作る回路も利用する業者も決まったところで、次はCADソフトの導入を行ってみたいと思う。

前回も書いたようにP板.comはCADソフトの無償提供も行っているので、今回は回路図CAD、パターン設計CADともそれを利用することにしよう。もちろん使い慣れたCADソフトがあって、P板.comで使うデータを出力することができるならそれを利用すればよいだろう。

CADソフトのダウンロードはP板.comのサイトから可能だが、プリント基板の作成やパターン設計CAD用の部品ライブラリのダウンロードにはユーザー登録が必要になる。登録は無償でできるので早速やってみよう。

P板.comのサイトトップ画面

ユーザー登録はP板.comのサイトのトップページ右側にある「新規ユーザー登録」のところから行うが、もしすでに登録済みの知り合いがいる場合、お友達ご紹介割引のページを確認しておこう。

登録するとP板.comからメールが来て、そのメールにユーザーIDをパスワードが書かれている。メールアドレスとこのパスワードを使ってP板.comにログインするわけだ。

続いてCADソフトをダウンロードしよう。回路図CADであるCADLUS Circuitのダウンロードページに行き、zipファイルをダウンロードすればいい。

次にパターン設計CADであるCADLUS XのページからCADLUS Xのzipファイルをダウンロードしよう。

なお、6層~8層のパターン設計が可能なCADLUS XIIもダウンロードが可能だが、そこまで複雑な基板を自作することはまずないだろうと思われるのでここでは4層以下の設計に特化したCADLUS Xをダウンロードすることにしよう。

そして、CADソフトのダウンロードだけでなく、部品ライブラリのダウンロードも忘れないようにしよう。

CADソフトでは、性能や使い勝手も重要なポイントではあるが、それ以上に重要なのが部品ライブラリの充実度だ。実際に使い始めてみるとわかるのだが、使おうと思っていた部品がライブラリに登録されていないと、当然のことながら自分で部品を作成してライブラリに登録しなければならない。これが結構な手間なのだ。

また、近頃の部品ではピン数の多い物が多く、登録時にミスをしやすくなっているのもライブラリを自作することの怖い点の1つだ。そんなわけで、部品ライブラリが充実しているCADソフトを選ぶことは非常に重要なポイントの1つになることを忘れないでおきたい。

その部品ライブラリはユーザーP板.comにログイン後、個人ページの一番下にある「『CADLUS X/XII用 部品ライブラリ』約8000点!」というリンクの先のページからダウンロードすることができる。ログインしていないとダウンロードできないので注意しよう。

ダウンロードが終了したらインストールだ。どれもインストールは簡単で、CADLUS Circuit、CADLUS Xともにzipファイルを解凍して出てくるsetup.exeを実行するだけだ。

原稿執筆時点では、部品ライブラリのzipファイルを解凍すると「機構部品」、「受動部品」、「能動部品」という3つのフォルダが出て来るのだが、どうやらこの3つのフォルダはCADLUS Xのインストールフォルダの下にあるCOMPフォルダの「PARTS_LIBRARY」というフォルダの下にあるのが正しいようなので、「PARTS_LIBRARY」というフォルダを作成してコピーしておこう。

部品ライブラリは「圧縮基板データの解凍」という作業が必要なのだが、それは実際にCADLUS Xを使う時に行うことにする。

また、使っているOSがWindows Vistaの場合は設定が必要なので、「CADLUSシリーズWindows Vista互換性変更」のページを参考に忘れず設定しておこう。

次回はインストールしたCADLUS Circuitを使って実際の回路図を描いてみようと思う。