今回は線路についてのお話。1本の線路で上り列車も下り列車も走る場合は「単線」。2本の線路を上り列車と下り列車で使い分けた場合は「複線」となる。さらに、複線が2つ並ぶと「複々線」だ。この複々線、大都市の鉄道では2つのタイプに大別される。乗り換えが便利なタイプと、目的地がわかりやすいタイプだ。その違いと、それぞれのメリットを紹介しよう。線路の全体的な様子が分かりやすいよう、鉄道会社経営シミュレーションゲーム『A列車で行こう9』の画面を活用していく。

『A列車で行こう9』とは

『A列車で行こう9』はアートディンクが企画・開発し、サイバーフロントが販売する鉄道会社経営・都市開発シミュレーションゲーム。線路を敷き、列車を走らせ、駅に列車が発着すると都市が発展していく。シリーズ最新となる本作は、線路の形状やポイントの角度が増えて、実際の線路を再現しやすくなっている。 Windows 7 / Vista / XP 対応。価格は12,390円。 詳しくはこちら

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「線路別複々線」「方向別複々線」それぞれのメリット

複々線は「線路別複々線」と「方向別複々線」と2つに分類できる。「線路別複々線」は、2つの複線をそのまま並べただけの状態だ。東京では山手線と埼京線、中央線快速と総武線各駅停車、京浜東北線と東海道本線などがある。関西では阪急電鉄の梅田 - 十三間が線路別で、神戸本線、宝塚本線、京都本線の3路線が並ぶ「3複線区間」だ。

山手線と京浜東北線の田町付近を『A列車で行こう9』で再現。「方向別複々線」にするために、品川 - 田町間で京浜東北線の北行き線路が高架になり、山手線をまたいで降りる

「方向別複々線」は、列車の走る向きに線路を揃えている。東京では山手線と京浜東北線の田町 - 田端、東武伊勢崎線の北千住 - 北越谷、東急東横線と目黒線の田園調布 - 日吉などがある。大阪では東海道本線と山陽本線にまたがる区間で、各駅停車と快速、新快速の種類別で線路を使い分けている。

「線路別複々線」と「方向別複々線」。列車の進行方向の並びが違う

「線路別複々線」のメリットは、線路配置が単純なため「建設費用が安く済む」という点が挙げられる。デメリットは「双方の路線の乗り換えが不便」である。しかし、目的地ごとに乗客を分けることで、列車の混雑が片方の路線に偏らなくなるという利点もある。

中央線快速と総武線各駅停車の場合、長距離利用者は中央線快速へ、近距離利用者は総武線へ、と誘導できる。誰だって早く目的地に着きたい。しかし、そうかといって近距離客も快速列車に乗ると、快速列車の混雑が増してしまう。意地悪のようだが、乗客を分散させるため、わざと乗り換えをしにくくするという面もあるようだ。ただし、中央線快速と総武線はお茶の水駅のみ方向別となっていて、乗り換えしやすく配慮されている。

線路別複々線は単純に複線を並べただけ。双方の路線への乗り換えは不便

「方向別複々線」のメリットは、「乗り換えが便利」なこと。同じ方向の列車に乗り換える場合、同じホームの反対側の列車に乗ればいい。各駅停車と快速を乗り換えれば、いちはやく目的地に到着できる。どちらも各駅停車として運行している場合は、先に来た路線の電車に乗ればいい。

デメリットは、線路配置が複雑になりやすく、整備コストも高いという点。2つの複線が合流して複々線になったとき、方向別にするためには、合流部分にポイントを配置して列車の向きを整理する必要がある。しかし、ポイントで列車が対向車線の線路を塞いでしまう。そこで、大抵は立体交差で線路の並びを変更する。ゆえに、単純に複線を並べるよりも費用かかかってしまう。

利用者にとっては「方向別複々線」のほうが嬉しい。しかし、建設費用の問題で方向別複々線にできなかった区間も多い。もともと、乗客が増え、列車の数も増えてきたから複々線にするわけで、ポイントを使った複雑な運行は難しい。したがって費用のかかる立体交差が必要になってしまうのだ。

方向別複々線にするためには、前後の部分で立体交差を使う必要がある

『A列車で行こう9』を楽しむ推奨環境

『A列車で行こう9』は、カーブの半径の種類が多いため、複々線以上の線路をピッタリと並べられる。立体交差も作れるから、方向別複々線も再現できる。『A列車で行こう9』に必要な基本的なパソコンの性能は下の表の通りだが、広大な画面を見渡すには、ワイド画面の大型モニターがあると便利。『A列車で行こう9』では、解像度が大きくなると、同時に表示できる情報が増える。鉄道経営や街の情報を把握するなら、高解像度のモニターを入手しよう。

画面が広いと金額の推移がグラフで表示される(左)。画面が狭いと表示されない(右)

OS Windows 7 / Vista / XP(64bit版OSは未対応)
DirectX DirectX9.0c以上
CPU Core 2 Duo
メモリ [XP]1GB以上 [VISTA/7]2GB以上
HDD空容量 1.2GB以上
ビデオカード GeForce 6シリーズ以降、RADEON X1000シリーズ以降のビデオカード
VRAM 512MB以上
ディスプレイ 1024×768ピクセル以上
サウンド Direct Sound対応
入力機器 キーボードおよびホイール付マウス
その他 インストール時にDVD-ROMドライブ必須、インストール時にインターネット環境が必須