前回の田端から一駅隣へ。駒込駅にやってきた。こちらは駅前に商店街があったり、「六義園」なんてお散歩スポットがあったりなど、一駅違うだけなのに随分景色が違う。肝心の立ち食いそば店だが、本郷通り沿い、駅から歩いて2~3分のところにある「一◯そば」を訪れた。

「温そば普通で紅ショウガ天、半分でわかめ」(税込370円)

おにぎりやカレーライスも

黄色い看板に、たっくさんのメニュー。この店構えどこかで見たような……と思えば、以前紹介した日暮里「一由そば」から独立されたお店らしい。引き戸から中へ入ると、厨房をL字に囲んでカウンター(着席)と、その後ろ側にはテーブル席もある。

朝9時過ぎ、相客は2人。カウンターにはこれでもかという種類の天ぷらが並ぶのは、一由そばを引き継いでいる。ゲソ天やちくわ天、イカ天や玉ねぎ天などのほか、季節の天ぷらとして、じゃがいも天やカキ天などもあった。さらにおにぎりやカレーライスもあってますます悩んでしまう。

紅ショウガ天は味の変化を楽しむ

独特な注文の仕方もならでは。まず、そばかうどんを選び、温か冷を選ぶ。さらに小盛り・普通・大盛りから選んだ後、トッピングの天ぷらを注文する。天ぷらは一部「半分」の注文もできるので、ハーフ&ハーフの組み合わせも可能だ。例えば今回の注文は、「温そば普通で紅ショウガ天、半分でわかめ」(税込370円)になる。

代金引換式で、ざるに盛られたネギを自分でのせる。刻み唐辛子も食欲をそそる彩りになる。わかめは半分で頼んだのだが、一般的な店のわかめそば分くらいの量は入っている。

紅ショウガ天はメジャーとマイナーの間にあるようなタネ。見つければ必ず頼んでしまうお気に入りの天ぷらだ。紅ショウガの酸味がどんどんツユに染み渡っていって、最初と最後で全然違う味に変化するのが好きだ。そばも、太めでガッシリとお腹にたまるおいしさ。

「一◯そば」はJR山手線「駒込駅」から徒歩3分

選ぶ楽しみと味わう喜び。来る度に新しい発見がありそうな店だ。ぜひ何度も通って至高の組み合わせを見つけたい。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。