【連載】

本日は銭湯日和

29 間接照明も生かした文京区「ふくの湯」はレトロ×モダンなデザイナーズ銭湯

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今回は、文京区千駄木の「ふくの湯」を紹介したい。東京メトロ南北線「本駒込」駅から徒歩5~6分のところ。住所の通り、千代田線の「千駄木」駅からも徒歩圏内だ。2011年12月にリニューアルした、俗に言う「デザイナーズ銭湯」のひとつで、木で組み上げられた玄関口はその「ふくの湯」の文字がなければ銭湯とは気づかない。建築家・今井健太郎氏の設計によるものであり、同氏が手がけられた銭湯はこの連載でも既に「文化浴泉」や「万年湯」を取り上げた。

「ふくの湯」へは東京メトロ南北線「本駒込」駅から徒歩5~6分

湯気のような字にレトロなデザインのロッカー

白く短いのれんには家紋のようなものが染められている。よく観察すると、ひらがなの「ふ」が湯気のように立ち昇っているようなデザインに見える。「ふくの湯」の「ふ」だろうか、洒落ている。入り口は階段を上がった先の2階だが、自動昇降するリフト付でバリアフリー対策もバッチリ。入るとすぐ目の前がフロントで、右手下足箱の脇に券売機があるのでこちらで入浴料を支払う。

ロビーと呼べるほどのサイズではないが、座るところが少しとテレビ、ドリンクケースが入って左手側に備えられている。男女の湯は週替りとのことで、この日は男湯が左、女湯が右だった。左は「大黒天の湯」、右は「弁財天の湯」という名が付けられているらしい。

脱衣所には両側に木製のロッカーが。扉には「いろは」や「漢数字」がふられており、レトロな雰囲気が演出されている。中央には畳張りの腰掛け。ほか、体重計や洗面台。自販機にはジュース類やビールが売られていた。天井から吊り下がる六角形の格子に提灯型の灯りが取り付けられていて、やわらかい光を放っている。

赤富士に松に七福神の壁絵も

左「大黒天の湯」のイメージ(S=シャワー)

訪問したのは日曜日、昼の12時頃。ふくの湯は平日も11時から営業しているが、週末になると8時から営業しており、昼時なども特ににぎわうようだった。相客は7~8人ほどだった。

浴室内もカランや壁絵などが部分的にライトアップされるなど、間接照明がふんだんに生かされている。正面には中島絵師による赤富士、さらにその下にはまるで金屏風のような松の木のモザイクタイル画が。境目側にはグラフィティペインティングアーティストのGravityfreeによる七福神の鮮やかな壁絵。まさにレトロとモダンの融合、縁起物のお祭り状態である。

浴槽は奥側にひとつだけだが、湯温は42度くらいで入りやすい。浴槽内に段差がある浅風呂になっているので半身浴も可能だ。カランにはボディソープ、リンスインシャンプーあり。

名前から外観、内装に至るまでこだわり抜かれたこの銭湯。余談だが、筆者は親子3人で訪問した。早い時間からの営業、それに非日常感たっぷりのお風呂は、子連れのお出かけスポットにもピッタリ。妻によると、右側の「弁財天の湯」には壺湯があるとか。また銭湯に行く楽しみが増えた。

※イメージ図は筆者の調査に基づくもので正確なものではございません

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。

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インデックス

連載目次
第30回 旗の台「中延記念湯」には不思議な露天風呂が! 豊富な湯がまたお得感あり
第29回 間接照明も生かした文京区「ふくの湯」はレトロ×モダンなデザイナーズ銭湯
第28回 開店直後から常連客でにぎわう蒲田「天神湯」は、入浴後までくつろぎ空間
第27回 中央区のデザイナーズ銭湯と言えば「湊湯」--間接照明にこだわりサウナも
第26回 深夜早朝もOK! 個性派銭湯「神田アクアハウス江戸遊」は便利に使える
第25回 出勤前のひとっ風呂にもってこい! 大田区「幸の湯」で黒くない天然温泉を
第24回 『昼のセント酒』でも愛された銭湯! 江戸川区「鶴の湯」には目玉が2つある
第23回 銭湯ファン界隈でも話題の「ひだまりの泉 萩の湯」に"都内最大銭湯"を実感
第22回 忙しない東京時間をリフレッシュ! 四ツ谷「若葉湯」は心が落ち着く場所
第21回 生まれ変わった台東区「天然温泉 湯どんぶり栄湯」で露天風呂を思う存分
第20回 銭湯マニアも虜にする大田区「明神湯」--面構えから女将さんの笑顔まで完璧
第19回 東京には花屋兼業の銭湯がある--豊島区「前田湯」は入り口でメルヘン気分
第18回 観光心もくすぐる東京銭湯で唯一の存在! 台東区「燕湯」は厳しくも温かい
第17回 東京都ではレアな非加盟銭湯! 文京区「君の湯」には420円以上の安らぎあり
第16回 「西品川温泉 宮城湯」も銭湯価格! 露天風呂も備えた心配りがうれしい
第15回 江東区「日の出湯」の魅力は温度にあり--心地よい温度は安心感をもたらす
第14回 丸い小窓から富士山が! 目黒「文化浴泉」でなめらかなnano湯を楽しむ
第13回 たとえ歩いても、だから白金「アクアガーデン 三越湯」に来たくなる!
第12回 正月は朝湯でさっぱりと! 西荻窪「秀の湯」は子連れにも優しい銭湯
第11回 生まれ変わった町田の銭湯「大蔵湯」で、お風呂本来の気持ち良さを知る
第10回 はるばる通うのも悪くない! 風格ある荒川区「帝国湯」で激熱の洗礼を
第9回 生まれ変わった小岩「武蔵湯」は、薬湯の浅風呂で半身浴もよし
第8回 最後の"三助"がいた「日暮里 斉藤湯」は初めての子連れ銭湯にもぴったり
第7回 驚きの軟水で美肌を実感!? 板橋「花の湯」は女将さんのキャラメルも魅力
第6回 荒川区「梅の湯」もリニューアル! 開放的な現代風銭湯で水素水風呂も堪能
第5回 生まれ変わった大久保「万年湯」に行ってみた! 常連からも「いいお湯だね」
第4回 派手さはないが味わいたっぷり! 中野区「上越泉」は女将さんも魅力のひとつ
第3回 「大田黒湯温泉 第二日の出湯」に今、巨大なゴジラ現る!
第2回 若者にも高齢者にも優しい銭湯! 高田馬場「世界湯」は壁画で世界を描く
第1回 大にぎわいなのには訳がある! 世田谷「天狗湯」はいろんな意味で気持ちいい

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