ちょうど2年ほど前、私が転職したばかりの時のことです。38歳、子持ち女性(しかも2人)で、かつお給料が前職より上がるのが珍しかったのか、転職エージェントのコンサルタントの方と、ゆっくりお茶を飲みつつお話しましょう、ということになりました。

女性の転職相談に乗ることが多い、というコンサルタントの話で、興味深く思ったのは「出産を意識した20代後半-30代前半の女性から転職相談を受けることが多い」ということ。そのココロは「両立できそうな会社に移りたい!」。

最近の若い女性(とか言うと年がばれますね。40歳です。隠してません!)を見ていると、仕事への意識が本当に多様化してきたなあと思います。入社当初から「そこそこ」でいいと思っている人もいれば、同期の男性をしのぐ"ばりばり"の人も少なくありません。 私の周りにも色んな女性がいて、ずっと仕事を続けていたり、いったん家庭に入ったり、また再就職したりしています。全体に見ていると、出産後の仕事と育児の両立に悩むのは、"ばりばり"と男性並みに働いていた女性のようです。

キラキラ女子から肉食女子まで。それぞれが働きやすい職場は?

"女性が働きやすい会社"とか"ダイバーシティ推進"ということを、色んなところで耳にすると思います。ただ、女性たち一人ひとりと話していると"女"は決してひとくくりにできない……と感じます。 見た目はみんな同じように可愛らしい"女子"でも、中身も女子な人から中身はおじさんな人まで様々です。きっと、このコラムを読んでいる女性も、価値観がそれぞれ違うと思います。だから、自分の考えや希望に合った企業や職場を選ぶことができたら、ハッピーになるはず。

女性にとっての優良企業ランキングを発表

私が所属している昭和女子大学の女性文化研究所では、そんな"働く女性の多様性"を踏まえた上で、女性にとっての"優良企業ランキング"を発表しています。 業種別に女性管理職の割合や育児休業制度の充実度合いを分析したもの。例えば、出産後もバリバリ働き続けたい人には、女性管理職比率が高く、男性も育児休業を取っているような企業がお勧め。

一方で、無理せず、でも長く働き続けたい人にとっては、管理職になることより、充実した育児休業制度などが魅力でしょう。 出産後も仕事を続けることができれば、一生に貯められるお金は高級マンション一戸分くらいの差がつきます。入社3-5年目くらいの女性が、転職先を選ぶのにも役立つランキング、よかったら活用してみてください。

著者プロフィール

●治部れんげ
豊島逸夫事務所副代表。 1974年生まれ。1997年、一橋大学法学部卒業。同年日経BP社入社。記者として、「日経ビジネス」「日経マネー」などの経済誌の企画、取材、執筆、編集に携わる。 2006年~2007年、フルブライト・ジャーナリスト・プログラムでアメリカ留学。ミシガン大学Center for the Education of Woman客員研究員として、アメリカ男性の家事育児分担と、それが妻のキャリアに与える影響について研究を行う。またツイッターでも情報発信している。