同じ仕事をしているとき、最初は一歩先んじていたと思ったのに、気づいたら追い越されていた経験はありませんか。それは相手が、最初に綿密な計画を立て準備をしていたからかもしれません。スタートダッシュは大事ですが、物事をスムーズに進めるには準備が大切。もしも、絶対に勝ちたい仕事があったら、ぜひこの言葉を思い出してください。

本日の孫子

『勝者之戦民也、若決積水於千仭之谿者、形也』

(勝者の民を戦わしむるや、積水を千じんの谷に決するがごとくなるは、形なり)

意味

勝者は、深い谷に満々とたたえた水を落とすような勢いで、人びとを戦わせる。そして、態勢はそれを可能にするものにしておかなくてはならないという意味です。

解説です!

多量に貯まった水を深い谷に一気に流すと、それを止めることは誰にもできません。このように、いざ戦闘になる場合は、相手が止めることができないような状態にしておくことが必勝の方法であると孫子は言っています。そのためには、相手に悟られないようにして水を貯めておくことが重要になります。「戦う前には、絶対に負けない態勢を作り上げておく」。それが、孫子が唱える必勝の方法です。

こんなシーンで役立ちます!

仕事をする際に、「何とかなるだろう」と思って進めたことはありませんか? たまたま運が良ければそれが上手く行くことはあるかもしれません。しかし、絶対に勝つためには、運にまかせる方法では上手くいきません。もし、これから大きな仕事にかかるような状況にあったなら、まずは態勢を整えることから始めましょう。また、動き出したならば、常に物事の推移に注意を払うのを忘れてはいけません。孫子の言葉は、逆にとれば、もし相手に勢いがついた時には止める術がないということでもあるからです。相手に逆転のチャンスを与えないことも、勝利に大切な要因であることを忘れないでください。