東京都港区北青山。東京メトロ銀座線「外苑前」駅3番出口から徒歩1分の、246沿い。超がつくほどの好立地で24時間営業の店が、今回紹介する「信越そば」である。

「3品入り そば・うどん」(税込520円)はこの日、そばを「ごぼう・昆布・とろろ」で注文

豊富なラインナップから具を選べる楽しさ

緑色ののれんにはシンプルに「そば」。ドアは「冷房中」の札が下がっていて閉められていたが、開けると麺をゆでる蒸気がムワッとくる。「なんだ、全然効いていないじゃないか」と思ったが、これはこれで良し。

店内は厨房向かい合わせの立ち食いカウンターのみ。7~8人は入れると思う。平日の13時過ぎに訪問したが、相客は5~6人となかなかの入り。右手に「1日1麺」の標語とともに、券売機が2台。メニューに応じて色のついたプラ板が食券代わりになる懐かしいタイプだ。

今日は奮発して「3品入り そば・うどん」(税込520円)をプッシュ。青い板を持ってカウンターの前に立つと、オヤジに「どっち? 」と聞かれるので「そばで」とお願いする。その後、店内奥の壁に貼られた短冊から、3品好きな具を選ぶという仕組みだ。

せっかくなのでこの日のラインナップを書いておこう。「玉ネギ・ごぼう・昆布・ちくわ・あじ・人参・かき揚・卵天ぷら・なす・いんげん・きつね・キザミ生あげ・LL玉子・とろろ・揚玉」と大変豊富。しかも、切らしていることがほとんどないのがうれしい。今回は、「ごぼう・昆布・とろろ」で注文。どれも立ち食いそばの具としてはマイナーな部類の3つを選んだ。

厨房の2人のオヤジの連携プレーで、30秒位で着丼。真っ黒なつゆに、メイン級のトッピングが3種類も浮かんでいることだけでもう満足。特に昆布はダシを吸って深い味わいに。麺も太めで食べごたえもあり。何度も通って、いろんな組み合わせを試したくなる。

「信越そば」へは外苑前駅から歩いて1分

外苑前近辺は、ランチでもやはり高価格帯の店が多い。そんな中で、信越そばのボリュームと値段は貴重な存在だ。北青山のハイカラな街を縁の下から支えているのかもしれない。

※記事中の情報は2016年7月取材時のもの

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。