この連載は、2015年4月からWebマーケティング業界に足を踏み入れた新入社員や、新たにWeb担当者に着任した新人マーケターを対象に「覚えておきたい基礎知識」を紹介するものです。

今回は、FaceBook広告とYouTube広告について紹介します。

Facebook広告

映画「ソーシャルネットワーク」で一般的な知名度も一気に広がったFaceBookですが、同サービスの設ける広告商品は、大きく分けて2つ。1つは、PCで閲覧した際にタイムラインの右側に表示される広告枠で、バナーとテキストを用いることができます。もう1つは、タイムラインの中に埋め込まれた広告枠です。

タイムラインと右カラムに設けられたFacebook広告枠 イメージ (出典 : facebook for business 公式Webサイト)

FaceBookのサービス特徴として、ユーザーが実名にて登録することや、生の情報を入力していることがあげられます。これにより、広告主は、ターゲットとするユーザーイメージに "より近いユーザー" に広告配信が可能に。この点から、企業公式ページの開設だけでなく、広告を出稿する媒体としても利用されるシーンが増えているようです。

実施可能なターゲティングとしては、ユーザーの住まいや出身地といったエリア情報、年齢・性別・学歴といった基本情報、興味関心、購買行動など。各セグメントにおいて、どれくらいの対象者が存在するかということも可視化することもできます。

また、バナー広告に用いる画像素材の用意が無い場合でも、FaceBook上で関連画像を選択することができ、即座にバナーの選択・作成が可能。これまで「Web広告はテキスト広告のみ」という企業であっても、簡易的なバナーであればわざわざ用意する必要がなく広告掲載が行えるため、比較的容易に取り組むことができるのではないでしょうか。

同広告の運用は、「1クリックいくら」というクリック課金型で、価格や掲載期間を自分で設定できるため、広告の遷移先となる自社WebサイトやLPに連れてきたいユーザー数やアクセス数を想定し、逆算的に計算すると良いでしょう。

なお、注意点として、最低入金価格は設けられていないものの、その金額が1ケタであったりすると、出稿企業の優位性で掲載がされない可能性がありますので、戦略的に入札金額を設定するとよいと思います。

公式サイトでは、Facebook広告の入札に関する説明が記載されています (出典 : facebook for business 公式Webサイト)

導入事例

Facebook広告をうまく活用している事例として、人材紹介会社がユーザーの出身大学に合わせて広告配信をしているケースがあります。ユーザーのタイムラインに表示される広告に自身の出身校名が記載されているほか、年収いくらと書かれていたりすると、他人事とは思えず(自分事化してしまい)、クリック率・クリック後の会員登録率が高いといったような実績があるそうです。

YouTube広告(動画広告)

昨今、動画を投稿し、その閲覧数によって収益を上げるYouTuberなどとのタイアップなど、企業による動画の活用に注目が集まっていますが、YouTubeにも動画広告枠となる「TrewView インストリーム広告」が設けられています。

TrewView インストリーム広告とは、ユーザーが閲覧しようとした動画を再生する前に、一定の時間広告を配信することができるというものです。これまでのWeb広告の歴史では、その大半をテキスト広告やバナー広告が占めていましたが、新たに「動画」というフォーマットに真っ先に対応した広告と言えるのではないでしょうか。

YouTube広告における「TrewView インストリーム広告」の概要 (出典 : YouTube 公式Webサイト)

活用法としては、オリジナルの動画広告を使用するだけでなく、TVCMとして用意された動画を活用し、Web上でもブランディングを行っていくという事例もでてきているようです。

もちろん、動画をクリックすれば、自社Webサイトなどに遷移させることもでき、テキスト広告やバナー広告と同様に、Web上での実行動(購買・会員登録・資料請求等)を求めることも可能です。

なお、「TrewView インストリーム広告」は、GoogleAdwordsの一機能となるため、「半径500m以内のユーザーのみに広告配信をしたい」や「指定の時間帯のみ配信をしたい」「1人当たり5回広告を表示したい」などのターゲティングにも対応し、これらは管理画面上で設定することができます。

YouTube 公式Webサイトでは、導入事例やスタートガイドなどが記載されているので、一度読んでみてはいかがでしょうか。

執筆者紹介

ソウルドアウト 葛谷篤志

2009年オプトに入社し、2010年からソウルドアウト設立に参画。入社3年目から新潟営業所の立ち上げを経験したほか、Web事業のスタートアップや通販(美容品・アパレル)企業のWebマーケティング支援に携わり、顧客売上を2年で5倍にさせる等の実績を持つ。現在(2015年3月)は、Webマーケティング本部 パブリックリレーション部にて部長を務める。