【連載】

修羅場サバイバル ~健康で文化的なクリエイターになるために~

1 飲み過ぎると命の危険も? エナジードリンク頼みの「罠」

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日々何らかの「締め切り」と戦っているクリエイター。眠っている暇なんてない!とエナジードリンクに手を伸ばした経験がある人も多いのではないでしょうか。

パッケージも格好よく、飲むと何となく力がみなぎってくるような気がする「エナジードリンク」ですが、その効果がどうして得られるのか、考えたことはありますか?

この連載では、忙殺され身体を酷使しがちなクリエイターが「健康的に創り"続ける"」ための知識を公開。敷居が高いイメージになってしまった「健康」を広く手の届くものにすべく活動されている鍼灸師・若林理砂さんが、忙しいクリエイターにもできる「健康への第一歩」につながるエピソードを語ります。第一回はもちろん、「エナジードリンクの効能」についてです。


若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。著書に「養生サバイバル」「安心のペットボトル温灸」など。好きな漫画/アニメは「進撃の巨人」「FSS」「おそ松さん」。一昔前は腐っていました。「どの宮崎アニメにも必ず出演している」顔立ちといわれています。夫はクーロンズ・ゲートの人。TwitterID: @asilliza

さて、年末。締切にギリギリと締め上げられていらっしゃる皆様、お元気ですか? 元気な訳はありませんね。そんな中、ショッキングなニュースが飛び込んできました。

カフェイン入りの清涼飲料水を常用していた20代男性が中毒死とのことです。胃の中にはカフェインの錠剤のかけらも入っていたようですね。「ああ、あの錠剤か。」と、ピンと来る方も多いかと思います。修羅場にはよく転がってる、アレです、アレ。

調査した大学によると「主因は飲料の多量摂取」とのことですが、「アレ」はカフェインの塊。それをさらにカフェインが大量に含まれるエナジードリンクで流しこんでいたということからも、この男性が相当無理をし、自分を見失うまで働いていたことがわかります。

エナジードリンクで「元気になる」しくみ

「あと一息頑張るぞ」という時、少し前までは「24時間戦えますか?」なドリンク剤がよく使われていましたが、今は「エナジードリンク」が主流です。ある種のエナジードリンクは"翼を授けて"くれたりするようですが、おそらくこのニュースの清涼飲料水は、それに類するものでしょう。これらの清涼飲料水は、カフェインを多量に含んでいます。

エナジードリンクのみならず、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、ごくごく身近な存在。ですが、その実態は中枢神経系に働きかける薬物です。摂取の基準はありませんが、この報道は、エナジードリンクに含まれる程度のカフェインを長期にわたって連用することで、大変な問題が発生する可能性を示しています。日常に溶け込んでいるカフェインですが、薬物の一種であるということは覚えておいて損はないと思いますよ。

また、エナジードリンクは「清涼飲料水」なので、糖分も大量に含んでいます。たいてい、エナジードリンクを多用するような状況では、食事や睡眠もとらずにドリンクのみを連用しがちかと思います。空腹の状態で高濃度の糖分を含んだ液体を常用することは、血糖値の乱高下をまねきます。

「血糖値の乱高下」はどういう結果をもたらすかというと、血糖値の上昇(+カフェインの効果)で瞬間的な高揚感こそ得られますが、急に上がった血糖値はすぐに急降下しますから、その時にはひどい疲労感が引き起こされてしまうのです。残念ですが、エナジードリンクは疲れをすぐさま取り除く「回復アイテム」ではありません。どちらかというと、なけなしの燃料に酸素をガーッと送り込んで一気に燃焼させるような働きをするもので、使った後は「真っ白に燃え尽きる」ようなものなのです。

普通の清涼飲料水(ジュース)と違って、「よく効く」ということは、それなりのリスクがあるということ。何の気なしに飲み続けているそのエナジードリンクの一本一本で、自分の「創作できる」命の時間を、かえって少しずつ削っているのかもしれないですよ。

コンビニで買える「修羅場食」リスト

どんなに時間がなくたって、健康になる方法はあります。コンビニで売られているものでだって、健康な食生活は可能です。料理に手間暇かけるより、創作する時間が必要でしょ?

