各スライドには、発表用の原稿などを記しておくことができる「ノート」という領域が用意されている。今週は、この「ノート」の使い方を紹介しておこう。発表用原稿の作成だけでなく、注意点や確認ポイントを記しておくメモ欄としても活用できるので、ぜひ使い方を覚えておくとよいだろう。

「ノート」の領域に発表用原稿を入力

まずは、各スライドの「ノート」を編集する方法から紹介していこう。ノートの領域(ノート ペイン)を画面に表示する時は、画面下部にある「ノート」ボタンをクリックすればよい。

「ノート」の表示

すると、「ノートを入力」と記された領域がスライドの下に表示される。この領域内をクリックすると、ノートに文字を入力することができる。

「ノート」に文字を入力

ノートは「発表用原稿」を記しておく領域として利用するのが一般的であるが、他の用途に活用しても構わない。事前に確認が必要となる箇所、発表時に注意すべき点など、各スライドの備忘録やメモ欄として活用してもよいだろう。ノートに記した内容は出席者には表示されないため、各自の好きな用途に利用することが可能だ。

なお、画面に表示されたノートの領域が狭くて使いにくい場合は、「スライド」と「ノート」の領域を区切る罫線を上下にドラッグすると、各領域のサイズを変更できる。

「ノート」の領域の表示サイズ

ノートの編集を終える時は、画面下部にある「ノート」ボタンを再クリックする。すると、ノートの領域が非表示になり、元の画面表示に戻すことができる。

「ノート」の画面モードと書式の指定

ノートの文字を編集する際に、画面モードを「ノート」に切り替えて作業を進めてもよい。この場合は「表示」タブを選択し、「ノート」コマンドをクリックして画面モードを切り替える。

画面モードの切り替え

すると、上部にスライド、下部にノートが配置されたA4サイズの用紙が画面に表示される。もちろん、この状態でノートの文字を編集していくことも可能だ。文字が小さくて見にくい場合は、画面右下にある「ズーム」を操作すると、画面の表示倍率を自由に拡大/縮小できる。

「ノート」の画面モード

また、「ノート」の画面モードでは、ノートの文字の書式を指定することが可能となっている。重要な部分を太字や赤字にするなど、ノートが読みやすくなるように工夫するとよいだろう。文字や段落の書式は「ホーム」タブで指定する。この操作手順はスライド内の文字の書式を指定する場合と同じなので、特に詳しく説明しなくても作業を進められるだろう。

「ノート」の文字の書式指定

ノートの編集作業が済んだら、「表示」タブの左端にある「標準」コマンドをクリックする。すると、画面モードをいつものスライド編集の画面に戻すことができる。

「ノート」を印刷するには?

ノートに入力した発表用原稿などは、印刷して利用するのが一般的だ。ノートを印刷する時は、「ファイル」タブにある「印刷」の項目を選択し、印刷レイアウトに「ノート」を指定すればよい。すると、「スライド」と「ノート」を1枚の用紙にまとめて印刷できるようになる。

印刷レイアウトに「ノート」を選択

「ノート」の印刷イメージ

発表者ツールにおける「ノート」の表示

スライドショーの実行時に表示される「発表者ツール」にも、「ノート」の文字が表示される仕組みになっている。ここに表示される原稿(ノート)を読み上げながら発表を進めていくことも可能だ。念のため「Alt」+「F5」キーを押して、発表者ツールでのノートの表示を確認しておくとよいだろう。

発表者ツールに表示されたノート

ただし、発表者ツールには、文字色などの書式が反映されないので注意すること。文字サイズは、左下にある2つのボタンをクリックすると拡大/縮小できる。

文字サイズの拡大/縮小

「ノート」を利用すると、各スライドの発表用原稿をPowerPointで作成することが可能となる。もちろん、口頭で説明する内容を一字一句、詳細に記載しなくてもよい。「発表すべき内容」を箇条書きでまとめておくだけでも、発表時の補助資料として十分に役立つだろう。各自の好みに応じて自由に活用していくとよい。