連載「副業でやらかしまして。」では、大金持ちになるという野望を持ったフリーター「しんま」氏が、株や投資、せどりなどの副業でやらかした経験を語ります。

記念すべき第1回で「札束を燃料にして生きてる感がすごい」「しんま君に依頼したマイナビニュースが1番やらかしたのでは……」と読者をざわつかせた同氏。大金持ちになる日は果たして来るのでしょうか!?(毎週水曜更新)


先週はブレグジットで大損した話をしました。しかし、ブレグジットで大損して1カ月後がたち、僕は全く懲りず損を取り返すためにある勝負に出ます。今回はそのリベンジ戦のお話を書いていこうかと思います。

ブレグジットで大損、リベンジなるか!?(画像はイメージ)

株式市場で見つけたとある法則、ここから全てが始まった……

1年前の2015年、夏。僕は株式市場にある法則を見いだしていました。その法則というのが、「夏になると電力株は上がる」というものです。

大した理論じゃないので簡単に説明すると、夏はクーラーをガンガン使うから電気代が他の季節よりかかるため電力会社の売り上げが上がり、連動して株価も上がるに決まってるでしょ! っていう法則です。

いかにも素人が考えそうなことですが、僕はこの法則に基づき、夏に入るちょっと前に電力会社の最大手「東電」の株を200株分買いました。こんな曖昧な法則あてにならなそうなものですが、何と夏に入るにつれて気温とともに株価もグングン上昇。

「やっぱりこの法則は当たっていたんだ!」

自分の理論が正しかったことに喜びながらある程度利が乗ったとこで利益確定し、3万2,000円の利益を得ました。

本当に夏だから株価が上がったのかは不明ですが、ともかくこの1年前の成功体験が自分の脳裏に強く刻まれていました。

「この法則を使ってちょっとでも損を取り戻そう!」

そう考えた僕はブレグジットから一週間もたたないうちに東電株を400株購入。自分で言うのも何ですが相変わらず後先を考えない行動力だけはさすがです。これでブレグジットで損をした25万のうち半分くらいでも取り返せればいいなとわくわくしながら、リベンジ戦の幕開けです。

史上最も暑い夏! 株価も上がる、はずだった

東電の情報を集めるためにネットサーフィンをしていると、NASAが「2016年は史上最も暑い年になる見込み」という観測結果を発表した記事を見つけました。

何でも太平洋に発生したエルニーニョ現象が原因なんだとか。気温が高くなればなるほど儲かる自分の法則としては、NASAが発表したこの観測結果は最強の追い風でした。

勝負を諦めずに果敢に攻めていればこうした幸運にも恵まれるものなのか……と幸運に感謝し、じっくり株価が上がるのを待ちました。やはり8月が夏の本番。8月に入れば気温も上がりクーラーもガンガン使われ大量の電気が消費されることが予測されます。なので僕は8月辺りで利益確定したいと考えていました。

そんなこんなで8月に突入。待ち望んでいた夏本番です。海だ山だと世の中の人が遊び回ってる最中、僕は毎日東電の株価をチェックしてからバイトに行き、バイトが終わったらまた株価をチェック。そんな毎日を送っていました。何せブレグジットで25万も失ったわけですから、海に行って泳ぐ暇も、山に登って自然を満喫する暇もないわけです。

バイト、株価チェック、バイト、株価チェック、毎日その繰り返しでした。しかしここである異変に気づきます。

「全然株価上がらなくないか(^o^)?」

夏に入ればクーラーがガンガン使われ電気が大量に消費されるから、電力会社の最大手である東電株は上がるはずなのに、不思議なことに株価は一向に上昇の気配を見せませんでした。というかむしろ株価はどんどん下がっていくという展開に。

「おいおい、話が違うじゃないか! 何で株価下がってるの?」

激しく動揺しました。とはいえ過去最高の猛暑になるという格好の好材料があるのにここで損切りするわけにもいきません。そこで僕は平常心を取り戻すため、ネットサーフィンして自分に都合のいい情報をかき集めることにしました。言うまでもなくこんな行為は投資家として全く褒められたものではありません。

いろいろ調べていくと、「現在の相場はブレグジットの影響で株価が乱高下しやすいが、決して目先の動きにとらわれてはいけない」という情報を入手しました。な、なるほど。であるならばこの東電株の連日に続く下落も不安定な相場の影響ということかと妙に合点がいき、

「だったら焦ることはない、ゆっくり株価が上がるのを待てばいいだけだ」

と、性懲りもなくお得意の楽観視です。

しかし当然そんな自分に都合のいい展開がくるはずもなく株価は連日下落。とうとう損切りしなければいけないゾーンにまで到達しました。

しかももうすぐ8月が終わろうとしていたので、なるべく早く利確するなり損切りするなりのアクションを起こさねばなりません。夏の暑さを利用した投資法なのに夏が終わってしまったら東電株をホールドしている意味はなくなりますからね。

止まらない株価下落、刻一刻と迫る夏の終わり。

さすがにブレグジットで大損した後に株でも追加で損をしたら、もう資金が完全に枯渇してしまうので、非常に悔しい限りですが株価がちょっと戻したところで損切りすることに決めました。非常に悔しいですが……。

幸いにも損切りすると決めてから、ある程度株価は戻してくれて少ない損で損切りすることができました。負けはしましたが微損というところですね。悔しいですがまあこれくらいなら仕方ないかと、気を取り直し次の投資先を探す作業に移りました。

その後の東電株、まさかの爆揚げ

そして翌日。そういえば昨日損切りした東電今どうなってるのかな~と気になり、「これで東電めちゃくちゃ上げてたらウケるよな~」と心の中で思いながら東電の株価をチェックしてみました。

そしたら、何と東電株は爆上げですよ。しかも株価は自分が買った価格より高い水準まで上昇していました。

「は!? なんで損切りした次の日に爆上げしてんだよ!!」

あまりにも腹が立つ展開に、思わずパソコンのモニターに向かって右ストレートを放つとこでした。もし昨日損切りせずに今日までホールドしていれば普通にプラスで利益が出ていました。

何でよりによって損切りした次の日に爆上げなのでしょうか……。これがもし一週間後の出来事であればそこまで腹が立たなかったでしょうけども、何せ損切りした翌日に爆上げですからね。

「個別株」で学んだこと

この一連の出来事を見ていた僕のブログの読者が「しんまの逆張りをするのが一番儲かる投資法ではないか」、と自分にとって屈辱的な投資法を提唱していました。む、むかつく……!

根拠が乏しい法則にすがりつき投資を決断し、不利な展開がくると自分に都合のいい情報だけを集め、下落に歯止めがかからないと狼狽してしまい正しい状況判断ができず焦って損切り。

う~ん、やっぱり自分に投資は向いていないのかもしれません(笑)。

執筆者プロフィール

しんま
3つのバイトを掛け持ちするフリーター。お金持ちになるためにFXやせどりなど様々な副業に手を出すが全て失敗。年収の半分は副業に消えているんだとか。ブログ「しんまは今日も損切りっ」、Twitterはコチラ

【次回は「文具販売」のやらかし談を紹介します。お楽しみに!】