オンラインストレージの使い方を開設する本連載では、これまで「OneDrive」「Googleドライブ」「Dropbox」「Yahoo!ボックス」を取り上げたが、今回より、「Box」について紹介していく。

無料なら1人、有料ならグループ利用が可能

「Box」はビジネス利用を強く意識しているオンラインストレージだ。無料アカウントは存在するが、有料アカウントを利用する場合、容量を追加するだけでなく、機能を拡張することに意義がある。まずは、Boxの概要を押さえておこう。

Box(2015年6月現在)

無料プラン:あり
無料容量:10GB
有料プラン:月額1200円(100GB)、月額600円(100GB&チーム利用)、月額1800円(容量無制限、チーム利用)
スマートフォン用公式アプリ:あり
アカウント:独自アカウント

無料で利用できるアカウント「Personal」では、10GBの容量を利用できる。このアカウントのまま月額1200円の有料ユーザーになった場合、利用できる容量は100GBになる。100GBの容量が月額1200円というのは、最近のオンラインストレージとしてはかなり高額な印象がある。「Personal」では1人がPCやスマートフォンからデータをアップロードして複数端末で共有することはできるが、グループでの共有ワークスペースとして利用することはできない。

共有ワークスペースを利用できるのは「Share」や「Business」、「Enterprise」といった上位アカウントだ。「Share」は3~10名で最大100GBが利用可能で、月額料金は600円。「Business」は5名以上での利用が可能で、容量は無制限だ。「Enterprise」は別途見積もりが必要となっており、デバイス管理やセキュリティレポートの作成なども行える法人向けのサービスとなっている。

10GBの容量でよければ「Personal」で十分だが、もう少し容量が欲しいのならば「Share」にしてしまったほうが得に見える。しかし、「Share」は1ファイル最大2GBなのに対して「Personal」の有料プランは最大5GBになっている。まずは「Personal」の無料プランで使い始めるのがオススメだが、有料プランの選択が少々難しいサービスだ。

4種のアカウントと「Personal」の有料プランのどれを選択するかは、よく考えよう

わかりやすい画面で初心者にも安心

Boxは最初にログインした時、基本的な画面構成を説明するツアーが表示される。新しい機能がリリースされた時なども同じくガイドが表示されるから、わかりやすい。画面構成自体も見映えよくわかりやすい作りになっているから、とまどうことは少ないだろう。

初回ログイン時には丁寧なガイドが表示される

画面構成はわかりやすく、誰にでもつかいやすい

アカウント登録時に「姓」「名」と書かれたところに、自分の姓と名をそのまま入力すると、利用中のユーザー名が「名・姓」の順で表示されるため日本のユーザーにとっては違和感がある。しかし、右上にある名前をクリックして「プロファイルを表示」から情報の編集を行えば、任意の名前に変更可能だ。また、登録時に入力した電話番号も削除できる。

ファイルの情報などに添えて表示される名前は好みのものに変更可能だ

ブラウザにドラッグ&ドロップで手軽に利用可能

ファイルのアップロードは、ブラウザ画面にドラッグ&ドロップするだけでよい。これは、最近のオンラインストレージとしては一般的な動きだ。フォルダもまとめてアップロードできる。

アップロードはブラウザに向かってファイルをドラッグ&ドロップでOKだ

表示は、サムネイルやアイコンを左に置いたリスト形式の「一覧ビュー」、タイル状に並べた「アイコンビュー」のいずれかを選択できる。アイコンビューだからといって画像が大きく表示されるというわけではなく、大きめのサムネイルという程度だが、この大きさであれば一覧ビューでファイルをマウスで触れた時にも表示される。

ファイルをリスト形式で表示する「一覧ビュー」

タイル状にならべる「アイコンビュー」への変更もできる

削除やダウンロードといったメニューは、ファイル部分のメニューボタンをクリックするか、右クリックすればよい。右クリックでメニューが出せるため、Windowsのローカル作業との差が少ないのがストレスにならない。また、ファイル右にある「☆」をクリックするとトップ画面右の「お気に入り」にリスト表示されるから、作業中のファイルにマークしておくと便利だ。

アイコンを右クリックして操作メニューを表示

「☆」をクリックしておくと、トップ画面の「お気に入り」に表示される

また、ファイルのダウンロードはメニューから「ダウンロード」を選ぶだけでなく、アイコンをドラッグ&ドロップでデスクトップへ移動させることもできる。そのためには、ファイルを選択する前にShiftまたはAltキーを押しておいて、アイコンをドラッグ&ドロップすればよい。この時の動きはデスクトップに移動させてしまうのではなく、あくまでもファイルをダウンロードしたという動きになり、オンラインストレージ内部のファイルはなくならない。ブラウザからのアクセスだけでもかなり手軽に使える印象だ。