取引先から新しいビジネスの話を持ちかけられた際に、それを引き受けるかどうか迷う時がありますよね。そんなときは、この言葉を思いだしてください。その商談が成功するかの鍵を、この言葉が教えてくれるかも知れません。

本日の孫子

『主孰有道、将孰有能、天地孰得、法令孰行、兵衆孰強、士卒孰練、賞罰孰明、吾以此知勝負矣』

(主はいずれが道あるか、将はいずれが能あるか、天地はいずれが得たるか、法令はいずれが行わるるか、兵衆はいずれが強きか、士卒はいずれが練れたるか、賞罰はいずれが明らかなるか、われ、これをもって勝負を知る)

意味

敵と味方の君主のどちらが人心を得ているか、敵と味方の将軍はどちらが有能であるか、自然界のめぐりと土地の情況とはどちらに有利であるか、法令はどちらが厳守されているか、軍隊はどちらが強いか、士卒はどちらがよく訓練されているか、賞罰はどちらが公明に行われているか。これらのことを見て、私は戦わずにしてすでに勝敗を知ることができる、という意味です。

解説です!

戦いにおいて、トップはどちらが明確な方針を持っているのか、指導部はどちらが有能なのか、時機および状況は、どちらが有利なのか、軍隊の管理はどちらが行き届いているのか、前線にいる者は、どちらがやる気を持っているのか、中間リーダーはどちらが経験を積んでいるのか、業績評価は、どちらが公平的確に行われているのか。これらを見れば、「戦わなくても勝負を予測することができる」ということを言っています。

こんなシーンで役立ちます!

あなたが、もし大きな仕事をまかされそうになっていたなら、その仕事を分析して、自分や自分のスタッフが、果たしてその仕事ができるだけの能力があるのか、あるいは人員が揃っているのかを冷静に判断することが大切です。一度、動き出したものを止めるのは難しく、また結果が良くないことが分かっているのに手を出せば、大きな損失を生むことになるでしょう。「男は、負けると分かっていても戦わなければならない時がある」というような言葉もありますが、ビジネスの現場では状況判断力を養うことが一番大切かも知れませんね。