例えば、大手企業が中小企業と競り合った時、勝利する可能性は高いはずですが、ビジネスにおいては、必ずしもそうとはなりません。それは、大きな力を持っているものが驕りやすいことも1つの要因です。何事も油断は禁物です。上手く行っている時こそ、この言葉を思い出して欲しいと思います。

本日の孫子

『夫鈍兵挫鋭、屈力殫貨、則諸侯乘其弊而起。雖有智者、不能善其後矣』

(それ兵を鈍らせ鋭を挫き、力を屈し貨をつくすときは、即ち諸侯そのへいに乗じて起こる。智者ありといえども、その後を善くすることあたわず)

意味

兵士が疲弊し鋭気もくじかれ、力が尽きて財貨がなくなってしまうと、諸侯たちはその困窮につけこんで攻めかかってくる。そうなってしまえば、こちらに智将がいたとしても、とてもそれを防いでうまく後始末することはできないという意味です。

解説です!

いくら強者であっても、無闇に無駄な戦いを続けていれば、兵士は疲れ、そして資金も底をついてしまい、それが弱点となります。そして、そこを攻められると、いくら優れた能力を持っていたとしても、勝利を得ることはできません。つまり、力や時間のかけ具合を調整することを忘れると、勝てる戦いであっても、敗戦になってしまうこともあると言っています。

こんなシーンで役立ちます!

今、取り組んでいる仕事で、無駄に時間と労力をかけているものはありませんか。「長年やっているから大丈夫だろう」、「そもそもこの仕事はこちらから持ちかけたものだ」などと思って油断していると、ライバルに足を掬われることになりかねません。「生き馬の目を抜く」ほど厳しいビジネス社会において、この言葉が持つ意味が大きいことを再確認してもらえたらと思います。