都内で「肉そば」ブームが巻き起こって、久しい。火付けは、いつか紹介することになると思うが、虎ノ門にある「そば処 港屋」だろう。今回紹介するのは、その中ブームの中で生まれたひとつ「そば 俺のだし GINZA5」(東京都中央区)だ。

「俺の肉そば(冷)」(税込800円)

「俺の」グループ唯一のそば店

ブームの火付け役である「そば処 港屋」は、開店前から長蛇の列。一見して、立ち食いそば屋には見えないスタイリッシュな外観と内装。そして何より、これまでの常識を覆す、新食感の「肉そば」で独特のスタイルを確立すると、その後フォロワーがいくつか現れた。

その人気の中で誕生したお店としては、東新宿の「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」もそうだし、今は閉店してしまったがチェーン大手の富士そばも「たったん」という名前で渋谷に店を構えていた。今回紹介する「そば 俺のだし GINZA5」もそのひとつ。場所は、東京メトロ「銀座」駅C1出口直結、銀座ファイブの地下街の中。「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」など、安価でハイクオリティな料理が楽しめる「俺の」グループ唯一のそば店である。

普通盛で十分、大盛サイズ

開店は11時と、そば屋にしては遅め。入るとすぐ左手のレジで、注文と支払いを済ませる。ここはやはり人気ナンバー1メニューの「俺の肉そば(冷)」(税込800円)で攻めたい。会計を終えて、奥に進む。

店内は中央の立ち食いスペースを中心に、両側には着席スペースもあり、かなり広い。お盆と水、割り箸を準備、ラー油の入ったつけダレとサービスの生玉子(1個目は無料)も取って、待つこと2~3分。着丼。

太くコシの強い麺の上に、ネギと大量の刻み海苔。甘辛く煮た牛バラ肉もたっぷり入っている。ここにさらに卓上の天かすをふりかけて、ピリ辛のタレでいただく。生玉子は直接麺にからめてもいいし、途中でタレに投入して味を変えるのもいいだろう。

顎をガシガシ動かし、どんどん胃にほうりこんでいくイメージで、一度食べると病み付きになる味はぜひ一度体験していただきたい。普通盛で他店の大盛サイズは優に超えているので、女性だと完食が大変かも。

「そば 俺のだし GINZA5」は銀座駅C1出口直結、銀座ファイブの地下街の中にある

夜時間には立ち飲み居酒屋になるらしく、一品料理も豊富。松茸や鱧(はも)を使ったハイクラスなメニューも見られた。使い方次第でいかようにもなる、引き出しの多い店である。

※記事中の情報は2016年7月取材時のもの

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。