日本でただひとつのデイリーマガジン(毎日出る雑誌)として1975年10月に創刊され、今年で40周年を迎える「日刊ゲンダイ」。同誌は既存マスコミとは一線を画した大衆ジャーナリズムの担い手として、一般目線での権力監視や、共感を呼ぶ記事づくりで人気を集めている。紙媒体だけでなく、1998年にはWeb版「ゲンダイネット」(現「日刊ゲンダイ( http://www.nikkan-gendai.com/ )」)を他媒体に先んじて創刊。ポータルサイトへの記事提供やスマートフォン向けサービスに積極的に取り組み、若年層や女性層を開拓。月間9150万PV(2015年6月)という実績とともに、独自の存在感を放つサイトとして成長した。

月間9000万PVを超えるWebサイト「日刊ゲンダイ」

その発行元である株式会社日刊現代は、今から3年前、社内で利用する業務システムのサーバ管理に大きな課題を抱えることになった。長年にわたってサーバを引き継いで利用するなか、担当者が不在になったり、担当範囲があいまいになり、適切な運用管理ができなくなっていたのだ。同社の社内業務システムは、経理システム、原稿料管理システム、広告管理システム、ドキュメント管理システムに大きく分けられる。基本的に社内マシンルームに設置・管理されており、委託したベンダーの担当者がメンテナンスしていた。

だが、ベンダー側の担当者が変わったり、日刊現代側の兼任担当者が異動したりする過程で、誰が何をどのレベルで担当しているのかが不明瞭な状況だったという。そんな状況の整理とシステムの管理を任されたのが、日刊現代 情報システム室長の糸田英樹氏だ。システム業務で数十年のキャリアを持つ糸田氏は、経験を買われて日刊現代に中途入社。専任担当者として、混乱した現場の収束とシステム運用管理の体制づくりに取り組んだ。

その取り組みのなかで、リユースのハードウェアを活用したソリューションを展開するデータライブの各種サービスを積極的に活用し、日々の業務を支えるシステムの安定稼働につなげたという。データライブのサービスは、どのようなシステムでどう利用されているのか。情報システム室の糸田氏、データライブ営業本部 手島直樹氏と山下智生氏の対談から、リユースのソリューション利用のヒントを探りたい。

株式会社日刊現代

1975年9月27日設立。東京築地の本社、大阪に拠点を持ち、3大都市圏と札幌で「日刊ゲンダイ」を発行する。日本新聞協会に属さず、雑誌扱いの日刊紙「新聞誌」として、独自の大衆ジャーナリズムを展開。発行部数は約168万部で、駅売りの即売紙としてナンバーワンの発行部数となる。Web版として展開する「日刊ゲンダイ」は月間9150万PV(2015年6月実績)で、中高年サラリーマンを中心に、600万の女性ユーザーも閲覧する。「情報の総合デパート」として、エンタメから政治経済までを網羅。ニュースの裏側、真相、実用ネタまで、ユーザーの「知りたい」にこたえる誌面づくりを行っている。

URL: http://www.nikkan-gendai.com/

日刊現代が抱えていた課題と、データライブの解決策

課題 解決策
本番稼働しているサーバが突然の故障。古い機種でメーカー保守が切れ、代替機も見つからなかった 代替機を調達。サーバ筐体をまるごとリプレースした
メーカー保守が切れた機種が稼働しており、故障で業務に支障がでかねない。アプリケーションの改修も難しい EOSL/EOLサーバ保守を契約。アプリケーションの改修なく環境を移行できるようにした



日刊紙の発行を支えるさまざまなITシステム

──まずは情報システム室の仕事内容から教えていただけますか。

株式会社日刊現代 情報システム室長 糸田英樹氏

糸田氏: 社内PCの管理、社内サーバの管理、外部を利用しているシステムやサービスのサポートが主な仕事です。記者出稿用、営業・経理の業務系での社内管理対象PCは全部で150台ほど。Windows OSの更新やセキュリティ設定、データのバックアップ、各種アプリケーション操作のサボートなどを私と室員2名が行っています。

