【コラム】
今回から数回にわたって、プロジェクト管理について考えてみる。一つお断りしておくが、ここでいうプロジェクト管理とはプロジェクト規模が最低でも数十人程度から数千人、ときには数万人にいたる大規模なプロジェクトを指す。小さなプロジェクトにおいても大きなプロジェクトにおいても、基本的にやることは変わらない。しかし、小さなプロジェクトであれば口頭ですんでしまうようなことでも、大きなプロジェクトでは、利害関係者一同の認識の共有化をはかるためにドキュメント化したり、会議を開いたりとより大きなエネルギーと異なるスキルと能力を求められるからである。
■プロジェクト管理
プロジェクト管理の3大目標は、
であると言われている。しかし、IT開発プロジェクト、特に近年のグローバル化、企業間競争の激化などの影響により、顧客からはより高品質でより安く、しかもより短期の開発期間による開発が求められ、IT開発プロジェクトのリスクはかつてより増大しつつある。
■従来の典型的なプロジェクト管理
システム開発の分野では従来、どのようなプロジェクト管理がなされてきたのであろうか。おそらくは、最低限下記のようなことを行っている場合がほとんどであろう。
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■PMBOK
PMBOKは「Project Management Body Of Knowledge」の意味で、我が国では「ピンボク」などと読まれることもある。PMI(Project Management Institute)が1996年3月から配布を開始したプロジェクト管理のための知識体系である。PMBOKは決してIT関連のプロジェクトのためだけのものではなく、建設、医薬品等々を含むすべてのプロジェクトを包括した汎用性の高い知識体系となっている。
以前からプロジェクト管理の必要性や体系立てた知識の整理が求められていたことは確かであり、プロジェクト管理に関する書籍もそこそこ出版されてはいた。しかし、読んだところでほとんど役に立たない書籍ばかりだった……という印象が否めない。PMBOKに関しても、これだけでプロジェクト管理のすべてがわかる、というたぐいのものではない。しかし、非常に良く整理されており、プロジェクト管理に必要な事項は一応すべて盛り込まれているといって過言ではない。
■PMBOKには何が書かれているか
PMBOKではプロジェクト管理構成する知識エリアとして、下記のような9つを挙げている。PMBOKの構成に忠実に、知識エリアごとのタスクを列挙すると下記のようになる。
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このように示すと、先に示した「従来の典型的なプロジェクト管理」において何が足りないのかがわかってくるのではないだろうか。
■PMBOKの意義
実はプロジェクト管理という考え方は、エンジニアリングや建設部門の方がはるかに先行している。PMBOKの優れた点は、これらの分野でのハードウェア指向のプロジェクト管理観に偏らず、ハード・ソフト両面をバランスよく包含する、汎用性の高い知識体系を提供したことにある。
PMBOKに準拠するにせよ、あるいはプロジェクト管理パッケージを活用するにせよ、依然として、最終的に勘と経験に頼る部分が大きい、という点は現時点では払拭できない。
いずれにせよ、プロジェクト管理に将来携わる可能性がある者でれば、一度は手にとる必要があるであろう。PMBOKは英語版であれば世界中のあらゆるサイトからPDFファイルをダウンロードできるので、是非入手していただきたいものである。またエンジニアリング振興協会が和訳版を発売している。
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