前々回前回と、これまで2回にわたり、「ライトヲタ系レイディ」について紹介してきました。今回はその総まとめ。「オタク趣味」をうまく利用してコミュニケーションを図り、実社会でもモテるための"ちょっとしたコツ"を伝授しましょう。

「オタク趣味」のコミュニケーションは強い「共感」を生みやすい

お互い共感できるものがあると、関係が一気に進展しやすい(写真はイメージ)

「ライトヲタ系レディ」をめざすなら、これだけは抑えておくべきポイント、心がけていてほしいテーマのようなものがあります。それは、「うんうん」「そうそう!」と、お互いが「共感」できるものを作るということ。

こんなことを言うと、「それってけっこう難しいんじゃ……」と思う人がいるかもしれません。たしかに見知らぬ2人が出会い、お互い手探りでなにもわからない状態から、共感できるものを見つけていくのは大変だろうと思います。でも、「オタク趣味で」とジャンルを区切ってしまえば、比較的手早く、しかも深く共感を得られるものなんですよ。

「オタク趣味」において、「これは確実!」と言える「共感」を作るポイントがひとつあります。「世代的なツボ」をつくことです。子供の頃や青春時代に経験したことに対して、特別な思い入れがあるのは誰でも同じ。「オタク趣味」を通じてそこをうまく引き出せたなら、強力かつ非常に心地良い「共感」をゲットできるはずです。

では、「世代的なツボ」を有効に生かすには、一体どうすればいいのでしょう?

当たり前のことですが、まずは相手の年齢・世代に関心を持つことが大きいのではないかと思います。具体的には、その人が子供の頃、何が流行っていたかを調べて、話題にしてみるといいのです。もちろん世代が近い人ほど共感度も高くなるので、この方法に関しては年代が近いほどうまくいくでしょう。

基本的な考え方として、「同年代あるある」を主軸に置き、そこから逸脱することなく話を広げていけば、おのずと話題の展開もスムーズになっていきます。

関係を継続させていくには?

ところで、相手を好きになると急に受身になる人もいるだろうと思います。そういう人ほど、自分のよく知らない分野の話を相手が始めた途端、なおさら自分から話すタイミングが失ってしまいがち。

そのとき限りならまだいいとしても、相手が長く話しているのが常態化していたなら、それは好ましいことではありません。2人の関係のバランスが崩れ、やがて一緒にいるのがストレスとなり、関係を少しずつ壊してしまうことにつながりかねないからです。そうならないためにも、相手の話を聞くだけでなく、ちゃんとあなたの主張も伝えていくことが大切。

もちろん、主張するといっても無理に自分を押し出すことはありません。ごく自然に、「私はこう思う」「私はこれが好き」という話をしていけばいいのです。もし好みが噛み合わなくても、早々に諦めてしまうのはNG。二度三度すれ違っても、繰り返し、ていねいに自分の思いを伝えていきましょう。

ファッションで気をつけることは?

男性の「黒髪ロング」の女性に対する憧れは根強いのだ(イメージ)

ファッションにおいては、まず「自分の考える"モテ"ファッション」と相手から見た好みにはズレがある、ということを自覚する必要があります。

たとえば、ストレートロングの清楚な黒髪は安定した人気を持っていますが、多くの女性の場合、もっとかわいらしくファッショナブルな髪型を好むものですよね。でもこれこそ、「男女の好みのズレ」の典型的な例だと思うのです。

「オタク」度が強い人はとくに、「男目線で好きなものが好き」という傾向が顕著です。だからといって、「女性はみんな黒髪ストレートロングにしなさい」と言いたいわけではありませんが、相手の好みを一度真剣に考えてみるのがポイントかと思います。つまり、「男ウケを意識する」のです。ここで誤解してはいけないのは、「男ウケ」というのは決して性的な意味ではなく、また変に男性に媚びようとするのも良くない、ということ。あくまで「多くの男性から見て好ましいもの」を選ぶべきでしょう。

外見に関しては、あまり無理をしないことも大事です。「かわいい系」「きれい系」「セクシー系」などがある中で、あなたが無理なくめざせるものはどれですか? それを決めた上で、自らのキャラを再構成し、自分の個性とめざす路線を維持していきましょう。

デートするならどこへ行く?

2人で価値観を共有でき、かつ共感できるものがより多く見つかりそうな場所、具体的には漫画喫茶や映画館などがいいかもしれません。一緒に楽しめるものを観たり検索したりしていく中で、自然と話題も増え、さらに関係を深められるでしょう。

ときに「引き時」を見極める必要も…

「引き時」の見極めが大事。すべての恋愛に共通して言えることかも(写真はイメージ)

一口に「オタク」と言っても人それぞれ。「オタク趣味」はあるけど一般的な感覚を持ち合わせている人もたくさんいます。一方、人当たりがよさそうでも、話がディープすぎて価値観が合わない人、いわゆる「コミュ障」の人も少なくありません。

そういう人と無理に関係を築こうとしても、自分自身が疲弊してしまうだけかもしれません。だからある程度見極めた上で、相性が良くないと感じたらあまり深入りしすぎないことも大事。奥手な人も多いだけに見極めは難しいでしょうけど、第一印象が「いい人」でも、その人があなたにとって本当に「いい人」とは限りません。「この人はダメかも」と感じたら、すばやく撤退。これも良い人間関係を保つためのコツです。

「オタク文化」が注目されて久しいですが、いまはそういう時代の流れの中にあるのかも……、と感じています。時代の流れに身を委ねれば、自然といい流れにのっていけるもの。「オタク文化を活用したコミュニケーション」は、なにも恋愛・結婚に限ったことではなく、「もうちょっとくだけた話をしたい」「単なる友人関係からもう一歩進めたい」など、親しい人間関係を築く上でも、きっと有効活用できるでしょう。

最後に、「オタク」系の人は、「共感>理解>好意>恋」と段階を踏んでいくため、関係が進むのが遅い傾向にあるみたいです。焦らずゆっくりいくことが肝要ですよ。

執筆者プロフィール : 来栖 美憂(くるす みゆう)

文筆家(男性)。ジャンルを問わない媒体で執筆中。近代カルチャーに詳しく、自身でもメイド喫茶などのイベントを企画・参加するなど実践派でもある。『アキバ☆コンフィデンシャル』(長崎出版)など編・著書多数。TwitterID「@mewzou