【コラム】
午後14時過ぎ。長谷川義幸氏は取材場所に駆け込んできた。「いや、朝から電話会議が入っちゃって……」。国際宇宙ステーション(ISS)のうち、日本が開発・運用を担当する「きぼう」日本実験棟の打ち上げに向けて、日々、NASAとの調整が入る。 「ISS計画参加当初は、相当嫌なことを周りから言われたみたいです。『日本にはできないでしょう、人工衛星しか作ったことがないんだから』と。そこで先輩方が『なにくそ、日本でも作ってみせる』と言って、こういう船内実験室や、ロボットアームがあるモデル(写真a)を計画したんです」 頭を抱えるが、ここに来るまでに約30年かかった。長谷川氏がJAXAの前身、宇宙開発事業団(NASDA)に入社したのが1976年4月1日。不況に就職難。当時は宇宙開発といっても、誰もピンと来なかった。
それから、NASDAの人工衛星追跡管制部に11年、外部の宇宙通信に2年。通信衛星「スーパーバード」の打ち上げに関わり、人工衛星の勉強は終わったと思った。 定年まであと5年余り。プロジェクトマネージャーも長谷川氏で十数代目になる。これで最後---退任前に、日本史上初の有人施設を宇宙に打ち上げ、有終の美を飾る。 打ち上げが成功したら、自作の「きぼう」ペーパークラフトを持って、記者会見に臨む予定だ。 |
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