こんにちは。漫画家のあざらすぃゆずこです。

「Intuos Comic」付属ソフト「CLIP STUDIO PAINT PRO」を使った、基本的な4コマ漫画の描き方を解説する連載「ペンタブで漫画描きたきゃこれ覚えとけば大体OK!」。今回はいよいよ最終段階、集中線とトーンについてお話します。

(6)仕上げ2 ~集中線とトーン~

◆集中線

集中線を描く方法はいくつかあるのですが、ここでは初心者にも易しい簡単な方法をお話します。違う描き方を試してみたくなったら、「特殊定規」にトライするのもいいかもしれません。

集中線を作成しやすいよう、「描き文字」「セリフ・フキダシ」レイヤーを一旦非表示にしておきます。レイヤーの非表示方法は以前お話しましたね!そのレイヤーの左にある、目のようなアイコンをクリックするだけです。

これで準備OK!次に、集中線を描く「領域」を指定します。難しそうに聞こえますが、やり方は簡単。

1:ツールパレット内「選択範囲」を選択
2:「長方形選択」をクリック
3:集中線を描きたいコマ枠に合わせてドラッグ

コマ枠が点線で囲まれましたね。何を行ったかというと、「点線で囲った部分にだけ集中線を描いていいですよ!」という指定をしたんです。領域を選択できたら、「集中線」ツールを使って集中線を描いていきます。

1:ツールパレット下部「図形」を選択(デフォルトでは「/」のようなアイコンになっているはずです)
2:サブツール内「集中線」→「密な集中線」を選択
3:ツールプロパティの設定を確認(※描画先が「常に集中線レイヤーを作成」になっていることを確認)
4:集中線の中心にしたい部分から外側に向かってドラッグ

※「常に集中線レイヤーを作成」…この設定で集中線を作成すると、新しいレイヤーが自動的に作成され、そのレイヤーに集中線が描かれます。

なんということでしょう…!これだけの作業でキレイな集中線が描けちゃいました!!集中線が描けたら、選択範囲を解除しておきましょう。やり方は、選択範囲の下部に表示されているバー左端の「選択を解除」をクリックするだけです。

他にも「まばら集中線」や「破裂」など、便利な集中線ツールがありますので、お手軽に集中線を描きたいひとにはおすすめです!慣れてきたら、ツールプロパティ内の数値を変更して色々試してみてくださいね。

また、作成した集中線レイヤーは、ひとつのレイヤーフォルダにまとめておくと管理がしやすいですよ!

◆トーン

トーンは、細かい設定を自分で行って作成することもできますが、ここではあらかじめ素材パレットに用意されているものを使います。まずは、トーンを貼る場所の領域を選択してみましょう。

1:ツールパレット上部「自動選択」を選択
2:「他レイヤーを参照選択」を選択
3:トーンを貼りたい箇所をクリック

※「描き文字」「セリフ・フキダシ」レイヤーは一旦非表示にしています

これで領域選択ができました。ちなみに、そのままの状態でShiftキーを押しながら他の箇所も選択すると、選択範囲を追加することができます。(画像では分かりやすくするために選択範囲を水色で表示しています)

ペンタブレットのサイドスイッチやエクスプレスキーにShiftキーを登録しておくと便利ですよ!

さて、次に素材パレットからトーンを選んで貼っていきます。

素材パレット「単色パターン」から、貼りたいトーンを選び、領域選択した箇所にドラッグ

簡単ワンタッチ!選択した部分にトーンが貼れましたね!細かい部分に貼り足していくには、塗りつぶしツールやペンツールを使います。

このように、同一トーンレイヤーでの塗りつぶしやペンでの描画は、トーンとして描かれます。試しに他の箇所を塗りつぶしてみましょう。他のコマに出てくる同じキャラの髪を黒色で塗りつぶしてみます。

便利ですね!この調子でどんどんトーンを貼っていきましょう。素材パレットには、他にも色々なトーンが用意されているので試してみてくださいね。

◆トーン削り

トーンを削ることにより、髪のツヤを表現したり、トーンをやわらかい印象にしたりすることができます。

◇髪のツヤの表現

1:描画カラー「透明色」を選択(ツールバー最下部にある長方形をクリック!)
2:ペンで髪ツヤを描いていく

髪ツヤが表現できましたね!このように、「透明色」で描画すると、その部分のトーンを削ることができるんです。ペン以外のツールを使うことにより、また違った表現が可能です。その例をご紹介しますね。

◇トーンをやわらかに

1: 描画カラー「透明色」を選択(ツールバー最下部にある長方形をクリック!)
2:ツールバー中央下部「デコレーション」を選択
3:「カケアミ」→「ガーゼ」を選択
4:トーンの境目を何度かこする

ベタっとしたトーンの境界が削られ、やわらかな印象になりましたね!背景をはじめ、キャラの影や服のシワの表現など、さまざまな箇所に応用可能なのでぜひ覚えてください。

さて、今回はここまで。次回いよいよ最終回!お楽しみに~。

★Intuos先輩のワンポイントレッスン「トーン領域の表示」

<作者プロフィール>
あざらすぃゆずこ
酒とゲームにおぼれる健全な20代女子漫画家。大人になったら何でも出来ると思っていたが、精神的にも肉体的にも小4から変化なし。成長期は来なかった。モンスターハンター公式ファンクラブ「モンハン部」にて「モンスター4コマshow」、ファミ通MHX応援チャンネル「狩りぷれっくす」にて「モンスターのきもち。」を毎週連載中。(Twitter:@onigirioisii)

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