マイクロソフトのITプロフェッショナル向けWebサイト「TechNet Online」のおかげで、仮想化環境の構築・運用を行う際に助けられた鈴木一郎君だったが、それがひと段落したと思ったところに、新たな課題がやってきた。

今度の課題は「社内の業務システムを、ASP.NETベースに切り替えること」になった。ついては、土台となるシステムについてもWindows Server 2008とIIS 7(Internet Information Service 7)の組み合わせに変更するとのこと。

さあどうする?

IISにもTechCenterがある

鈴木一郎君は以前、「自宅サーバを作ってみよう」という内容の書籍を買って、自宅でWebサーバを立ち上げてみたことがある。といっても、使用したのはWindows XPと、それに付属するIIS。もちろん、これでもWebサーバを立ち上げることはできるが、そのときにはMicrosoft Officeに含まれていたFrontPageを使って静的な内容のWebサイトを構築してみたり、後になってサワリ程度にASP(Active Server Pages)を動かしてみたり、という程度だった。

だから、「IISを追加インストールして、C:\Inetpub\wwwroot フォルダに必要なファイルをコピーして、ASPを使うときには実行許可を設定して…」という程度のところで知識が止まってしまっている。これでは、今回の指令に対応できるかどうか心許ない。

そこで、もはやお約束と化しつつある「困ったときのTechNet Online」。きっとIIS関連の情報だってあるに違いないと思ってアクセスしてみたところ、ちゃんとIIS専門のTechCenterが用意されていた。

ただ、以前に利用した「仮想化TechCenter」とは、ずいぶんとコンテンツの体裁が異なる。いきなり画面の中央に「IIS 7 構築の近道 (5 分で稼働開始)」というコンテンツがあるので、まずはこれをたどってみることにした。

このコンテンツでは、「準備 → 構築 → 選択 → 配置 → 確認」という流れで、IISを使ったWebサーバを稼働させるために必要な記事へのリンクを、順を追ってまとめている。Windows Server 2008の場合、IISを動作させるには「アプリケーションサーバー」の役割を追加しなければならないので、まずはその作業を行うことになる。

IISのTechCenter。ステップ・バイ・ステップでIISを導入することを想定して、関連する記事へのリンクをステップごとにまとめている

最後に、IISが動作しているかどうかを確認する際に使用するURLまで書かれているのは親切だ

そこで、IIS 7のインストール手順について書かれた記事が参考になる。個別の機能については後から追加や削除を行えるから、とりあえず既定値のままで役割を追加する。といっても、後で混乱しないように、どの機能がどんな場面で必要になるのかは、ちゃんと把握しておきたい。

IIS 7のインストール

Windows Server 2008へのIIS7.0のインストール

ありがたいのは、Server Core環境でのインストール手順や、コマンドラインを使ったインストール手順についても解説されているところだろう。前者はサーバそのものの負荷軽減に効果があるし、後者は同一用途のために複数のサーバを構成する際の負荷軽減に役立ちそうだ。

コンテンツの公開はどうするの?

IIS 7が… というよりも、Windows Server 2008のサーバーマネージャがよくできているおかげで、役割と機能の追加だけなら、そんなに難しいことはない。過去のIISと同様、IIS 7でもコンテンツフォルダは「C:\Inetpub\wwwroot」だから、静的なHTML文書や画像データで構成するWebコンテンツを公開するだけなら、以前と同じ要領でできる。

といっても、それ以外の種類のコンテンツ、特にASP.NETのようにアプリケーション実行を伴うものになると、勝手が違う。そこで、コンテンツの発行手順やWebサイトの作成手順、仮想ディレクトリ機能についても確認しておくことにする。

発行というと分かりにくいが、記事を見てみれば一目瞭然。Webサーバにコンテンツをアップロードする方法のことで、FTPサーバ機能の追加、WebDAVサーバ機能の追加、FPSE(FrontPage Server Extention)のいずれかを使えると分かる。なお、FTPサーバ機能とWebDAVサーバ機能はWindows Server 2008に同梱されておらず、後日提供となったので、これらの機能を利用するには「拡張機能ダウンロード」のWebページにアクセスしてダウンロードしなければならない。

ちなみに、場合によってはWebサイトを複数作成しなければならない。具体例としてはSSL(Secure Socket Layer)を使用するコンテンツと使用しないコンテンツで使い分ける場面が挙げられる。そのような場面では、Webサイトの作成手順についても確認しておきたい。また、仮想ディレクトリ機能も要チェックだ。Webアプリケーションの実行ファイルについて、物理的な所在とURLを分けて、ファイルの所在を隠蔽する役に立つ。

IIS 7でWebDAVサーバやFTPサーバを運用する際には、別途、拡張機能をダウンロードしなければならない場合がある。もちろん、IISのTechCenterから一発で、ダウンロードサイトに移動できる

IISのインストール、コンテンツの発行(公開)、運用管理、アプリケーションの運用といった具合に、分野別に関連記事へのリンクがまとめられている

IIS 7でASPを使える?

ここまで調べたところで、「アプリケーションの開発スケジュールと、サーバの切り替えスケジュールの関係によっては、アプリケーションの切り替えよりも先にサーバの切り替えが発生するかもしれない」という話を聞いた。

もしも一斉切り替えを予定していたとしても、アプリケーションの開発が遅れればサーバの切り替えが先になってしまうな… ということで、現行のASPベースのアプリケーションをIIS 7で動作させる方法も調べておかないと、とのこと。「うわー、また仕事が増えた」と頭を抱えてしまったが、そこは抜かりのないTechNet Online。ちゃんと、そういう場面に備えた(?)記事も用意されている。

ちなみに、ASP.NETとASPはサーバーマネージャ上では別々の機能に分類されているので、ASPを実行するためには、サーバーマネージャを使って所要の機能を追加しなければならない。ASP.NETベースに切り替わったら、ASP関連の機能を削除すればよいだろう。