6月18日に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により、つくば市役所にて行われた「生活支援ロボット実用化プロジェクト」の成果発表会。そこで行われた講演の4本目は、パナソニック プロダクションエンジニアリングの久米洋平氏(画像1)0による「離床アシストベッド「リショーネ」のISO13482認証取得実例」だ。

画像1。パナソニック プロダクションエンジニアリングの久米洋平氏

パナソニックは生活支援ロボット実用化プロジェクトに参加しているメーカーの1つで、これまで自立支援型移乗・移動ロボットシステム「ロボティックベッド」(画像2)、そして今回ISO13482を取得した介助支援型移乗・移動ロボットシステムであるリショーネ(画像3)の開発を通して、安全技術の確立を推進してきた。

どちらも電動リクライニングベッド(背上げ、足上げ、高さ調整が可能な3モータタイプ)の一部が分離して車いすになるというものだ。スライディングシートという下肢麻痺者や全身麻痺者といった利用者をベッド上で分離して車いすになる側に移動させるだけで、その部分がそのまま車いすになるので、大変な作業である下肢麻痺者や全身麻痺者を抱きかかえてのベッドと車いす間の移乗作業を介助者1人で行えるようになるという介護用ロボットというわけだ。

両者の違いは車いすの機能にある。これまでに若干紹介しているが、ロボティックベッドの車いすは、電動リクライニング機能付きのフルタイプの電動車いすになり、利用者自らが操縦することが可能だ。一方のリショーネの場合は、電動リクライニング機能は付いているが自走はできず、移動は介助者に押してもらう必要があるのである。

利用者のターゲットは、前者が自分自身で電動車いすの操作が可能な下肢麻痺者で、後者は自分では操作ができない全身麻痺者だ。また、ロボティックベッドがフル機能のためどうしても高価になってしまうこともあり、製品化するに当たって機能を減らすことで少しでも価格を下げることを狙ったのがリショーネというところもある。

画像2(左):ロボティックベッド。開発は以前より行われており、2009年時点で初期のプロトタイプは披露されている。画像3(右):リショーネの分離→リクライニング→移動の様子

すでにリショーネは製品化されており、2014年4月から受注がスタートしていることは、1本目の講演の産業技術総合研究所(産総研)の比留川博久部門長(生活支援ロボット実用化プロジェクトのプロジェクトリーダー)の講演ですでにお伝えした通りだ。その製品化に当たっては同プロジェクトの成果が活用されており、それによりISO13482が取得できたという。

画像4は、リショーネの制御システムを表したものだ。左が車いす部を、右がベッド部を表す。若干文字がつぶれてしまって見づらいので説明すると、車いす部は、左に4つある機器の名称が、上から「Handset(ハンドセット)」(有線リモコン)、リクライニング用の「Actuator(アクチュエーター)」、インターロックを構成するための「Limit Switch(リミットスイッチ)」、「Battery(バッテリー)」となっている。それらがつながっている右側の装置が制御用の「Control Box(コントロールボックス)」だ。ベッド部も基本的に似た作りで、右下がControl Box。上部にあるのがHandset。左の上2つがLimit Switchで、下の3つがActuator(「Lift」、「Foot」、「Head」の3種類)となっている。

画像4。リショーネの制御システム