サーバは、社内のマシンルームに設置・管理しています。大きいものでは、ドキュメントサーバと呼んでいる過去記事のデータベースシステム、経理システム、ライターや作家の原稿料を管理する原稿料管理システム、広告に関する売り上げ・掲載情報を管理する広告管理システムがあります。

手島氏: ドキュメントサーバというのはどういうシステムなのでしょうか。

糸田氏: 過去記事の検索システムです。テキストを検索できるだけでなく、掲載紙面のイメージをPDFで表示して、内容を確認することもできます。デジタル縮刷版というとわかりやすいかもしれませんね。原稿を書く参考にしたり、取材先にアポをとるときに紙面イメージを見せたりするのに使っています。資料室で縮刷版をコピーしなくても、端末をたたけば紙面イメージをすぐ得ることができるので便利です。ほぼ毎日誰かしらがアクセスするシステムで、業務に欠かせないシステムの1つになっています。

そのほか、経理システムは、経理パッケージをインストールして使っています。原稿料管理システムや広告管理システムは、過去にベンダーさんに頼んでスクラッチ開発したものを代々引き継いで使っています。

データライブ 営業本部 営業部 部長代理 手島 直樹氏

手島氏: 新聞制作システムは外部に委託していらっしゃるのですよね。

糸田氏: 外部にある新聞制作システムを利用しています。日刊ゲンダイの印刷は、日刊スポーツ印刷社さんが行っているのですが、その関係で、システムも共同利用させてもらっています。素材(原稿、写真など)をPCで作成したら、制作システム側の素材管理サーバに送信登録し、あとはクライアント端末で紙面を制作するという流れですね。システムの運用管理も日刊スポーツさんが行っています。

画像系の管理システムは外部に置いています。紙面で使った写真、イラスト、画像など、写真部が管理しているもので、以前は社内のサーバで管理していたのですが、クラウド形態に移行しました。操作のサポートなどはシステム室の仕事です。

クリティカルなシステムについて保守契約を結ぶ

──データライブのサービスを利用しているのはどのシステムなのでしょうか。

糸田氏: EOSL/EOLサーバ保守を契約しているのは、ドキュメントサーバと、広告管理システムです。

ドキュメントサーバは、DELL PowerEdge T300タワーサーバで、Windows Server 2008が稼働している環境です。アプリケーションは私が着任する前にベンダーに依頼して、作ってもらったものですが、OSが2008 R2ではなく、2008の環境依存になっているのです。OSのバージョンアップが難しいので、予定している全面刷新までは延命するつもりで、EOSL/EOLサーバ保守を契約しました。データ自体は、HDD 4台のRAID構成で保護しています。

もう1つの広告管理システムも、DELL PowerEdgeサーバで動いています。こちらも同じような環境ですね。

山下氏: いずれもDELLですが、同じメーカーで揃えて管理を簡単にしようとか、何か意図があったのでしょうか。

糸田氏: 詳しいことはわかりませんが、おそらく、最初に構築した担当者にはそういった考えもあったかもしれません。最初はシステム開発した会社のシステム担当員が常駐で面倒を見ていたそうです。長い間それで問題なく動いていたのですが、常駐が解除となり、別の外部委託者が管理するような経緯を経て、だんだん管理がおろそかになっていったのではないかと思います。

私が来たときにはサーバルーム自体、混沌としていて、どこから手を付けていいのかわからないという状況でした。笑えない話ですが、更新済みで廃棄対象となったサーバ機が、廃棄されずに電源ONの状態のまま1年以上も放置と言ったものでした。

山下氏: 事業に欠かせないシステムですから、放っておくわけにもいきません。

糸田氏: はい。そこで、状況の把握から始めて、少しずつ整理していき、日々の業務に必要な重要システムについてはリプレースすることにしました。アプリケーションが環境依存なので、リプレースまではデータライブさんのサービスで延命させようということです。

