PowerPointには、図形と文字を組み合わせた「図表」を手軽に作成できるSmartArtという機能が用意されている。手順や構造などを分かりやすく示したい場合に活用できるので、ぜひ使い方を覚えておこう。今週は、SmartArtを作成する時の操作手順と図形の追加/削除について紹介する。

SmartArtの作成手順

まずは、SmartArtを使って図表を作成する時の操作手順から紹介していく。すでに知っている方も多いと思うが、この機会に一度復習しておくとよいだろう。

コンテンツの領域にSmartArtを作成する時は、「SmartArt グラフィックの挿入」のアイコンをクリックする。すでにコンテンツの領域に文字を入力してある場合は、「挿入」タブを選択し、「SmartArt」コマンドをクリックする。

コンテンツの領域にSmartArtを作成

スライドにSmartArtを挿入

すると、以下の図のような画面が表示される。ここでは、作成する図表の種類とレイアウトを選択し、「OK」ボタンをクリックすればよい。

SmartArtの種類とレイアウトの選択

スライドにSmartArtが挿入されるので、[テキスト]と表示されている部分をクリックして各図形内に文字を入力していく。

作成されたSmartArt

図形内をクリックして文字を入力

以上が、SmartArtを作成する時の基本的な操作手順となる。ただし、「図形の数」と「説明したい内容」が必ずしも一致するとは限らない。続いては、SmartArt内の図形を追加したり、削除したりする方法を紹介していこう。

図形の追加

SmartArtに図形を追加する時は、あらかじめ「基準となる図形」をクリックして選択しておく必要がある。

図形の選択

続いて、SMARTARTツールの「デザイン」タブを選択し、「図形の追加」の▼をクリックする。すると、以下の図のような一覧が表示される。ここでは「図形を追加する位置」を指定すればよい。

「図形の追加」コマンド

例えば、「リサイクル施設」の図形を選択した状態で「後に図形を追加」を指定すると、「リサイクル施設」の後に"新しい図形"を追加できる。同様に「前に図形を追加」を指定すると、「リサイクル施設」の前に"新しい図形"を追加できる。

「後に図形を追加」を指定した場合

「前に図形を追加」を指定した場合

なお、新しく追加した図形には[テキスト]の文字が表示されていないが、図形をクリックしてキーボードから文字を入力すると、図形内に文字を入力することができる。

「組織図」のように図形に上下関係があるSmartArtでは、「上に図形を追加」や「下に図形を追加」の選択肢も指定可能になる。例えば、以下の図において、「営業部」の図形を選択した状態で「下に図形を追加」を指定すると、「営業部」の下位レベルに"新しい図形"が追加される。同様に「前に図形を追加」を指定すると、「営業部」の前に同レベルの"新しい図形"を追加することができる。

「下に図形を追加」した場合

「前に図形を追加」した場合

図形の削除

これまでに紹介してきた例とは逆に、「図形の数」が「説明する内容」より多い場合もあるだろう。このような場合は、不要な図形をクリックして「Delete」キーを押せばよい。これでSmartArtから図形を削除することができる。

なお、この操作を行う際は「図形内の余白」をクリックして図形を選択するのが基本だ。「図形内の文字」をクリックすると文字の編集モードになり、「Delete」キーにより文字の削除が行われてしまう。すぐに気付く問題ではあるが、念のため覚えておくとよいだろう。

「テキスト ウィンドウ」の活用

SmartArtを作成する際に「テキスト ウィンドウ」を利用する方法も用意されている。箇条書きスタイルの文字を編集していくだけで、「図形内の文字」と「図形の数」を同時に編集できるので、こちらの使い方も覚えておくとよいだろう。

「テキスト ウィンドウ」を使ってSmartArtを編集する時は、SMARTARTツールの「デザイン」タブを選択し、「テキスト ウィンドウ」をクリックする。すると、SmartArtの左側に以下の図のような画面が表示される。ここで各項目(箇条書き)に文字を入力していくと、その内容がSmartArtにも反映される。

「テキスト ウィンドウ」で図形内の文字を入力

さらに、図形の追加を行う機能もある。各行の末尾にカーソルを移動して「Enter」キーを押すと、その後に"新しい図形"を追加できる。もちろん、追加した図形も「テキスト ウィンドウ」から文字を入力することが可能だ。

「Enter」キーを押すと…

図形が追加される

図形のレベルを変更したい時は、「Alt」+「Shift」キーを押しながら「→」または「←」のキーを押せばよい。すると、箇条書きのレベルが上下に変更され、それに合わせて図形のレベルも上下に変更される。

  • 「Alt」+「Shift」+「←」キー ………… 図形のレベルを上げる
  • 「Alt」+「Shift」+「→」キー ………… 図形のレベルを下げる

「Alt」+「Shift」+「→」キーを押すと

図形のレベルが1つ下がる

図形をクリックして操作する場合よりスムーズに作業を進められるので、積極的に活用していくとよいだろう。

なお、今回紹介した内容だけで「SmartArtの完成!」となるケースは非常にまれである。SmartArtの見た目をよくするには、図形内の文字の書式を変更したり、SmartArt全体のデザインを変更したりする必要がある。これについては次回以降の連載で詳しく紹介していこう。