを用いた構成が可能なほか、オプションでサーバ監視や保守のサービスを提供されるなど、Webサイトへのアクセスが非常に多い大規模ユーザ向きである。


    WebARENA SuitePRO V2で提供されるサービス

    本連載で取り上げるホスティングサービス、WebARENA SuitePRO V2について、もう少しサービス内容を具体的に紹介しよう。

    標準で20GBのディスク容量
    基本ディスク容量として20GBが提供される。追加料金を支払えば、5GB単位で最大50GBまでディスク容量を増やせる。V1タイプでは最大容量が6GBだったので、大幅な拡充といえる。V1タイプのユーザーで規模の拡張を考えているのであれば、V2タイプの違い(表1)を考慮したうえで、月額費用が3カ月間無料になる乗り換えキャンペーンを利用してV2に移行することを考えたほうがよいだろう。ただし、移行時はIPアドレスが変更され、開通までに約7営業日を要することには注意が必要だ。

    自由度の高い運用性
    Webデータ転送量、電子メールやFTPのアカウント数、バーチャルドメインなどが無制限となっているので、ビジネスを大きく成長させたいユーザーにとってコストが抑えられる。対応機能の詳細はこちらで確認していただきたい。

    セキュリティへの配慮
    サーバへの不正侵入を知らせるポート監視や電子メールのウイルスチェックが無料で提供される。また、データを暗号化するSSLも設定可能だ(サーバ証明書は別途購入が必要)。

    CentOSによる自動アップデート
    CentOSから新しいRPMパッケージが提供されると、毎日早朝に自動でアップデートが行われるように設定されているので、サーバのメンテナンスがしやすい。もちろん、パッケージをアップデートしない設定に変更することも可能だ。

    このほかにも、Ruby、Python、Postfixといった最新の環境が使えるなど(プレインストールソフトウェア)、多様なサービスが提供されているので、ホスティングを検討しているユーザーはぜひ確認していただきたい。


    次回は……。WebARENA SuitePRO V2上で、ショッピングサイトにとって必須となっているブログサイトの構築に挑戦!


    表1 V2タイプとV1タイプの違い

    サービスタイプ V2タイプ V1タイプ
    基本ディスク容量 20GB 6GB
    ディスク容量追加 5GB単位で追加可能(最大50GB) 不可
    OS CentOS4 Fedora Core 3
    カーネル 2.6系(変更不可) 2.4系(変更不可)
    アーキテクチャ X86_64 X86系
    NTTPC製RPMパッケージの提供 なし 一部あり
    yumのアップデート時のアクセス先 CentOS標準のレポジトリ NTTPCが用意したSuitePRO用レポジトリ
    管理ツール コントロールパネル コントロールパネル、Webmin
    コントロールパネル https://pro.arena.ne.jp/ ポートは443で固定 https://IPアドレス:8080/またはhttps://ドメイン名:8080/ ポートの変更も可能
    簡易サーバ設定 なし(提供予定) あり
    ループバックアドレス 使用可
    ping/traceroute 実行可
    iptables 使用可
    ログインシェルの変更 chshコマンド usermodコマンド usermodコマンド
    shutdown・reboot・halt hostnameコマンドで設定 コントロールパネルで設定
    tcpdump 使用可
    サービスの自動起動設定 chkconfigコマンドで設定 コントロールパネルで設定、chkconfigコマンドで設定
    監視 submission(587)監視可能 submission(587)なし

    関連サイト

    関連したタグ

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン