【1日目14:00~16:00】
ドキっ! とするほどきわどい"怪盗サムゲタン"登場!

東京国際(羽田)空港から、ソウル・金浦国際空港までのフライトはわずか2時間25分(ANA便の場合)。羽田空港の国際線ターミナルはびっくりするほどショボく(ゲートはわずか3つ、国内線ターミナルと雲泥の差)、空港好きの私からはコメントできないほど貧弱な設備ですが、都内からのアクセスがしやすいという利便性を考えれば、それくらいは目を瞑るとしましょう。さて、沖縄より近い海外、ソウル・金浦国際空港到着後は市内へと向かいます。今回泊まる宿は、ソウルのファッションタウン「東大門市場(トンデムンシジャン)」のすぐ近くにあるホテルです。めずらしく1人ではないことから、空港からホテルまではタクシーで移動しました。準備編にも書いたとおり、金浦国際空港からソウル市内中心地までは地下鉄で1本(1,300ウォン)にも関わらず、ウォン安に浮かれた私たちは贅沢にもタクシーを使ってしまいました(約20,000ウォン)。

ホテルにチェックインした後は、例に漏れず小腹がすいてきたので、参鶏湯(サムゲタン)を食べに出かけます。今回訪れたのは、地下鉄の光化門(クァンファムン)駅そばにある「正統参鶏湯元家」。店の名前からして、ものすごく正統派っぽいです(笑)。友人曰く、この店はビジネス街にあるので平日は混んでいるけど、今日は土曜日で昼時から少し過ぎているのできっと空いているとのこと。到着すると、確かにお客さんは私たち以外に誰もいませんでした。通常のサムゲタンは、鶏が一羽丸々入っていますが、すでに機内食をパクパク食べていた私たちは、そこまではお腹が空いていなかったので鶏が半羽の半鶏湯(パンゲタン)を注文。

(左)正統参鶏湯元家の看板。お店は2階にあります(上)パンゲタンが到着。ちなみに、付け合せで出てきたキムチもとても味がよく、二人でバクバク食べていると店員さんが無言でおかわりを持ってきてくれました。韓国では、キムチなどの漬物やパンチャンと呼ばれるおかずのおかわりは無料です

サムゲタンとは鶏肉を朝鮮人参などの薬草とじっくり煮込んだ食べ物です。滋養強壮に良く効くとされており、「土用の丑の日」に食べるうなぎのように夏バテ防止にも効くそう(もちろん、冬にも食べます)。このお店のサムゲタンは鶏臭さがほとんどなく、どちらかといえば朝鮮人参の風味が強いので、いかにも体によさそうな感じでした。しばらくするとお客さんが1人でやって来てサムゲタンを注文し、テレビに見入っています。お店も暇なのか、店員さんも一緒に同じテレビを見ている姿がなんだかおもしろかったので、後ろからこっそり隠し撮り。すると、左側のカーテンの向こうにある絵がなんだか気になる……。あとでじっくり見ると朝鮮人参の絵だったのですが、そのフォルムがあまりにもきわどい(笑)! 思わず、お店の人に写真を撮らせてくれと頼み込んでしまいました。

(上)お客さんと店員さんがテレビを見ている姿を後ろから隠し撮り。左上にあるレースのカーテンの向こう、なんだか気になりません?(右)なんと、朝鮮人参の絵でした。というか、ドキっとするほどエロいフォルム……。友人は「怪盗エロゲタン参上!」と、絵にタイトルを勝手に付けていました(笑)

腹ごなしに仁寺洞(インサドン)を散歩。ちょうど韓国を訪れたとき(11月下旬)は急激に気温が下がって寒くなったからか、イチョウがキレイに色づいていました。どこに行っても、雨の日も晴れの日も、キレイな紅葉が見られたのはうれしかったです

