いつの時代も恋に悩める男女は多いもの。ここでは、弊誌人気連載「理系のための恋愛論」の酒井冬雪先生が、皆さんの恋愛に関する悩みにお答えします。恋愛に悩んでいる人、まずは先生に相談してみましょう!



37歳専門職男性です。同い年の妻とは前の職場の同僚で、職場結婚でした。前の会社は中小企業で、収入も悪く、どうしたものかと悩んでいたときに、ある職業に目をつけました。一生懸命勉強して目指してみたいと思うようになったのは25歳の頃でした。

妻に相談すると、「1年なら、私が稼いで食べさせてあげる」といってくれました。はじめの数年は仕事をしながら勉強し、ラスト1年は仕事を辞めて勉強に集中し、見事合格して今はその仕事をしています。

稼ぎも安定し、子供も3人(6歳・4歳・3歳)に恵まれ、幸せな生活を送っていたのですが(妻は既に退職し、専業主婦)、最近妻の遊び方が派手になってきました。ママ友とのランチやカラオケ会、お泊り会など、週に3,4回はそういったイベントが入り、それだけで毎月10万を超える勢いです。

「ちょっと、お金を使いすぎなんじゃないの」というと、はじめは黙っているのですが、改善されないので何度か言うと、「あのさ。誰のおかげで今の職業に就けていると思ってンの? 私が昼間は会社の仕事して、夜も居酒屋でバイトして、働きまくってアンタを食べさせてやったから今の仕事、今の稼ぎ、今の生活があるんじゃないの? 」と鬼の形相で言われました。

確かに当時のことは感謝しています。でも、それと妻の浪費に関しては無関係なのでそれを訴えても、「意味わかんない」の一点張り。どうすればこの浪費癖を直すことができるのでしょうか。あと、恩着せがましく当時のことをネチネチ言う妻の気持ちも理解できません。私は死ぬまで妻に頭が上がらないんですかね。



今の職業に就けたことで、これから死ぬまで恩を着せられてしまったら、確かに辛いですよね。相談者さんの妻の浪費が激しい年数が、食べさせてもらっていた年数を超えてしまったら、その時に「もう借りは返した」と文句を言ってみてはどうでしょう。……と言いたいところですが、それでは口論になるだけで、根本的な問題解決にはならないと思います。

そもそも、まだ下の子がお小さいのに、どうして妻はそんな風に外にばかり目が向いているのか。そのあたりの原因について考えてみてほしいものです。もしかしたら、学生時代はまじめに勉強していて、子どもができてからようやく自分の楽しみや、友だち付き合いができるようになったのかもしれません。もしくは、相談者さんが忙しすぎて家にいる時間が少なく、寂しさをまぎらすためにママ友に目を向けたら、同じような人が何人かいて、心がそちらにグイッと傾いてしまったのかも。

相談者さん自身は、自分が家にいるときや休みの日くらいは、家族で一緒に過ごしたいと思っている。けれど、妻からみれば、そういった機会はひと月に数回しかないため、だったら確実に約束してくれて、話も合って、悩みを理解してくれるママ友と付き合ったほうが楽しい。子どもも遊べる友だちがいて喜んでいるし……と考えている可能性もあります。

知らず知らず、夫婦の心に溝ができてしまっているのに、そこを見ようとせずただお金遣いが荒い、遊びすぎと責めては話が通じないものです。子どもと24時間一緒にいると、大人同士の話がしたくなるものです。子育てから生じる社会と離されているような孤独感といった悩みを分かち合える同性の友人の存在は、きっと奥様にとって大切なものなのでしょう。

そのあたりの気持ちを汲み取ってあげて、「でも、自分も子育てに参加したい」「自分も、妻の悩みや問題に寄り添える一番の理解者でありたいと考えている」といった気持ちを見せてあげると、奥様も落ち着いて、少しは外出を控えてくれるかもしれません。また、子育て中の女性は小さな子どもを守ろうと必死で、夫を含めて周囲の意見に耳を貸さなくなってしまう傾向があるものです。

お子さんの性別にもよりますが、いちばん上の子が女の子だったりすると、わかりやすい男子と違って複雑な女の子の悩みを家に持ち帰ってくるので、母は精神的になかなか冷静でいられないものです。男子なら男子で、体力勝負な部分がありますので、肉体疲労が激しくなります。少なくとも、お子さんが小学校を卒業するくらいまでは、母は子育てに手一杯で、他にも様々な問題が発生することでしょう。

いろいろなケースに対応できるよう、夫として父として、どうすれば妻の気持ちに寄り添っていけるのか考え、妻に自分は何があっても味方だよと伝えてあげてください。そうすれば、ママ友よりも、夫に向くはずです。浪費のことや稼いでもらっていた当時のことに焦点をあてるのでなく、何が今の状況をつくりだしているのか。そこを見極め、男性としてどっしりと構えてあげてほしいです。応援しています。

イラスト: のでこ

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