テキストを「面」で捉えるということ

グリッドとは「矩形」、「マス目」といった意味の言葉だ。アルファベットや数字などは、ベースラインやアセンダなどと呼ばれる横方向のラインで文字を揃えるように設計されているが、和文では「仮想ボディ」と呼ばれるグリッドに文字をデザインする。今回の「QuarkXPress 8」では、文字をグリッドとして扱うことが可能になり、和文の扱いが格段に向上している。文字をマス目で表現することで、雑誌などによく見られる「先割り」と呼ばれるレイアウト方法が簡便になっただけでなく、字取り・行取りといった伝統的な和文の割り付け方法も選べるようになった。また、文字同士や図版と文字との位置揃えも一元的な「線」だけでなく、「面」で扱うことで、文字の上端揃えやグリッドのセンター揃えといった細かなコントロールが可能になっている。

文字をグリッドの「面」として扱うことで、文字揃えのバリエーションが増えただけでなく、正確で美しい「揃え」ができるようになった

テキストボックスを素早くドラッグすると、ドラッグを開始した部分のグリッドが点線で表示される。図版やガイドと文字の位置を揃えたいときに便利な機能だ

システマチックな組版の実現

QuarkXPress 8のマスターページでは、あらかじめ「ページグリッド」と呼ばれるグリッドを設定することができる。これは雑誌のラフレイアウトに使用される「指定用紙」と同じようなものだ。ここでマージンや本文の設定をしておけば、ドキュメント上でそのグリッドに沿って簡単に割り付けの作業を行うことが可能になる。ページグリッドには吸着機能があり、アイテムの配置も容易だ。

マスターページの「マスターガイド&グリッド」ダイアログで、ページグリッドを作成することができる

「マスターガイド&グリッド」の「調整」ボタンをクリックし、字取り・行取りからマージンを自動的に調整することも可能だ

ページグリッドでは、本文テキストの位置やサイズ、行送りなどを設定するほか、字取り行取りからマージンを調整したり、間隔を調整することができる。また、文字スタイルや段落スタイルから設定を読み込むこともできるので、過去の作成データを開いて、ページグリッドを追加することも簡単だ。

※ 本稿では開発途中のQuarkXPress 8日本語版を使用しています。発売時には仕様変更されている可能性がありますのでご了承ください。