インサドンは、韓国伝統工芸の街として有名です。骨董品や古美術商などが立ち並び、モダンアートのギャラリーも多く存在します。中でも最近の伝統工芸が揃うショッピングセンター「サムジキル」では、若手アーチストの作品を手軽に買うことができます

【1日目 18:00~20:00】
汗蒸幕でうぶ毛抜きのあまりの痛さに涙を流す

今回泊まったホテルの地下には、なぜか汗蒸幕(ハンジュンマク)屋が入っていました。もともと1つ目の旅の目的にハンジュンマクを挙げていますが、これはラッキー! とホテルの予約と一緒にハンジュンマクの予約も入れておきました。ハンジュンマクとは石造りのドーム型サウナで主に女性向けの施設です。ドーム型サウナの中では松の木を燃やし、中が一定の温度に達したところで燃えている松の木に水をかけ、このときに生じる水蒸気でサウナの中を加湿します。そのドーム型サウナの中に入って新陳代謝を高め、肩こり解消や美肌を目指すというものです。ハンジュンマクの中はかなりの高温になるので、やけどを防止するため麻袋をかぶって入るのですが、しばらく中でじっとしていると、本当に体中から汗があふれ出て、新陳代謝がよくなる感じがします。今回訪れたハンジュンマク屋は観光客にも使いやすく、ハンジュンマクのほかに朝鮮人参風呂やアカスリ(テミリ)、泥パックなどがコースになっていました(64,000ウォン)。

韓国でアカスリを受けたことのある女性はお分かりだと思いますが、テミリ(韓国アカスリ)おばさんの制服は上下レースの下着(黒やエンジ色)で、最初はかなり引くこと間違いなしです(注:男性には男性の人があかすりをするので、いかがわしいということはありません)。

アカスリの台は大抵お風呂の横に設置してあり、アカスリを受ける際はその上に真っ裸で横たわります。そしてゴシゴシと石鹸をつけたアカスリタオルで擦られるのですが、「私ってこんなに汚かったの?」と、びっくりするぐらい垢が出ます。今回も垢がボロボロ出ていました。なお、私はオプションで糸を使ったうぶ毛抜きを追加したのですが、そのあまりの痛さに思わず涙を流してしまうほど。これも有名な韓国の伝統美用法ですが、自分に合うのか合わないのかをきちんと見極めてから受けることが大切だと今更ながら思いました(笑)。

残念ながら、ハンジュンマク屋内部の写真は撮れませんでした。ぜひ、自身で経験してみてくださいね。訪れたハンジュンマク屋からは、アカスリタオルと石鹸をおみやげにいただきました。これを使って自分でアカスリしても、あまり垢は出ないのが不思議……

【1日目 21:00~24:00】
「クリスマスは何をして過ごす?」

ハンジュンマクで伝統美容法を試したあとは、夕食を食べてから東大門市場を散策しました。ちょうどクリスマスが近いからか、かなり装飾が施されていて、そのほとんどにLEDが使われていました。いったいどれだけ電気代を食うのか、考えるだけでもちょっと恐ろしい……。この東大門市場は先に説明したとおり、30以上のファッションビルが並ぶファッションタウン。ほとんどの店は朝から次の日の早朝まで営業しており、まさに眠らない街といった感じです。洋服の店だけでなく、ビルの中にはフードコートがあり、ビルの周辺には屋台が多数立っているので、ショッピングだけでなくB級グルメも同時に楽しめます。私はあまりファッションに興味がないので、ブラブラ見るだけで終わってしまいましたが、同行の友人は上手く値切りながらアクセサリーなどを購入していました。

(右)イルミネーションが美しいビル。 「What are you doing Christmas?」(クリスマスは何して過ごす?)って、余計なお世話です……(上)ファッションビルの入り口もLEDでキラキラしています。ちなみに、この写真を撮ったのは土曜の23時ごろですが、深夜でも人が途切れることはなく、若者たちはこぞって買い物に勤しんでいました

