今週は、スライドの背景に画像を指定する方法を紹介する。商品やサービスのイメージ画像がある場合などに活用するとよいだろう。そのほか、背景に指定した画像にアート効果などの加工を施す方法も紹介しておこう。

スライドの背景に画像を指定

スライドの背景を画像にするときは、前回の連載で解説した手順で「背景の書式設定」を開き、「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択する。続いて「ファイル」ボタンをクリックすると、画像ファイルを指定する画面が表示される。

背景に画像を指定するときの操作

画像ファイルの指定

以下の図は、パソコンに保存されている画像ファイル(写真)をスライドの背景に指定した場合の例である。背景画像を指定した後に「全てに適用」ボタンをクリックすると、全スライドに同じ背景画像を指定することができる。

背景に画像を指定したスライドの例

透明度の指定

背景に画像を指定する方法は、見た目の変化が大きく、独自性の高いスライドを作成できるのが利点である。しかし、文字が読みにくくなるという欠点もある。そこで、少しでも文字を読みやすくするためのテクニックを紹介しておこう。

最初に紹介するのは、背景画像を半透明で表示する方法だ。「背景の設定画面」で「透明度」のスライダを左右にドラッグすると、背景に指定した画像の透明度を変化させることができる。

透明度の指定

文字を読みやすくしたい場合は、背景画像の透明度を高めに設定し、文字の書式に「黒色」を指定するとよい。また、「ホーム」タブにある「文字の影」の書式をONにするのも、文字を読みやすくする効果的な手法となる。

背景の透明度を変更し、「文字色」と「文字の影」の書式を指定

アート効果を使った画像の加工

スライドの背景に画像を指定した場合は、PowerPointに用意されているフィルター(アート効果)を使って背景画像を加工することも可能となる。背景画像をよりイメージ的なものにしたい場合などに活用するとよいだろう。

背景画像にアート効果を加えるときは、「背景の書式設定」で「アート効果」のアイコンをクリックする。すると、設定画面が以下の図のように変化し、アート効果の種類や強度などを指定できるようになる。

アート効果の指定

以下の図は、背景画像(写真)に「ぼかし」や「パッチワーク」のアート効果を加えた場合の例となる。見栄えがあまり良くない写真であっても、アート効果を施すことで趣のある写真になる場合もある。一度試してみるとよいだろう。

「ぼかし」のアート効果を指定した背景画像

「パッチワーク」のアート効果を指定した背景画像

彩度や色相などの変更

背景画像の明るさ/コントラスト、彩度、トーンなどを変化させる機能も用意されている。この機能を利用するときは、「背景の書式設定」で「図」のアイコンをクリックする。続いて、「図の修整」と「図の色」の左にある三角形をクリックすると、以下の図のような設定画面が表示される。

「図の修整」と「図の色」の指定

これらの設定項目を使って、画像の色調を変化させるのも効果的な手法となる。背景画像をモノクロ表示にしたい場合は、「色の彩度」にあるボタンをクリックし、一番左の項目を選択すればよい(もしくは「鮮やかさ」に0%を指定する)。

彩度の指定

画像全体の色相を変更したいときは「色の変更」を操作するとよい。画像の雰囲気を変更できるだけでなく、色相が統一されるため文字が読みやすくなるのも、この加工方法の利点といえる。

色の変更

「色の変更」で色相を変更した背景画像

背景に指定したテクスチャの加工

「背景の書式設定」にある「効果」や「図」のアイコンは、背景にテクスチャを指定した場合も利用することが可能となる。よって、PowerPointにあらかじめ用意されているテクスチャを加工するときにも活用できる。

以下の図は、背景に「紙袋」のテクスチャを指定し、「色の変更」を使って色相を変化させた場合の例である。

「色の変更」で色相を変更したテクスチャ

*  *  *

このように、スライドの背景に画像やテクスチャを指定し、さまざまな加工を施してスライドのデザインをカスタマイズする方法もある。画像処理に慣れていない初心者でも気軽に利用できるので、一度試してみるとよいだろう。