coba
デザインプロダクション「i2f(アイトゥエフ)」代表取締役、アートディレクター、デザイナー。1973年生まれ、東京出身。1995年からフリーランス活動を開始、PSやセガサターンなどのコンシューマゲーム機用のゲームのAD・デザイナー等をつとめる。97年よりWebサイト「i2f」を立ち上げ。現在に至るまで、数々のアーティストや広告・ブランディング・プロモーション等のWebサイトや広告デザインを企画制作。これまでに担当した主なアーティストとしては、Mr.children、MISIA、L'Arc-en-Ciel、湘南乃風、GLAY、VAMPS等多数

写真編集ソフトの定番「Photoshop」が、今年で25周年を迎えます。そこで、フォトグラファーやデザイナー、イラストレーターなど、このソフトを愛用している各界のクリエイターに、アニバーサリーイヤーを記念して、ご自身とPhotoshopに関するエピソード、そしてPhotoshopへのお祝いの言葉を寄せていただきました。

今回ご登場いただくのは、Playstation時代のゲームのAD・デザインから、数々のアーティストや広告・ブランディング・プロモーション等のWebサイト、広告デザインの企画制作まで手がけてきた、デザインプロダクション「i2f(アイトゥエフ)」代表取締役/アートディレクター/デザイナーのcobaさんです。

――はじめて触れたPhotoshopのバージョンと「第一印象」は?

Photoshop 2.0だったと思います。小学生のころからCGで簡単なものを作り、そのうちお絵かきソフトみたいなものが登場して……という中で育ったので、その延長線上のものなのだと感じていました。その次のPhotoshop 2.5は専門学校で使っていて、この頃から本格的に始めた3DCGのレタッチにつかっていました。

Photoshop 2.5では元の画像を直接加工するほかなく、どうにかならないかと思っていたところに、Photoshop 3.0が登場!このバージョンから、レイヤー機能が搭載されました。今でこそ当たり前のレイヤーですが、この時はとても画期的で、それまですべて手作業だったイラストの着色なども、Mac上で行うようになりました。3DCGのレタッチは複雑になっていきましたが、レイヤー機能のおかげでいろいろな要素を組み合わせていくことができたので、表現の可能性が広がった気がしています。

――普段の業務・活動におけるPhotoshopの使い方を教えてください。

現在はWebの業務が多いので、デザインを構築していく時に、そのパーツを細かく作っていくことが多いです。ここへ来て、GIFアニメを作ることも多くなっています。Web関連は、ひとつのコンテンツでさまざまなページのデザインや動作状況を表さなくてはならないので、レイヤーカンプを使ってのページ展開はもちろん、UIの動作パターンを指定して、PSDを見れば仕様が分かるというところまで作り上げられることが便利ですね。

その他には、写真を使ったデザイン業務の時の加工をしたり、写真そのものをレタッチしたり、映像素材を作ったり、たまにイラストの着色をしたり……という感じでしょうか。

――最もよく使う/気に入っているPhotoshopの機能は?

「スマートオブジェクト」が便利です。便利すぎて多用し、ファイル容量が大きくなってしまうことも多々あります(笑) Illustratorのベクターデータを使えるので、Photoshopの苦手な文字組みもこれで解決しますし、デザインの一括修正も楽なので、重宝しています。

また、僕はサードパーティのプラグイン(フィルター)を昔から多用しています。Red Giant、Topaz Labs、Magic Bullet、Digital Anarchy、あと、最近あまり使いませんがAlien Skinなど、多彩なフィルター・加工プラグインが使えるのはとても魅力的です。絵作りには欠かせないものだと感じていますが、Photoshopのバージョンが上がると使えなくなることもあり、それによって昔から多用していたプラグインから卒業…ということもありました。

――最後に、25周年の節目を迎えたPhotoshopへの激励の言葉をお願いします。

Photoshopは「あくまでプロが使うもの」という認識が強かったと思うのですが、今や一般的な言葉として「フォトショ」という略語が出てくるのだから、時代は変わるものだなと感慨深いです。

画像の加工、レタッチに関しては、とてつもなく機能がアップして表現の底上げになっていることは周知の事実ですが、僕自身は正直、新機能を使いまくっているわけではないので、これからどんな機能がついてくるのか?今足りないものは何なのか?というものを考えることは少ないです。やることはあまり変わらないので、処理スピードや、動作の安定、文字編集、レイアウト機能とかそういうところが良くなればいいなとは思います。

Macで仕事するようになって一番使っているアプリケーションのひとつであることは間違いないので、素直に、今までありがとう、これからもよろしくと言いたいと思います。

coba氏デザイン、犬のためのアパレルブランド

i2f主宰のcoba氏が2007年よりスタートした、プレミアムドッグアパレルブランド「Departures(デパーチャーズ)」。今までのドッグブランドにはないブランディング、アートディレクション、デザインが認められ海外などでも評価され、2013年にイタリアでの販売を開始し、経産省クールジャパンワールドトライアル事業イタリア部門にも選出。ひとつ上のハイカジュアルなドッグウェアをぜひ体験してみて下さい。実店舗は東京都・代官山にあり、Webショップ「Departures Online Store」も展開中。