ビジネスは武器を持たない戦争です。しかし、だからと言ってライバルと正面を切って闘うことは、お互いの時間や労力、そして経費がかかるだけに、できるだけ避けたいもの。時として力ずくで相手をねじ伏せたいと思うことがあるかもしれませんが、そんな時は、この言葉を思いだして、正面突破は最後の手段としましょう。

本日の孫子

『故上兵伐謀、其次伐交、其次伐兵、其下攻城、攻城之法、爲不得已』

(ゆえに上兵は謀をうつ、その次は交をうつ、その次は兵をうつ、その下は城を攻む、城を攻むるの法はやむを得ざるがためなり)

意味

孫子いわく、最も高等な戦争の方法は「敵の陰謀を陰謀のうちに破ること」、その次に上等なのは「敵と同盟国との外交を破る分断」、その次は「敵軍を破ること」。そして、最も悪いことは「敵の城を攻めること」で、それはやむを得ず行うものであると説いています。

解説です!

孫子が「闘わずに勝つ」を信条としていたことを考えると、実際の戦いになる前に争いの火を消してしまうのが一番だと考えていたのが分かります。もし、相手がどこかと組んでいるなら、その結びつきが破綻するように謀略を仕掛け、やむを得ず戦う場合は、自国から出て自国の領土に損害が出ないようなところで戦うようにすること。やむを得ない場合だけ、相手の国土に攻め入るべきとしており、自国で戦うことは、可能な限り回避するように努力をするべきだと言っています。

こんなシーンで役立ちます!

商売の話があって、自社にだけに話を持ちかけられたのではないと分かった時は、あくまで知らないフリをしながら、その相手のことを調べることが大切です。そして弱点をみつけたら、そこを攻めて公の競い合う場に持ち込まないようにするのが、結果として最小の時間・労力で勝ち取ることができる一番の方法かもしれません。「急がば回れ」という諺にあるように、最も遠いように感じる方法が時として最短な方法であることも少なくないでしょう。