この連載は、2015年4月からWebマーケティング業界に足を踏み入れた新入社員や、新たにWeb担当者に着任した新人マーケターを対象に「覚えておきたい基礎知識」を紹介するものです。最終回となる今回は、企業のWeb担当者がGoogle Analyticsを使う際、まず見るべき5つの視点を紹介します。

Google Analyticsは、まず押さえるべき分析ツール。でも、「機能が多くてどうやってみればいいのかがわからない!」というWeb担当者も多いのではないでしょうか。まず基本として、下記の5項目でWebサイトの大枠の状態を把握しましょう。

1. Webサイト全体に、どれくらいのユーザーが来たのか
2. 各ページには、どれくらいのユーザーが来たのか
3. 「どんなユーザー」が来たのか
4. ユーザーは「どこから」来たのか
5. ユーザーは「何を目的に」来たのか


それでは、実際にデータを見ていきましょう。まず、Google Analyticsにログインをすると、以下のような画面になります。

この中で、Web担当者がよく使う項目が赤い枠で囲んだ5つです。これらの項目により、サイトに訪問したユーザーの何が分かるのでしょうか。下記に、簡単にまとめてみました。

リアルタイム : "今この瞬間" サイトに訪問しているユーザー数
ユーザー : サイトを見ているユーザーの属性
集客 : ユーザーはどういう方法でサイト訪問したのか
行動 : サイト内でのユーザー行動
コンバージョン : サイト内における目標達成状況


では、多くのWeb担当者が抱える「疑問」を解決するためには、これら項目のどこを見ればよいのでしょうか。5つの疑問ごとに、その方法を説明しましょう。

Q1. サイトにどれくらいのユーザーが訪問したのか?

「ユーザー」という項目を展開し、その中の「サマリー」を選択しましょう。すると、下記のような画面が表示されます。

右側の枠には、サイトに訪問した人の数となる「ユーザー」数のほか、サイトの訪問回数を意味する「セッション」、閲覧されたページの合計となる「ページビュー」などの数字が表示されます。

なお、セッションは、同じユーザーが複数回閲覧した場合も別々にカウントされます。また、ページビューでは例えば、ユーザーAが企業Bのコーポレートサイトを閲覧した際に、「トップページ > 会社案内 > 商品説明」の順にクリックした場合、その数字は3となります。

Q2. 各ページを閲覧したユーザー数は?

左側の枠に戻り、「行動」という項目から「すべてのページ」を選択しましょう。

ここでは、サイト内の各ページに関する情報を閲覧することができます。また、特定のページの情報を閲覧したい場合、検索窓に同ページのURLを打ち込むことで可能となります。

Q3. どんなユーザーが訪問しているのか? (ユーザー属性)

「ユーザー」という項目から「ユーザーの分布」次いで「サマリー」を選択します。

ここでは主に、ユーザーの「年齢層」や「性別」「興味がある内容 (インタレストカテゴリ)」「地域」「新規・リピーター」「使っている端末」を把握することができます。

Q4. ユーザーは、どこを経由してサイトに訪問したのか?

「集客」という項目から「サマリー」を選択してください。

ここでは、ユーザーはこのサイトを「検索エンジンで見つけたのか」「ブックマークしていたのか」「SNS上で発見したのか」などを見極めることができます。なお、そのためには下記のキーワードを覚えておきましょう。

Organic : GoogleやYahoo!などの検索エンジンを経由し訪問
Social : FacebookやTwitterなどのSNSを経由し訪問
Referral : ほかのサイトに記載されたリンクを経由し訪問
Direct : ブックマークまたはURLを直接入力し訪問


Q5. ユーザーは、何を目的に訪問したのか?

「集客」という項目から「キャンペーン」次いで「オーガニック検索キーワード」の順に選択しましょう。

オーガニック検索キーワーとは、ユーザーが「サイトにどんな検索キーワードで訪問したか」を把握できる機能です。

ただし、上の図を見てわかるように、多くのサイトにおいて、「検索ワードが不明である」ということを意味する「not provided」という項目が約70%を占めてしまいます。これは、Googleのセキュリティの関係で発生するものです。詳しくは、LIGの「Google Analyticsのnot provided対策方法まとめ」という記事を閲覧することをオススメします。

とにかく機能が多く、見るだけで時間がかかるGoogle Analytics ―― まずは、基本的な見方を知り、少しずつ必要なデータを得る方法を学んでいくとよいのではないでしょうか。

ここまで全6回にわたり、新人マーケターやWeb担当者向けに、Webマーケティングにおける基礎知識を紹介してきましたが、これらはWebマーケティングの "基礎の基礎" に過ぎません。インターネット全盛期ですから、多くの情報はネットを通じて得ることができます。分からないことは積極的に調べ、また、本などの信頼性の高い情報もインプットしつつ、ご自身のスキルを磨いていっていただければ幸いです。

執筆者紹介

ソウルドアウト 葛谷篤志

2009年オプトに入社し、2010年からソウルドアウト設立に参画。入社3年目から新潟営業所の立ち上げを経験したほか、Web事業のスタートアップや通販(美容品・アパレル)企業のWebマーケティング支援に携わり、顧客売上を2年で5倍にさせる等の実績を持つ。現在(2015年3月)は、Webマーケティング本部 パブリックリレーション部にて部長を務める。