この連載は、2015年4月からWebマーケティング業界に足を踏み入れた新入社員や、新たにWeb担当者に着任した新人マーケターを対象に「覚えておきたい基礎知識」を紹介するものです。

今回は、「広告の手法はわかったけど、どれが自社のビジネスに合っているの?」「競合はどんな風にしているの?」といった疑問を解決するヒントとなる無料分析ツールを、厳選して8つ紹介します。

目的1 : 自社のサイトの流入元を分析する

1. Google Analytics

Googleが提供する「Google Analytics」は、無料で全機能を使用することができるものとして、定番中の定番です。これを使うことで、「世の中のアクセスの9割が解析できる」とも言われています。

【分析できる主な項目】
・Webサイトに来たユーザーの属性 (性別・年齢・関心など)
・どこを経由しWebサイトに流入したのか (検索エンジン・SNSなど)
・どのページに人気があり、どのページに改善の余地があるか
・どのようにしてユーザーは購入(コンバージョン)に至っているのか
・Google Adwordsの効果測定     など

なお、同ツールの類似サービスとして、ヤフーが提供する「Yahoo!解析」があります。

2. Google Search Console (旧 : Google Webマスターツール)

「Google Search Console (旧称 : Google Webマスターツール)」は、Google Analyticsでは収集不可となっていた情報を集めることができます。特に注目されている機能は「検索アナリティクス」で、今までのGoogle Analyticsではセキュリティの問題で分析できなかった「どういう検索ワードで、ユーザーがWebサイトに入ってきたのか(検索クエリ)」という分析が可能です。

【分析できる主な項目】
・実際にどういうキーワードでの検索がされているか
・Webサイトに問題が起きていないか
・他のどんなサイトに、Webサイトのリンクが貼られているか
・インデックス (Googleの検索エンジンに登録されている)数     など

目的2 : 自社のビジネスに関連する「キーワード」を知る

3. Google トレンド

「Google トレンド」では、何年といった単位で、指定したキーワードの動向を見ることができます。ユーザーのニーズを把握するために役立つほか、自社のビジネスに関わるキーワードの人気度の情報は、Webサイトのコンテンツ制作やネット広告の設計にも活用できるのではないでしょうか。

【分析できる主な項目】
・特定のキーワードの人気度推移や地域別の人気度推移
・キーワード同士の人気度比較
・関連するキーワード     など

4. goodkeyword

「goodkeyword」は、ある特定のキーワードを入力すると「検索エンジンでどのように検索されているのか」という分析が可能なサービス。たとえば、「ネット広告」と入力すると、関連ワードとして「代理店」や「市場規模」「ハンドブック」「用語」「種類」「仕組み」などが入力されていることがわかる。

【分析できる主な項目】
・特定のキーワードが、Google・Yahoo Japan・Bingの検索エンジンにて、
 どのようなキーワードと一緒に検索されているか

同ツールは、Webサイトのコンテンツを考える際だけではなく、リスティング広告のキーワード設定にもよく活用されます。なお、類似ツールとして「キーワードウォッチャー」があります。

5. Google AdWords キーワードプランナー / ディスプレイキャンペーンプランナー

「Google AdWords キーワードプランナー」と「ディスプレイキャンペーンプランナー」は、名称の通り、Google AdWordsにて提供される機能の一部。キーワードプランナーはリスティング広告を、ディスプレイキャンペーンプランナーはディプレイ広告を設計するために活用されるものです。

【分析できる主な項目】
・特定のキーワードの月間検索ボリューム
・特定のキーワードを検索する人の年齢層や傾向

同ツールの利用にはGoogle AdWordsのアカウント登録が必要ですが、貴重なデータが得られるため、積極的に利用すると良いでしょう。

目的3 : 競合を知る

6. SimilarWeb

「Similar Web」は、競合や他社のWebサイトにおいて「どのようにユーザーが流入しているか」を分析できるツールです。

Google Analyticsでは、分析を行いたいWebサイトにタグを埋め込む必要がありますが、同ツールでじゃ、分析対象となるサイトのURLのみでWebサイトの解析が可能です。また、無料版はブラウザのGoogle Chromeの拡張機能として提供されており、気軽に利用することができます。

【分析できる主な項目】
・推定PV数、ユーザー数
・流入元の割合
・類似サイト

目的4 : SNSの効果分析をする

7. Facebookページインサイト

オウンドメディアなどWebサイトの運営を任される場合は、FacebookなどのSNSの運用も任されることが多いのではないでしょうか。

公式Facebookページを保有する場合は、「Facebookページインサイト」にてユーザーの反応を確認することができます。例えば、どういった投稿が「自分たちのアプローチしたい層に人気があるのか」もしくは「反応が多いのか」ということを把握することが可能です。

【分析できる主な項目】
・公式Facebookページへのいいね数推移
・投稿へのリーチ数
・ユーザーとの交流度
・人気のある投稿
・競合のFacebookページ

8. Twitterアナリティクス

「Twitterアナリティクス」は、Twitterの公式無料分析ツールです。各Tweetやアカウントへの反応を数字で見られるため、今までは「なんとなく」行っていた投稿を戦略的に分析・実行できるようになります。

【分析できる主な項目】
・アカウントのフォロー数・フォロワー数の推移
・ツイートのインプレッション数 (表示回数)
・プロフィールへのアクセス数
・ツイートへの@返信数

いかがでしたか?

これらツールで分析を行うことで、さまざまなデータに惑わされてしまうこともあるでしょう。しかし、大切なことは「見えてきた課題が自社のWebマーケティングのゴールにどのような影響力を持っているのかや、それら課題をどう解決するか」です。ぜひ、解析した結果を目標達成のために活かしてください。

執筆者紹介

ソウルドアウト 葛谷篤志

2009年オプトに入社し、2010年からソウルドアウト設立に参画。入社3年目から新潟営業所の立ち上げを経験したほか、Web事業のスタートアップや通販(美容品・アパレル)企業のWebマーケティング支援に携わり、顧客売上を2年で5倍にさせる等の実績を持つ。現在(2015年3月)は、Webマーケティング本部 パブリックリレーション部にて部長を務める。