【連載特別企画】

今さら聞けない「RPA」の基本

2 RPAの具体的導入ステップとツール選定のポイント

 
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前回の記事では、RPA (Robotic Process Automation;ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務の自動化が、人間の行う作業を肩代わりすることで、労働環境改善やコスト削減などのメリットを生むことを紹介した。今回もKofax Japan(以下、Kofax)の協力を得て、同社が提供しているRPAツール「KOFAX KAPOW(コファックス カパゥ)」を例に、その具体的な導入ステップを見ていくことにしよう。

デモを見て膨らませた導入イメージを、ワークショップで実現

Kofaxではおおよそ図1のような流れに沿って、製品(KOFAX KAPOW)の評価から導入までを進めている。まずは導入を検討している企業の担当者に、KOFAX KAPOWのデモンストレーションを見せるところからスタートするという。

「デモをご覧いただくと、KOFAX KAPOWをどんな業務に使えそうかイメージを膨らませることができます」と、Kofax ディレクターの河上 勝氏は語る。

KofaxによるRPA製品評価・導入までの流れ

デモを見たうえで、導入計画を進めることが決まれば、企業側の担当者にはKOFAX KAPOWの基礎を習得するためのトレーニング(3日間)や、Webに用意された自習用キットが提供される。このトレーニング期間を通して、RPAにどんなことができるのか、どうやれば目的に沿ったロボットをつくれるのかについて学ぶのだ。そして深まった知見をもとに、既存の業務プロセスの中から、自動化のテストケースとして適切なものを選びだし、続いて実施されるワークショップでKofaxや同社のパートナー企業のサポートを受けながら、選定した業務を実際にロボット化していく。本格的な導入に踏み切るかどうか、他業務にもRPAを展開するかどうかは、完成したロボットの実証実験結果を評価してから、再検討すればいい。Kofaxでセールスエンジニアを務める神田 秀則氏は導入までのフローについてこう説明する。

「ワークショップでつくったロボットだけで目的を達成できたというお客様もいらっしゃいますし、既存システムとの連携確認や、どの程度の作業時間短縮になるのかの比較実験を希望されるお客様もいらっしゃいます。そうしたご要望には、柔軟に対応しています」

分かりやすいデザインスタジオと、高い操作性

今回の取材では、KOFAX KAPOWを使ったロボット作成のデモンストレーションも見ることができた。このロボットは、実際にとある大手銀行で使われているもので、KOFAX KAPOW導入前は、同じ作業を専任スタッフが一日かけて行っていたという。「本店がWebで収集したファイナンス関連ニュースの見だしを、Excelのフォーマットに見やすく整理し、全国の営業店向けにメール送信する」というのが、作業全体の流れだ。

デモに沿って、クライアントPCからサーバに置かれたKOFAX KAPOWにアクセスし、ロボットを作っていく過程を簡単に説明しよう。文字量の都合上、流れの中の一部をとり上げる形となるが、KOFAX KAPOWによるロボット作成がいかに簡単なものか理解できるだろう。

図2は、KOFAX KAPOWの「デザインスタジオ」画面だ。上部には簡潔なプロセスフローが並び、下段左には作業に利用するアプリケーションが表示されている。図2-1ではWebブラウザが表示されているが、ここには自動化の対象となる複数のアプリを呼び出すことができる。図2-1の一部を拡大したのが図2-2だが、この例でもブラウザのタブなどが並ぶ中、コピーした情報の貼り付け先であるExcelタブが見える(各アプリの呼び出しや、ブラウザに最新の情報を表示させるための検索作業なども自動化されているが、今回の説明では割愛する)。下段右はKOFAX KAPOWの操作パネルだ。

