【連載】

25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座

18 国際的にも問題視された、日本女性を「黙らせるもの」とは

 

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前回前々回は、新しい法律で日本の働く女性に追い風が吹いていること、チャンスをつかむために、一歩前に出ることが大事とお伝えしました。「なるほど、やってみよう」と思った方は、ぜひ今日から心がけてみて下さい。

今回は「言いたいことを言うのは、なかなか難しい」と思う女性に関するお話です。皆さんの中に、もしかしたら、こういう問題に直面している方がいるかもしれません。

WAW!から考える女性の抱える問題

8月28日、29日の2日間、日本政府主催で「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」が東京・品川で開かれました。英語では”World Assembly for Women in Tokyo”、略して「WAW!(ワウ)」と呼ばれています。

海外40カ国から、150名もの政治家、経営者、研究者など女性リーダーや女性を応援する男性リーダーが集まり、日本の有識者と議論をしました。「輝く女性」と言うと、文字通り、キラキラしたイメージだと思います。高い学歴を持ち、キャリアを築いている勝ち組といった具合にです。

ここから先が本題です。2日目の分科会には「困難を抱える女性たち」というセッションがあり、主に「シングルマザーの経済問題」や、「マタニティハラスメントの問題」を議論しました。私はこのセッションで司会をつとめまして、これは、全ての女性に関係がある……と思いました。

マタハラとシングルマザーの困難に共通するものとは

日本のシングルマザーについては、長年支援に携わってきた、しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子さんによる、こちらの記事がとても分かりやすいので参考にしてください。(http://www.nippon.com/ja/in-depth/a04603/

この記事によると、日本のシングルマザーの数は123万世帯で1973年の2倍、平均年齢は40歳で、シングルマザーになった理由の8割は離婚です。就労率は8割を超えていますが、得られる収入は少なく、平均就労年収は181万円と低くなっています。

会議には、シングルマザー支援に関わる方が何人も出席していて、地方の場合は離婚したと言えない雰囲気があることや、都市部でも行政窓口に生活保護申請に行ったら、若い女性は水商売をすればいい、と言わんばかりの対応をされた、という事例を聞きました。

出席者の中にシングルマザーの方がいて、こんな風に話してくれたのが印象に残っています。

「シングルマザーと、マタニティハラスメントの問題はつながっています。女性は結婚したら仕事を辞めるのが当たり前という社会では、その家庭がうまくいかなくなった際、再就職するのは大変です。仕事が見つかっても、低収入ですからシングルマザーは貧困に陥ります」

確かにその通りです。NPOマタハラNet代表の小酒部さやかさんも、マタハラとシングルマザー問題には共通点があると言います。それは「自己責任で片づけられること」。
妊娠するのは自己責任。シングルマザーになるのも自己責任……。

そういう空気の中、本来なら使えるはずの制度(産休、育休、生活保護等々)を使いたいと言い出すことができず、追い込まれていく女性が、日本にはまだたくさんいます。この記事を読んで下さっている、元気に働いている皆さんにとっても、かなり身近な問題です。今から関心を持っておくと、いざという時に身を守れると思います。

著者プロフィール

●治部れんげ
豊島逸夫事務所副代表。 1974年生まれ。1997年、一橋大学法学部卒業。同年日経BP社入社。記者として、「日経ビジネス」「日経マネー」などの経済誌の企画、取材、執筆、編集に携わる。 2006年~2007年、フルブライト・ジャーナリスト・プログラムでアメリカ留学。ミシガン大学Center for the Education of Woman客員研究員として、アメリカ男性の家事育児分担と、それが妻のキャリアに与える影響について研究を行う。またツイッターでも情報発信している。

【連載】25歳のあなたへ。これからの貯”金”講座

25歳。仕事や私生活それぞれに悩み不安を抱える年齢ではないだろうか。そんな25歳のあなたへ、日本を代表するアナリスト・豊島逸夫ウーマノミクスの旗手・治部れんげがタッグを組んだ。経済と金融の最新動向をはじめ、キャリア・育児といった幅広い情報をお届けする特別連載。こちらから。

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インデックス

連載目次
第40回 本当に女性が活躍している企業を調べるには?
第39回 『節約する人に貧しい人はいない。』中川淳一郎さんから、25歳女性へのメッセージ
第38回 世界で大就職活動中のあなたへ、本当に女性が活躍できる会社の選び方(後編)
第37回 就職活動中のあなたへ、本当に女性が活躍できる会社の選び方(前編)
第36回 「女らしい」より「自分らしい」が楽しい!?
第35回 効率的に働くと「時給」が上がる?
第34回 子持ちの私が『産まなくていいですか?』に涙した理由(後編)
第33回 コミックエッセイ『産まなくてもいいですか?』が描く30代働く女性のリアル(前編)
第32回 変わりつつある日本男子 - 専業パパから共働き希望まで
第31回 原油価格36ドルに急落の衝撃
第30回 フェイスブックCEO、女児出産祝いに保有自社株99%寄付
第29回 テロ組織による「新兵リクルート」が加熱
第28回 どうなる? パリ同時テロの行方
第27回 VW問題の裏側にあるもの
第26回 中国でバーゲンセールの嵐が巻き起こる! 「独身の日」とは?
第25回 小学生の息子と考える「難民や戦争のこと」
第24回 日本にも外国から若者難民が押し寄せる時代
第23回 日本の若者が戦争に巻き込まれるリスクは?
第22回 日本郵政株の「IPOパーティ」が開宴 - 今からでも参加は遅くない?
第21回 日本郵政上場、かんぽ生命はバブルの兆し?
第20回 女性も注目すべき、「男性の有休取得」
第19回 産後もキャリアを積みたいなら、フレックス勤務できる職場を選ぼう
第18回 国際的にも問題視された、日本女性を「黙らせるもの」とは
第17回 働く女性のみなさん、勇気を出して○○しましょう!
第16回 20代OLのみなさん、人生のお手本を「女性の上司」にするのはやめませんか?
第15回 エイズは、助かる。私たちの税金が正しく使われさえすれば
第14回 ケニア人女性ジャーナリストとの会話 - 子どもは何人が当たり前?
第13回 親はあなたのロールモデルか、それとも反面教師か
第12回 母国を捨てる決意をした26歳の女性 - 経済危機のギリシャ・現地レポート
第11回 女性が辞める本当の理由 - あるようでない「多様な働き方」
第10回 米国から逃避するマネー - 株価2万円突破の推進力に
第9回 NYファンドマネージャーの調査結果 - コツコツ日本株買いが増加傾向
第8回 中国経済7%成長鈍化の衝撃 – 中国人はどう動くのか?
第7回 日経平均2万円はバブルだったのか? 読み解くキーワードは「ヘッジファンド」と「長期マネー」
第6回 20代後半女性の転職は「産んでも働ける会社」選びが重要!
第5回 結婚して家を買おうと思ったら、マンションのモデルルームより「保育課」へ行こう
第4回 日経平均2万円から株を買えるか
第3回 日経平均株価2万円接近、震源地のNYヘッジファンドに聞く
第2回 円安だと日本人は貧乏になる!? どうすれば生活を防衛できる?
第1回 日本人の平均月収はアジアトップではない!? 実は日本は余裕がない国

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