前回、Woman in Technologyが始まって以来の試みとして、テーブルごとにテーマを決め、同じテーマに興味がある人同士で語り合うという企画が実施されたとお話しました。そして、今回のレポートでご報告すべく、既婚者ながら筆者が参加したテーマは「コンカツ」。その話し合いの内容はいかに……。

未婚者と既婚者でエンジニアのコンカツについて話し合い

「"コンカツ"をテーマに話し合おうという人は、どんな人なのかしら?」、「実は冷やかしの方も多いのではないかしら?」などと妄想をめぐらせていたのですが、実際には独身の男女数名と、既婚女性がバランスよく配置され、皆が真剣にコンカツについて話し合い、あっと言う間に時間が過ぎました。

参加者の意見を紹介しますと、「職場は既婚者ばかり」、「職業柄とても忙しいのに、皆はどうやって新しい出会いを見つけているの?」、「この業界で仕事を続けていくための理想のパートナーとはどんな人?」などなど、既婚者・未婚者に関係なく、さまざまな質問と意見が途切れることなく出ました。そして、熱い議論あり、笑いあり、誰かの話に真剣に聞き入る場面あり、突っ込んだ質問ありと、「ITの現場で働く技術者のコンカツ」について真剣に考え、話し合うことができました。

イベントの最後に、各テーブルでどんなことを話したのかを各ファシリテーターさんから発表されるのですが、それぞれが自分の興味あるテーマのテーブルに座ったこともあって盛り上がったようで、和やかなうちに終了しました。

"女性を活躍させたい!"と考える男性も登場

ランチが終わると、そのまま Woman in Technologyラウンジへ。ラウンジは、Woman in Technologyランチで話し足りなかった人やランチに参加できなかった人などが、さらにじっくり話せる場所として準備されました。ここでも時間帯でテーマが分かれていて、同じテーマに興味がある人同士でとことん話すことができるのですが、ランチよりも時間がゆっくり取れることなどもあり、集まったメンバーが個人的な事情を打ち明け、アドバイスをし合える場所となりました。

「キャリア」をテーマに話し合った時は、それぞれがそれぞれに家庭の事情を抱えながらもIT業界で頑張っていこうと工夫している話を聞くことができました。「隣の芝生は青い」と言いますが、筆者も心のどこかで「私だけが大変。自分以外の人たちは順風満帆に生きている」と思っていたかもしれないと気づかされました。技術者という同じ仕事をしている人たちが皆、いろいろな苦労(予想以上にハードな苦労)の中で、自分らしさと自分なりの未来を作り上げようと、不安を抱えながらも明るく頑張っている姿に、胸が熱くなりました!

Woman in Technologyランチで話しきれなかった内容を語り合ったWoman in Technologyラウンジ。貴重な男性の意見も聴くことができました!

また、女性をもっと活躍させたいと考えている男性も数名いらっしゃいました。ある男性は、「社長が男尊女卑的な考え方を捨てられないために女性の活躍を阻んでいるが、そんな状態をどうにかしたい」と真剣に考えている様子でした。またある男性は、「部署で初めて産休・育休を取得する女性部下がいるので、復帰時にどのような手助けができるのかを考えている」とのこと。

このような人達がいるのなら、まだまだこの業界も女性達が希望を持ってもよいのではないかと思いました。そして、女性が働きやすい職場であることは、男性にとっても快適な職場になるのではと思うのです。

残業が少なくないこのIT業界で、女性が働き続けるのは難しいのか?――Woman in Technologyは、常にこの問いの答えを考える場所でした。結果として、「同じ技術者である女性たちは頑張っている。まだまだ発展途中なんだ!」と希望の持てる意見をたくさん聞くことができ、感慨深い3日間でした。今から来年が楽しみです!

「IT系ファイター(!?) ストレス度チェック」Powered by eパウダ~

前回に引き続き、Woman in Technologyでeパウダ~が行った「参加者にストレスに関するアンケートの結果の一部を紹介しましょう。
「将来についてのビジョンや目標があり、今の仕事はそのためのステップだと思えるか?」という質問に対し、「YES」と答えた人は65%と過半数を超えました。ハードな環境であっても目標があるからこそ、頑張れているのですね。また、「第三者の話を聞いてみたい、語り合ってみたいと思ったキーワードについて好きなだけチェックしてください」という質問に対する回答は、上から「キャリア」(57%)、「時間の使い方」(48%)、「技術向上のためにしていること」(40%)という結果になりました。主に仕事について他の人の意見を聞きたい人が多いことがうかがわれます。

執筆者プロフィール

藤城さつき(Satsuki Fujishiro)
コンピュータ関連業界で働く女性のためのコミュニティ「eパウダ~」を運営。男性が多いこの業界における女性の人間関係・働き方・生き方について日々模索中。株式会社タンジェリン代表取締役。