出勤途中で、あるいは仕事で外回りをしているときに電車が止まっていたり、遅れていたりする場合はどうするか。必要なことは、会社なり相手に連絡すること、遅れを他のルートを使用して取り戻すこと、通勤の場合は遅延証明書を手にすることだ。その際には、スマートフォンなどのIT機器を使用した対策だけではなく、さまざまな力が試される。

出勤途中、電車が急に止まったら?

あなたが会社に出勤する際、電車に乗っているとする。その際、前をゆく列車にトラブルがあり、電車が前へと進めなくなった。電車の中は、満員だ。もし電車に乗る前だったら、自宅に帰って会社に連絡を入れて、待てばいい。しかし、それはもはや、できない。車内で電話をかけようにも、迷惑になってしまう。

そんな状況に陥ったとき、まずは直接の上司のところに、SMSで電車が止まっていて会社につけないことを連絡しよう。そうすれば、「なぜあいつは来ないんだ」という文句からは、逃れられることができる。普通の性格の上司だったら、「電車が遅れたのならしかたがない」と考えてくれるだろう。

そして電車が動き出し、少しずつでも会社に近づいたなら、そこで改めて上司にSMSを入れる。そうすることにより、もうすぐ来るだろうという希望的観測と安心感を上司に与える。そのことにより、信頼感は生まれる。

電車が会社の最寄り駅についたら、すぐに会社に向かう。会社についたら、あいさつをし、パソコンから鉄道各社のホームページを開き、「遅延証明書」をダウンロードする。もしくは、スマートフォンや携帯サイトを開いて、遅延証明書を示してもいい。情報通信技術のこまめな活用と、こまめな連絡により、「あいつはどうしたんだ! 」という疑念から、逃れることができる。

通勤の場合、東京では山手線内に入ったらさまざまなルートが使え、迂回乗車ができるものの、それより外側だと、最寄り駅からの路線に乗るしかないケースが多い。迂回乗車ができたとしても、そのルートは電車が満員だったりする。そういった場合は、鉄道の乗りこなし方だけではなく、コミュニケーションのやりかたも考えて、総合的に対処したほうがいい。

外回り、電車のダイヤが大幅に乱れていたら?

外回りで移動しなければならないとき、電車のダイヤが大幅に乱れている、ということはときどきある。その場合はどうするか。

まず、先方に連絡を入れる。遅れる可能性があるものの、なるべく早くそちらに向かう旨を伝える。続いて、乗換案内のアプリを開き、現在いる駅から目的地最寄り駅までのルートを調べる。乗換案内のアプリは、電車の運行情報と連動しているものもあり、その場合は代替ルートが示される。もしそのルートが合理的な場合だったら、そのルートで向かう。

東京の都心部では、多くの路線が入り組んでおり、それらを上手に利用することで数分程度の差で目的地にたどりつくことができる。大阪の中心部では、地下鉄網が碁盤の目のようになっており、別のルートを組み立てるのも容易だ。

乗換案内のアプリを使用することで、普段は考えられないようなルートでなんとか移動できるということがわかり、ほっとすることだろう。

そして着いたら先方に軽くお詫びをし、仕事の話を開始する。そうすれば、相手も嫌な感じを受けないだろう。また、もし万が一大規模な輸送障害などがあり、都市圏の鉄道がすべて動かなくなるようなことがあれば、先方に連絡をしたうえで当日の予定をキャンセルしても、問題はないだろう。相手もわかるはずであり、ニュースにもなっているはずだ。

電車が動かないとき、ダイヤが乱れたとき、どうするか。あわてふためくのではなく、さまざまなものを活用して、事態を打開しよう。

著者プロフィール: 小林拓矢
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道、時事社会その他についてウェブや雑誌・ムックに執筆。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に共著者として参加。

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