前回に引き続き、Office 365の予定表の共有について紹介します。

Office 365の「自分の予定表」と「他の予定表」

Office 365のOutlook Web App(OWA、Web版Outlook)で予定表を開くと、「自分の予定表」と「ほかの予定表」という、2つの予定表の見出しがあることがわかります。

「自分の予定表」でも「他の予定表」でも予定表を作成できますし、作成した予定表を他のユーザーと共有することもできます。ほとんど違いがありませんので、基本的には好みで使い分けて下さい。

(1)「自分の予定表」と「他の予定表」

「自分の予定表」と「他の予定表」

ただし、全く同じというわけでもなく、以下のような細かな違いがあります。

●誕生日カレンダー
Office 365の予定表には、既定の予定表として、誕生日を記録するための「誕生日カレンダー」が用意されています。「自分の予定表」を右クリックすると、ショートカットメニューで「誕生日カレンダー」の表示をON/OFFできます。

(2)「自分の予定表」を右クリックして、「誕生日カレンダーをオンにする」

「自分の予定表」を右クリックして、「誕生日カレンダーをオンにする」

●パブリックフォルダーの追加
パブリックフォルダー(第2223回記事参照)を作成してある場合、「他の予定表」を右クリックすると、ショートカットメニューでパブリックフォルダー内のフォルダーを、メールページのフォルダー一覧に追加できます。(予定表にパブリックフォルダーを追加表示できるわけではありません)

(3)「他の予定表」を右クリックして、「パブリックフォルダーを追加」

「他の予定表」を右クリックして、「パブリックフォルダーを追加」

●予定表の追加メニューによる追加先の違い Outlook Web Appには予定表を追加するメニューが複数ありますが、どのメニューを使うかによって、「自分の予定表」に追加するか、「他の予定表」に追加するか、異なります。

(4)予定表の「予定表の追加」メニュー

「予定表の追加」メニュー」

メニュー操作 新しい予定表が追加される場所
他ユーザーから定表の共有依頼メールを受信し、「承諾」したとき(前回記事参照) 他の予定表
画面上部の「予定表の追加」→「ディレクトリから」メニュー 自分の予定表
画面左上の「予定表を検索」から他のユーザーの予定表を検索して、見つかった予定表名右側の星印をクリック 他の予定表
画面上部の「予定表の追加」→「第2予定表」メニュー 自分の予定表
画面上部の「予定表の追加」→「休日の予定表」メニュー 自分の予定表
画面上部の「予定表の追加」→「ファイルから」メニュー (指定した既存の予定表内に、予定項目をインポート)
画面上部の「予定表の追加」→「インターネットから」メニュー 他の予定表

テナント外ユーザーへの予定表の共有

Office 365の予定表は、同じテナントのユーザーだけでなく、テナント外のユーザーとも共有できます。ただし、基本的には閲覧を許可するだけで、外部のユーザーが予定表の内容を編集することはできません。また、外部のユーザーのタイプによって、3種類の閲覧方法があります。

外部のユーザー 予定表の閲覧方法
別テナントのOffice 365のユーザー 前回の記事で紹介した通りの操作。Outlookの予定表で閲覧できます。Outlook Web Appでも、Outlookアプリケーションでもかまいません。
Office 365のアカウントはもっていないが、Microsoftアカウントを持っているユーザー マイクロソフトが無償提供するOutlook.com(日本語版はOutlook.jp)のOutlookカレンダー(予定表)に追加して、Webブラウザで閲覧します。
Office 365アカウントもMicrosoftアカウントも持っていないユーザー iCalendar対応のアプリケーションまたはWebサービスで、ICSファイルを取り込んで閲覧できます。または、XMLファイルに記述されたURLにWebブラウザでアクセスします。

iCalendarは、異なるサービスまたはアプリケーション間でカレンダー(予定表)情報を交換するための規格で、iCalendarに対応したデータファイルには拡張子.icsを使用します。iCalendarに対応したアプリケーションソフト(Microsoft OutlookやMozilla Thunderbirdなど)や、iCalendar対応のWebサービス(Googleカレンダーなど)で、Office 365が出力したICSファイルを取り込むことで、Office 365の予定表を閲覧できるようになります。
共有例を以下に紹介します。

外部ユーザーとの予定表の共有

共有元の基本的な操作は、前回紹介したテナントユーザーへの共有と同じです。

(5)共有する予定表を右クリックして、「共有アクセス許可」メニューをクリックします

「共有アクセス許可」メニューをクリックします

(6)共有を許可する相手先のメールアドレスを入力します。今回は、テナント外のメールアドレスを入力します

テナント外のメールアドレスを入力します

(7)共有する権限を選択し、「共有」をクリックします。テナント外のメールアドレスの場合、権限の選択肢は閲覧レベルのみになります。

「共有」をクリックします

(8)外部テナントのOffice 365ユーザーの場合、「承諾」をクリックして、自分の予定表に共有予定表を追加します。(前回記事参照)

「承諾」をクリック

(9)Office 365アカウントを持たないユーザーの場合は、使用環境に応じて受信メールの以下の部分をクリックします。

受信メールの以下の部分をクリックします

クリックする場所 動作
承諾して予定表を表示する Microsoftアカウント所持しているとき、あらかじめMicrosoftアカウントにサインインした状態で「承諾して予定表を表示する」をクリックすると、MicrosoftアカウントのOutlookカレンダーに予定表を追加します。
このURLを指定してみて下さい ICSファイルをダウンロードします。iCalendar対応のアプリケーションまたはWebサービスで、ダウンロードしたICSファイルを取り込んで下さい。
sharing_metadata(添付XMLファイル) 共有する予定表にアクセスするURLを記述したXMLファイルをダウンロードします。XMLファイル中に記載されたURLにWebブラウザでアクセスすると、予定表を閲覧できます。

(10)MicrosoftアカウントのOutlookカレンダーで表示した予定表。Office 365の予定表に似ていますが、Office 365ではありません。

MicrosoftアカウントのOutlookカレンダーで表示した予定表

(11)GoogleカレンダーにICSファイルの予定表を取り込んだ画面。Googleカレンダーの場合は、設定メニューの「カレンダーをインポート」からICSファイルを取り込めます。

GoogleカレンダーにICSファイルの予定表を取り込んだ画面

(12)XMLファイルに記述されたURLにWebブラウザで直接アクセスした場合。

XMLファイルに記述されたURLにWebブラウザで直接アクセスした場合

※注意が必要なのは、いずれの場合も、共有を許可されたユーザーが共有予定表を閲覧するとき、ユーザー認証がないということです。これは、メールで通知されたデータさえ入手できれば、誰でもアクセスできることを意味します。共有カレンダーの機密度に応じて、情報漏洩に注意してください。

予定表の共有の停止

共有した予定表の共有レベルを変更したいとき、共有を停止したいときは、共有するときと同様に、予定表を右クリックして「共有アクセス許可」メニューをクリックします。

(13)ドロップダウンリストで権限レベルを変更するか、共有を停止したいユーザーのごみ箱をクリックしてユーザーを削除して、「完了」をクリックしてください。

「完了」をクリック

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