【連載】
近年、組織はよりフラットな方向に向かっています。1人のリーダーの下に数多くの部下がフラットな関係で配置されているプロジェクトも多いことでしょう。こうなると、部下と個別にコミュニケーションを取ること自体が難しくなり、目が届かないことが増えてきます。結果として、部下と向き合うのは叱る時ばかり……という事態になってしまうケースもあり得ます。
元々「叱る」という行為は上司の最も大切な仕事の1つだったはずで、これを避けようとするのはリーダーとしての仕事を放棄するようなものではないでしょうか。
ところで、あなたは感情が表に出るタイプでしょうか? それともどちらかといえば冷静なタイプでしょうか。特に気を付けなければならないのは、「怒る」と「叱る」の混同でしょう。
例えば、部下がミスをして「お前のせいでどれだけ周りに迷惑をかけたかわかっているのか!」という言い方で叱ったとします。これは周囲にどのように伝わるでしょうか。きっと"怒っている"と映るに違いありません。
「怒る」というのは、自分が被害を受けたり、不快な思いをしたりした時に沸き起こる"感情"です。相手のことを思うのではなく、「自分が不快である」という感情をぶつけていると思われてしまうわけです。つまり、自分中心の感情ということです。我慢ができない人を部下がリーダーとして尊敬するでしょうか。スポーツの試合では監督がエキサイトしてチームを鼓舞することがありますが、ビジネスの現場で感情をストレートに表に出すと、現場に良い影響を与えることは少ないものです。
対して「叱る」というのは、相手の言動・行動の良くない点を指摘するということです。そこには相手の成長を思う気持ちがあります。また、組織のミッションとのズレを指摘するケースもあるでしょう。つまり、そこには何らかの根拠があるはずで、決して感情をぶつけるということではありません。
執筆者プロフィール
佐藤高史 (Takashi Sato)
株式会社コラージュ代表取締役。ビジネスコンサルタントとして人事教育・研修プログラムを数多く開発。著書「最強のプレゼンテーション完全マニュアル」(あさ出版)。
『出典:システム開発ジャーナル Vol.4(2008年5月発刊)』
本稿は原稿執筆時点での内容に基づいているため、現在の状況とは異なる場合があります。ご了承ください。
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