東京・秋葉原といえば、ゲーム、アニメ、家電、アイドル……等のカルチャーを思い起こす人も多いだろう。確かにそれも間違ってはいないが、周りを散策して思うのは、サラリーマンの多さ。特に平日の昼間はスーツ姿の人も目立つ。ということは、やはり、立ち食いそば店も多いのだ。今回は、昭和通り沿いに店を構える、その名も「あきば」に入った。JR「秋葉原」駅からは徒歩5~6分の距離にある。

「辛味大根そば」(460円)は夏にぴったりの味

透き通るつゆにパンチのきいた辛さ

店は早朝から営業。出社前の時間やランチタイムが混雑するので、余裕があれば谷間の時間に入るといい。入るとすぐ右手に券売機。立ち食いスペースはなく、右にカウンターテーブル。中央に大テーブルが置かれている。左手の方には製麺室が見え、この店が自家製麺でそばを出していることが分かる。食券を買って、奥の厨房に提出。「辛味大根そば」(460円)を注文。

そばはその都度ゆでているのだろう、でき上がるまで3分くらいは待つ。その間、シャリシャリと大根をおろす音が聞こえる。大根おろしは時間が経つと辛味が抜ける。さすが「辛味大根」と名乗っているだけはある。

これ以上なくシンプルなもりそばだ。麺は白く透き通っていて、とても美しい。辛味大根を少しずつ溶かしながらいただく。辛味大根の香り、そして辛味は、ものすごいパンチ力! ワサビもショウガも、この大根には到底かなわない。辛い、でももっと食べたくなる、病みつきになる、ピリリとした辛さ。麺のコシも程よく、あっという間に一枚平らげてしまう。食べた後にはそば湯を足してつゆをいただく。これがまた辛い!

「あきば」へは秋葉原駅からは徒歩5~6分

これからの季節、やはり冷たいもりそばは定番。夏バテ対策にもピッタリ、シャキッと身体が目覚めること間違いなしだ。

※記事中の情報は2016年5月取材時のもの

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。