これまで5回にわたって日立システムズのオープンクラウドマーケットプレース「MINONARUKI(みのなるき)」をクローズアップし、提供元の日立システムズのインタビューや事例を通じて、クラウドサービスの選択術について解説してきた。いよいよ最終回となる今回は、これまでの「おさらい」として、「MINONARUKI」の数々の特長とメリットをもう一度紹介するとともに、クラウドサービスの導入を検討している企業が自社に適したサービスと出会うための秘訣を紹介しよう。

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ますます加速するクラウドサービスの普及

昨年は東日本大震災や数々のセキュリティ事件など、企業にとってITのあり方を考え直さざるを得ない事象が相次いだ。多くの企業がこれらの問題に対する解決策として採用しているのが、クラウドサービスへの移行で自社のIT資産を外部に委託するというものだろう。

とりわけ中堅・中小企業にとっては、こうしたBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)やセキュリティ上の必要性に加えて、厳しさを増す経済状況のなか、導入や維持管理にかかるITコストを少しでも削減したいという思惑も、クラウドへの指向を強くしていると言える。

市場調査会社のIDC Japanが昨年末に発表したところによると、2011年の国内クラウドサービス市場は前年比45.9%の大幅増となる見込みだ。同社は、「クラウドサービス市場は今後も急速な拡大を続け、2015年には2010年の5.6倍もの市場規模になる」と予測している。

とはいえ、自社の業務に合うクラウドサービスをどのように見つければいいのか──そこで躊躇してしまう方も多いはずだ。ITの専門職を社内に置くことが難しい中堅・中小企業であれば、なおさらのことだろう。「クラウドサービスを導入したいが、どこにどのようなサービスがあるのかわからない」「とりあえず試しにクラウドサービスを使ってみたい」、そんな悩みを持つ企業にお勧めしたいのが、日立システムズが提供しているクラウドサービスのオープンマーケットプレース「MINONARUKI」だ。

「MINONARUKI」では、Webサイトを通じて企業向けのクラウドサービスが簡単に購入できる。また「オープンマーケットプレース」と言うだけあり、日立グループが提供するサービスだけではなく、他社のサービスも購入可能である点が大きな特長となっている。

対面でも非対面でもクラウドサービスとの「出会い」が可能

「MINONARUKI」には、自社の課題や業種などに合わせて最適なクラウドサービスを見つけられるよう、さまざまな工夫が凝らされている。例えば、「売上アップ」「業務効率向上」という課題の中から、営業支援ソリューションや財務会計支援サービス、各種セキュリティサービスなどを選択したり、建設業や製造業、飲食店・宿泊業といった業種ごとに必要なサービスのラインアップの中から選択したり、さらにはキーワードで検索をかけたりといったことができるのである。

トップページの「お困りの課題」「お客様の業種」「ご担当の業務」「ご存じなら商品名」といった4つの切り口からクラウドサービスを検索することが可能だ

一般的にクラウドサービスとは、人手を介さずに導入・購入のプロセスを完了するものである。当然ながら「MINONARUKI」も同様であり、対面の煩わしさを気にしなくていいのも、またクラウドサービスの魅力の1つでもある。しかしながら、サービスの導入にあたってわからない点や不安な点などを直接サービス提供者と相談したいことも多々あるはずだ。

そうした時、「MINONARUKI」であれば、日立システムズのスタッフが直接お客さまの元に訪問して対面で相談に応じることも可能となっている。インターネットと対面の両方のメリットを上手に生かしながら、簡単かつ安心して自社に合ったクラウドサービスに出会うことができるわけだ。

一番人気のクラウドサービスは「Dougubako」

さまざまな企業向けクラウドサービスを提供している「MINONARUKI」だが、とりわけ人気の高いのが、中小企業向けクラウドサービス「Dougubako(どうぐばこ)」だ。「Dougubako」を使えば、これまで価格が導入の障害となっていたアプリケーションも安価な月額料金で利用できるようになる。

例えば本稿執筆時点(2012年3月)で、「Dougubako」は、マイクロソフトの「Microsoft Office 2010」「Microsoft SQL Server 2008」「Microsoft Visual Studio 2010」、FIRSTITPROの「給与計算DX for EXCEL」、「タイムカード計算 for EXCEL」など、23種類のアプリケーションを提供する。

多くの企業は新たなアプリケーションの利用に躊躇することが多いと考えられる。しかし、「Dougubako」の場合、インターネットで申し込み可能な1ヵ月間の無料トライアルが用意されているので、「まずは試用してから本導入する」ことも可能だ。実際に「Dougubako」を導入した多くの企業は、この無料トライアルを利用したうえで導入している。

そのほか、サイボウズのグループウェア「サイボウズ ガルーン」や「GoogleApps」など、「MINONARUKI」には人気のアプリケーションが数多くラインアップされている。さらには新たなサービスも日々メニューに追加されており、3月に入ってからも勤怠管理ソフト「Time@Director」や営業支援ソリューション「Pro-Sales」、オンラインパブリッシングサービス「My-Promotion Web」が登場している。

BCPとセキュリティ対策、さらにはITコスト削減を実践しつつ業務効率向上と売上アップを実現したい──そんな悩みを抱えている企業の経営者やIT担当者は、一度ぜひ「MINONARUKI」を訪れてみるといいだろう。きっとそこには、思いもかけない素晴らしいサービスとの出会いが待っているはずだ。