ここでは、エナジードリンク程度の金額で手軽に、かつ、体を損なわない食品リストを掲載しておきましょう。さらに情報を知りたい方は、Twitterで「#養生サバイバル」のハッシュタグを検索してみてください。

・食パン&スキッピーの組み合わせ
食パンは説明不要でしょうが、スキッピーについて。これは、ちょっと高級なピーナツバター。疲労回復や神経伝達、免疫系の働きを助けるビタミンB群が豊富で、食パンに塗って食べれば疲労回復アイテムに。「スキッピー?近所のコンビニにないよ!」という人はAmazonで注文してコンビニ受け取りし、受け取るついでに食パンを買って帰ると捗ります。

・牛乳
神経の興奮を鎮めてクールな状態をキープしてくれるトリプトファンが豊富。どうしてもコーヒーをがぶ飲みしてしまう人はカフェオレにすると胃を守ります。

・チーズ&素焼きナッツ類
これもトリプトファンが豊富。脂肪分が多いので食べ過ぎには注意が必要ですが……。

・炒め物用カット野菜
開封してそのままレンジでチン! そしてカップ麺に放り込めば野菜不足も一気に解消! カップスープに足して具にしても。

・サバやイワシの缶詰
神経伝達を助けるビタミンB群を大量に含むうえ、脳の働きを良くするといわれるDHAとEPAも豊富です。

・サラダチキン
鶏むね肉に味付けをし、蒸し上げた形でパッケージングされたもの。翼を授けてくれるドリンク剤に含まれているアルギニンが豊富。そのまま割いて食べてもおいしいですが、食パンに挟むのもおすすめ。

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インデックス

連載目次
第26回 ココロとカラダ、どっちが「弱点」? 自分の心身のタイプを知る
第25回 体調不良の思わぬ原因?甘いもの優先の食生活は要注意!
第24回 夏バテに負けないために「今」できること
第23回 スマホにPCに大忙し…現代人の「疲れ目」、どう対策する?
第22回 朝ご飯はいいことばかり? 朝食神話を考える
第21回 夏場にスーツを涼しく着るには? 快適な衣服の選び方
第20回 サプリメントに頼らず"錆びない"カラダを作る3つのコツ
第19回 肌のお手入れ、いったい何が正解?
第18回 日常をつらくする花粉症、対策できることは?
第17回 変化の季節・春に起きがちな体調不良、対処法は?
第16回 姿勢は正さず積み上げる! 肩こり・腰痛にならないための座り方
第15回 休載のお知らせ
第14回 肩こり・腰痛の「根っこ」を知る
第13回 今時のクリエイターは肉食?クリエイターと「肉」のおいしい関係
第12回 天気が悪いと頭が痛い?気象病と乗り切り方
第11回 コンビニで買える「健康にいい」機能性食品、実際の効果は?
第10回 肩こりは不治の病?なぜあなたの肩はつねにカタいのか
第9回 生理前になるとイライラ、ぴりぴり?生理前症候群(PMS)はなぜ起こる
第8回 生まれては消える「奇跡のダイエット法」、結局どれが「効く」のか?
第7回 結局身体に良いの?悪いの?「コーヒー・お茶」とのつきあい方
第6回 甘くておいしくて健康にいい?完全食品・チョコレートの話
第5回 いきなり自炊はハードル高すぎ、まずは"冷食"脱却を
第4回 脳には甘い物が必要? ブドウ糖は本当に脳を"甘やかして"くれるのか
第3回 座ってから何分経ったか覚えてる?座りっぱなしは「重労働」
第2回 徹夜明けの疲れをなくす「魔法」はある?
第1回 飲み過ぎると命の危険も? エナジードリンク頼みの「罠」

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