【2日目 10:30~13:30】
KTXとセマウル号で全州(チョンジュ)を目指す

2日目は、「KTX(韓国の高速列車)とセマウル号(韓国の特急列車)に乗りたい」という望みをかなえるために、日帰りで全州(チョンジュ)を目指します。チョンジュへは列車のほかに長距離バスでもアクセスできますが、どうしても列車があるならそれでアクセスしたくなってしまう、プチ鉄子的な私の欲望をこの日帰り旅行で満たしてみました。

韓国の列車の路線を大まかに分けると、東側の京釜高速線(釜山、プサン方面)と西側の湖南高速線(木浦、モッポ方面)の2つがあり、それぞれの路線のソウル市内での始発駅は、東側がソウル駅、西側は龍山(ヨンサン)駅です。今回訪れたチョンジュは西側なので、ヨンサン駅からまずはKTXに乗りました。途中、益山(イクサン)駅にて特急のセマウル号に乗り換え、約3時間弱でチョンジュ駅に到着。実は列車に乗りたかった理由の1つに、このチョンジュの駅舎が見かったというのもあります。真っ白に塗られた木で立てられた駅舎を写真で見てからというもの、その駅舎が本当に白いのかを自分の目で確かめてみたかったのです。って、私、完全に鉄子ですね(笑)。ちなみに、列車の運賃はすべて通しで2万9,800ウォン(Standard Classで座席指定ありの場合)でした。

KTXの車両は、フランスの高速列車TGV-Aの韓国仕様を使っています。特別列車の速度は、KTX>セマウル号>ムグンファ号の順。乗り心地は上々で、私と友人は即効寝に入ってしまったほど(笑)

ヨンサン駅の電光掲示板。私はハングルがまったく読めないのですが、KTXという文字は確認できます。10:30出発の列車に乗りました

イクサン駅でセマウル号に乗り換え。プレートを見てお分かりのとおり、実は、ヨンサン駅からからこの列車1本でチョンジュ駅にアクセスできますが、KTXで途中まで行った方が30分ほど早く到着します

チョンジュ駅舎。写真で見たとおりに風情ある建物でした。街の中心地からはちょっと離れているので、駅からはタクシーを使って中心地まで移動しました

現在はウォン安ということもあって、海外旅行者数が減っているにも関わらず、韓国への旅行者は増えているとの話をニュースなどでよく目にします。こんなに近い韓国で、日本とはまったく違う文化を楽しんでみるよい機会ではないでしょうか。ただし、伝統美容法などは合う、合わないは人それぞれだと思いますので、自分に合わないと思ったら無理はしないでくださいね。後編では、2日目のチョンジュ散策と、最終日の豪華な韓定食の話をします。

それではみなさん、よい旅を!

コノミ流旅の掟
「各国の伝統美容法は日本人に合わないこともあるので選択は慎重に」

韓国の旅--日程メモ

1日目

時刻 内容
8:20 東京国際(羽田)空港を出発(NH1291便)→ソウル・金浦国際空港に到着(10:45)
11:45 トンデムンのホテルへ到着後チェックイン。一息つく
14:00 地下鉄クァンファムン駅に移動し、「正統参鶏湯元家」で半鶏湯を昼食に
16:00 インサドンをぶらぶら散歩し、餅カフェでお茶を楽しむ
18:00 トンデムンにもどり、ハンジュンマクとアカスリで自分磨き(笑)
20:30 サムギョプサル(豚の三段ばら肉の焼肉)の夕食
21:30 東大門市場でショッピング&デザート
24:00 ホテルに戻って就寝

2日目

時刻 内容
9:00 起床後、屋台のホットサンドを朝食に、ヨンサン駅へ移動
10:30 ヨンサン駅をKTXで出発。途中イクサン駅でセマウル号に乗り換え
13:30 チョンジュ駅に到着。駅舎を堪能
同記事に入っている現地価格はあくまで参考です。為替レートに関しては変動するので、各自でお調べください。