前回に引き続き、秋葉原のそばである。交通費節約のため、前回の「野むら」からハシゴしている……というのは本当の話だが、秋葉原に名店が多いのも事実。「辛味大根そば」で紹介した「あきば」もそうだし、とにかくそばにこと欠かないので、今後も定期的に紹介していきたい。

「アサリかき揚げそば」(税込410円)

そんな今回は「二葉」を紹介しよう。昭和通り沿いの「あきば」とは目と鼻の先。JRよりも東京メトロの「秋葉原」駅から近く、徒歩3~4分のところにある。

ぶら下げられた短冊にワクワク

立ち食いにしてはなかなかしっかりとした門構え。引き戸から中に入る。こちらはオールスタンディング形式で、L字のカウンターと、窓際にもうひとつカウンターがある。水はもちろんセルフ。厨房では外国人スタッフを含む3人の女性が働いており、なかなかの規模感である。午前中、朝には遅く、昼には早い微妙な時間帯の訪問だったが、駅近という功を奏してか、相客は4~5人。なかなかの繁盛店である。

店内にぶら下げられたたくさんの短冊。これを見るだけでドキドキワクワクしてしまう。こちらの名物はアサリかき揚げ。そのほか、貝柱のかき揚げや、にんじん天、しい茸天、木クラゲといった、よそではなかなか見られないタネが盛りだくさんなのがうれしい。ここはまず「アサリかき揚げそば」(税込410円)を注文。

ザ・立ち食い的なうまさ

アサリの形がかき揚げから見てとれる。粒もたくさん入っていて、5~6個以上はあったと思う。エビやイカが合うのだからアサリも合わないわけがなく、特有の食感と溶け出した衣が混ざり合って美味。そばは中太で、小麦粉多めで腹持ち十分。そばの風味なぞ望むべくもないが、立ち食いそばはこれでいい。いや、これがいい。

「二葉」へは東京メトロの秋葉原駅から徒歩3~4分

その後も客足が途絶えることなく、うどんだの、にんじん天と春菊天をトッピングだの、矢継ぎ早に注文が入っていた。そしてエンドレスで揚げ続けられる天ぷら。このにぎわいは閉店まで続くのだろう。

※記事中の情報は2016年9月取材時のもの

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。