図2-1 KOFAX KAPOWデザインスタジオの構成

図2-2複数のアプリをデザインスタジオ内に呼び出せる

表示されているニュースの表組みをExcelにコピー&ペーストする場合、人間が作業をするのであれば、ドラッグで該当範囲を選んでコピーし、そのままExcelに貼り付けるのが普通だろう。見出し(表題)の文字列によってはフォーマットが崩れるだろうが、それは手動で直していくのが手っ取り早いと思われる。細かく仕切られた表の枠内一つずつをコピーし、Excelのセルに一つずつ貼り付けていけばフォーマットが崩れることはないが、時間と手間がかかりすぎてしまう。だがKOFAX KAPOWを利用する場合は、見出しを読んで内容を判断する前者の手法より、すべてを機械的に行える後者のほうが適している。

まず表の一行目で「時刻」「コード」「会社名」「表題」「上場取引所」など、各枠内にある文字列を変数として取り込むことを覚えさせる。そして同じ作業を全ての行に対して行うよう設定をする。これで一つのロボットが完成だ。実行すれば、瞬時に表組みの内容をKOFAX KAPOWに取り込むことができる。次は取り込んだデータをExcelに貼り付けるロボットをつくる。ロボットにExcelをアクティブ化させ、KOFAX KAPOWが読み込んだデータのどの変数をExcelのどの列(カラム)に貼っていくかを、1行分だけ指定して作業の雛形として教え込ませる。するとロボットが取り込んだデータの行数分だけ継続して作業してくれるのだ。設定さえ正しければ、作業はミスなく、高速に完了する。

ほとんどの設定はマウスの右クリックメニューや、プルダウンメニューから選ぶだけで行える(図3)。スクリプトを書く必要がないので、普段業務を行っている人間なら、比較的すぐにロボットをつくれるようになるだろう。また間違いなく動作するかどうかの確認は、デバッグ機能を使えば、作業の途中でも簡単かつシームレスに行える(図4)。ロボット作成画面と別に、デバッグツールを起動する必要がないのは、KOFAX KAPOWの大きな特長の一つだ。

図3 ロボットに覚えさせる動作は、右クリックメニューに沿って、簡単に設定できる。図は表組の時刻枠の内容を、tdnet_timelineと名付けた変数に取り込む作業をロボットに教えているところ

図4 表組を正しいフォーマットで取得できているかは、デザインスタジオ内のデバッグ画面で確認できる

こうして細かな作業ひとつひとつをロボット化していき、それらを連続実行させると、最初に記した作業(情報収集、Excelへのデータ貼り付けから、100件のメール送信まで)が、わずか数分で完了させられるようになる。導入した銀行では、この作業にあたっていたスタッフが別の仕事にシフトできるようになり、業務の効率化が図れているという。

大規模な自動化に最適なサーバ型か、手頃なデスクトップ型か

KOFAX KAPOWでは、クライアントPCにしかインストールされていないVisual Basicやホストのエミュレータなどを利用したい場合には、サーバからそのPCにアクセスして作業を行うロボットをつくることも可能。できあがったロボット本体はすべてサーバに置かれる仕様になっている。

「サーバ上のロボットを一括管理できるため、特定のロボットが停止してしまったり、予想外の負荷をかけていたりすれば、アラートで知ることができます」(神田氏)

「エンドユーザーがつくったロボットを管理者がチェックして、稼働スケジュールを設定したり、ガバナンス維持のためにチェックしたりすることも容易です。KOFAX KAPOWにはその他にも、Linux、WindowsなどのOSや仮想環境、DB連携などに幅広く対応するなど、大規模な自動化に最適な特長が豊富にあり、大手金融会社や政府機関などでも採用いただいています」(河上氏)

今回はエンタープライズ向けRPAツールKOFAX KAPOWを紹介してきたが、他社からはクライアントPCごとに直接インストールするデスクトップ型のRPAツールもリリースされている。限られた作業のみを自動化したい場合には、そちらのほうが導入コストも安く、手頃だといえるかもしれない。これからRPAの導入を計画しているのであれば、各社からリリースされているツールそれぞれの得意分野や対応できる規模などを確認し、十分に比較検討していただきたい。

KOFAX KAPOW のお問い合わせ先

[PR]提供:Kofax Japan

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連載目次
第2回 RPAの具体的導入ステップとツール選定のポイント
第1回 RPAとはどんなもの? その役割と効果とは
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