本番機が突然の故障。予備機も代替機もない状況に

──そもそも、どういうきっかけでデータライブのサービスを知ったのですか。

糸田氏: 機器の故障です。調査すると、メーカー保守が切れた機器があることがわかりました。かなり古い機種もあって、もし故障したらどうしようもなくなる。そんなとき、リユース機器を扱っている業者として、日刊スポーツさんに紹介してもらったのです。最悪、部品が調達できれば、なんとかなるだろうと。その保守契約を結んだのが2013年の4月でした。

山下氏: 当時は、EOSL/EOL保守サービスのことをご存知でしたか。お客様からもそういうサービスがあるのは大変ありがたいとご評価いただくのですが、われわれの努力不足もあってか、知っている方が少ないところがあるのです。

糸田氏: そういうサービスがあると知ってよかったですよ。すぐに利用することを決めました。実際に、故障したのも契約の直後でした。

ある日の午前中、広告部門から「システムが止まっている」と連絡を受けました。調べてみると、確かにアプリケーションが止まっていました。開発したベンダーの担当者と連絡がとれず、原因が何かはっかりわからない。そこで、データライブさんに相談すると、すぐにメンテナンスの方がきてくださって「HDDは大丈夫のようです。マザーが疑わしいですね。取り替えましょう」と返事をもらいました。

数時間しないうちに、同機種の筐体が運び込まれて、HDD以外のハードウェアをそっくり交換。(実際には、HDDが運び込まれた筐体に移動)元通り稼働するようになり業務が再開しました。私が汎用機のメンテナンスに慣れているせいもあるのですが、原因を追求(範囲を絞り込む)するよりは、そっくり機械を交換する判断を優先させるのですね。そこはちょっと驚きました。

手島氏: ケースバイケースなのですが、原因を特定することに時間をかけるよりも、業務の復旧を優先させたほうがいいケースがあります。この場合は、そうした判断があったのだと思います。ホストコンピュータに比べると、機器の信頼性や部品のコストが低いので、そうした対応をしたほうが結果的に早くなります。

「なぜ壊れるのか議論をしてもしょうがない」

──ほかのシステムでは機器の故障などはなかったのですか。

糸田氏: 着任してから、図ったように壊れていきましたよ。ドキュメントサーバについては、RAID構成していたHDD 4台のうち3台が次々と故障していったこともありました。

経理システムもそうですね。経理システムは、DELL PowerEdge2800 サーバ2台を使って処理を分散していたのですが、1台が壊れました。そこで、処理を1台でこなすように構成を緊急変更して、乗り切ることにしました。これは、すでにリプレースしました。 その意味では、データライブさんは保守だけでなく部品の調達でも安心感はありますね。壊れても、探すことができるからなんとかなるだろうと。

データライブ 営業 第2チーム 山下 智生氏

手島氏: 部品の調達については、国内50社、海外700社とのネットワークを作っています。世界中から探してこれるので、たいていのものは見つけることができると自負しています。ところで、リユースや中古について、抵抗はないのですか。

糸田氏: ないですね。システムを30年以上やっているので、新しいものでも使えばすぐに中古になるという感覚があります。そこで、なぜ壊れるのかという議論をしてもしょうがありません。

ただ、メインフレーム系は計画的にリプレースしていきますが、オープンシステムは、そこまではっきり計画が立てられないという感覚はあります。壊れることを前提に、いつ壊れても対応できるような仕組みをつくっておくことが大切なのでしょう。

──今後についてお聞かせ下さい。

糸田氏: データライブさんには、すぐに来てくれることや技術に対しての信頼感があります。契約も1ヵ月かからなかったと思います。保守サービスによるリプレースに合わせた延命もそうですが、今後も、いろいろな面でサポートいただければと思います。

手島氏: マルチベンダー対応や機器の買い取りサービスなど、今後もサービスを拡充させていき、ご期待にそえるよう頑張りたいと思います。

──ありがとうございました。

(マイナビニュース広告企画 : 提供 データライブ株式会社)

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