チームの力を最大限に引き出すために「レビュー」を活用しよう

「レビュー」というと「自分の仕事が誰かにチェックされる」「開発のスピード感を損ねる」といったネガティブな印象をもたれる人も多いだろう。しかし、チーム開発のさまざまな場面でレビューを効果的に取り入れることにより、自分ひとりの力では到底成し得ることができないより良い製品作りを、文字通り「チーム」で行うことができる。

本連載では3回にわたって

  • なぜ作るのか (Why)
  • 何を作るのか (What)
  • どう作るのか (How)

というそれぞれの問いに対し、成果物をどのように見定めレビューを行っているのか、また、進め方で工夫している点やなぜそれが良いのか、といった点を紹介していく。

それでは、第一回目として「なぜ作るのか (Why)」からはじめよう。

社内向けプレスリリースを全員参加でレビューする

新機能や機能改善などの開発を始めるときは、"なぜそれを作るのか"ということを明確にする必要がある。一般的には、「要件定義書」や「企画書」がそれにあたるが、より簡潔に表現・共有するための一案として「社内向けプレスリリース」をここでは紹介する。

社内向けプレスリリースとは、文字通り通常のプレスリリースのように、機能やメリット、開発にいたる背景などを社内に共有するためのものだ。ここでひとつポイントとなるのが、誰もが気軽にコメントできるよう、ファイル共有サービスまどをもちいてリリースすることだ。これは、誰にとっても分かりやすくメリットを享受できることを目的としているが、いくつか注意しなければならない点もある。

  • 実際のプレスリリースのフォーマットにあわせる
  • 企画者にとっては当たり前でも専門用語については説明を行う
  • 開発前であっても極力画面のイメージや概念図などを作成する

設計や実装のフェーズに入ると、開発に携わる人間以外はレビューしにくい状況が生まれやすいため、社内向けプレスリリースはさまざまな立場の人がレビューできるよう記述することが重要だ。作成した後はこれを社内に公開し、役職や担当のプロジェクトを問わず全員からレビューを募る必要がある。

全員が参加する社内向けプレスリリースのレビュー

一見すると作るのが大変そうに思われるかもしれないが、さまざまな立場の人に逐次説明する時間や、開発中に当初の目的を見失ってしまうリスクなどを考えると、チーム開発を加速させる仕組みとしては、欠かせないはじめの一歩といえる。

次回のテーマは「何を作るのか (What)」についてを紹介する。

著者紹介:株式会社ヌーラボ
「チームで働くすべての人に」をコンセプトに、Backlog、Cacoo、Typetalkを提供し、この3つのサービスは世界中で利用され沢山のユーザーの仕事を支えている。

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