いまや多くの人が、電車に交通系電子マネーで乗車するようになった。都会で働く人ならば、いちいちきっぷを買って、ということはもはやしないだろう。交通系電子マネーをどう上手に使うかは、都会での鉄道乗りこなしには欠かせない要素となっている。今回は、ビジネスパーソン必須の交通系電子マネーの使いこなしについて解説していきたい。

基本はオートチャージ

交通系電子マネーは、まずは残高を気にしないようにしたい。基本は、一定金額以下になったら自動でチャージできるように、オートチャージの設定をしておく必要がある。

鉄道会社によって、駅窓口で設定するところもあれば、鉄道会社のクレジットカードのATMで設定するところもある。もちろん、便利なのは鉄道会社系列のクレジットカードだ。クレジットカードと交通系電子マネー(もちろん定期券も一緒)と一体化しておくと、お財布をスリム化することができる。

交通系電子マネーだと、定期券区間内乗車から区間外乗車に移る際も、自動で改札を出るときに処理をするようになっている。これでムダがなくなる。

なぜ、オートチャージか。出先で残高不足がわかり、入場できない、あるいは改札を出ることができないときに、いちいち券売機や精算機に並ばなくてはならないからだ。その時間で、電車1本遅くなるかもしれない。そのぶんだけ、時間をかけずにすむのだ。 オートチャージにすることによって、交通系電子マネーにお金を入れる時間を節約できる。

履歴機能の活用法

自動券売機では、交通系電子マネーの履歴を確認したり、印刷したりすることができる。オートチャージの話とは矛盾することではあるが、ビジネスパーソンならばときどきは履歴を印字しておこう。

というのも、会社勤めの人ならば交通費の精算というものがある。その際に、手元に履歴があると、それをもとにして精算作業をすればいい。

ちなみに、「Suicaインターネットサービス」に登録している人ならば、「非接触ICカードリーダー/ライターPaSoRi」があればパソコンやスマートフォン上で確認することもできる。 履歴を見ながら、会社の仕事で移動したぶんは申請し、そうではないぶんは申請しない、というふうにすればいい。

出張でも大活躍

交通系電子マネーは、出張でも大活躍する。主要都市では鉄道各社で交通系電子マネーを使用することができ、かつコンビニなどでも買い物ができる。

出張すると、どうしてもちょっとした飲みものなど、買ってしまう。その際に現金で買うと、小銭がどんどん増えていく。そうなると財布がふくらんでいく。そういうことをさけるためにも、交通系電子マネーをつかうべきなのだ。

なお、出張の際には、交通系電子マネーは満タンに近い額にしておきたい。券売機によっては、一体型のクレジットカードから交通系電子マネーにチャージできるものもある。その機能を利用して、限界までチャージしておこう。

筆者の交通系電子マネーの使い方

参考までに、筆者の交通系電子マネーの使い方を示しておきたい。筆者はビジネスパーソンではなくライターであるが、交通系電子マネーのお世話になっている。

Suica一体型のビューカードを使用し、オートチャージは10,000円を切ったら10,000円をチャージするようにしており、財布に現金はなくとも、ちょっとした買い物ならいつでもできるようにしている。

このくらいの額が入金されていると、出張取材の際にも交通費に困らない(なお新幹線などのきっぷはビューカードで払う)。もちろん、出かけた際の買い物、とくに新聞や飲みものなどの細かい買い物はSuicaで行っている。移動の多い仕事の人は、交通系電子マネーを上手に活用することで、スマートかつスムーズに仕事ができるようにしたい。

著者プロフィール: 小林拓矢
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道、時事社会その他についてウェブや雑誌・ムックに執筆。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に共著者として参加。

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